学術集会

学術講演

「第30回日本医学会総会 2019 中部」では、4つの柱に基づきプログラムを策定いたします。

基本構想についてはこちらをご覧ください。

柱1 医学と医療の新展開

柱2 社会とともに生きる医療

柱3 医療人の教育と生き方

柱4 グローバル化する日本の医療

日程表

日程表

プログラムの内容は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
(2018年11月30日現在)

:専門医 :産業医  :健康スポーツ医  :市民公開講座

柱1 医学と医療の新展開

●1-1 AIとICTはどこまで医療を変えるか

ロボット、人工知能、ウエアラブルデバイス、テレメディシン。子どもの頃にSF小説や科学マンガで夢見た空想の世界が、今、現実の医療として、診断・治療に、健康管理・疾病予防に活躍する時代は目の前に来ている。

1-1-1

ビッグデータは医療の何をどう変えるのか

2019年4月27日(土) 13:50~15:50

座長

岡田美保子(一般社団法人医療データ活用基盤整備機構)

澤  智博(帝京大学医療情報システム研究センター)

1-1-2

遠隔医療が変える日本の医療

2019年4月27日(土) 16:10~17:40

座長

原  量宏(香川大学瀬戸内圏研究センター)

加藤 浩晃(京都府立医科大学 眼科)

遠隔医療の概念は時代とともに大きく変遷している。通信方法が電話回線に限られていた時代には、低画質の静止画や心電図などの伝送に限られており、離島・へき地を対象として利用されてきた。光ファイバーやモバイルの通信基盤を利用したブロードバンドの普及により、血圧等の生体情報はもちろん、CT・MRI画像や高精細動画伝送など、医学的診断にたえる情報の伝送が可能になった。Webテレビ会議システムも急速に普及し、小型の医療機器とスマートフォンを組み合わせることにより、医師と患者が、リアルタイムで情報交換が可能になっている。電子カルテも急速に普及し、医療機関の電子カルテを相互に結ぶ地域医療ネットワークも全国で構築されている。こうした中、厚生労働省は規制緩和を急速に進め、平成30年4月にオンライン診療に診療報酬を認め、今後急速に遠隔医療が普及していくと思われる。本セッションでは、医療のあり方そのものを変える遠隔医療の可能性と今後の展開に関して報告する。

1-1-3

人工知能が切り開く未来医療

2019年4月28日(日) 14:00~15:30

座長

大江 和彦(東京大学大学院医学系研究科 医療情報学分野)

武田 浩一(名古屋大学大学院情報学研究科 価値創造研究センター)

1-1-4

~AIが命を救い、新薬を開発する! ~ 人工知能が切り開く未来医療

2019年4月28日(日) 14:00~16:00

座長

倉橋 浩樹(藤田医科大学 産学連携推進センター)

白鳥 義宗(名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター)

毎日のニュースの中で、「人工知能」とか「AI」ということばを目にしない日はないくらい、今この分野の研究が、社会から注目されています。そしてこの分野は日進月歩であり、ついこの前まで出来なかったことが今は出来るようになっているという現実を目の当たりにすることがあります。 では、 人工知能研究の最前線はどこまで来ているのか?何が出来るようになっていて、この先さらに何が出来るようになるのか?それは私達の生活、そして医療をどう変えようとしているのか?そんなことを肌で感じ、身近に思って頂ければ幸いです。 この学会では、「人工知能と医療」をキーワードとした市民公開講座と学術展示を合わせて行いますので、是非ご覧いただき、自分の目や耳で実感して頂ければ幸いです。

●1-2 Precision Medicineはどこまで進んだか

がんや難病をはじめとする様々な疾患に対して、遺伝情報などの患者データを活用した個別化医療の開発が進んでいる。認知症やがんの予防治療や遺伝子治療など革新的なアプローチも含め、最新の治療法開発を議論する。

1-2-1

最先端ヒトゲノム情報の医療への応用

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

有沢 富康(金沢医科大学 消化器内科学)

飯田 真介(名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学分野)

21世紀に入りヒトの全ゲノムが解読され、遺伝子に対する理解が飛躍的に進むとともに医療のツールとしてゲノム情報を応用することが期待されている。それに併行して次世代シークエンサーが開発され、短時間に多くのゲノムを解析することも可能となった。その結果、遺伝⼦多型、rare variant、新規遺伝⼦変異、コピー数異常などの診断が容易となり、ゲノム情報を医療現場における診断や治療に生かす試みがなされている。本セッションでは、リキッドバイオプシーのがん診療への応用や、遺伝子パネルを用いたがんの個別化診療、希少疾患の遺伝子診断への応用など、現段階で行われている最先端のゲノム情報を用いたprecision medicineへの取り組みを幅広くご紹介いただき、今後の展望に関しても述べていただく。

1-2-2

難病に対する治療法開発のこれから

2019年4月27日(土) 16:10~17:50

座長

澤  芳樹(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座 心臓血管外科)

勝野 雅央(名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学)

世界最速最先端で超高齢化社会を進む我が国において、健康寿命の延伸達成に向けて難病の克服は必須課題である。そのための治療法も従来の創薬や医療機器開発の時代から、iPS細胞などによる再生医療、抗体医薬、バイオ医薬品、ゲノム医療やバイオインフォマテイクスによる精密医療など、基礎医学領域における新たなサイエンスの発見と技術革新に基づく新しい治療法開発が進んでおり、これまで治らなかった人が治る医療イノベーションの時代に突入した。本セッションでは、これら基礎研究から難病克服に向けた我が国の代表的なトランスレーショナルリサーチについてご発表いただき、今後のさらなる展開について議論させていただきたい。

1-2-3

がん・難病の予防療法はどこまで可能か?

2019年4月28日(日) 10:40~12:30

座長

直江 知樹(国立病院機構名古屋医療センター (血液内科))

森   啓(大阪市立大学大学院医学研究科 脳血管内治療・頭蓋底外科病態学寄附講座)

がんや認知症などでは,ゲノムやバイオマーカーの研究が進み、ハイリスク者の同定や発症前の予測など「個」の特徴に基づいた介入が可能となってきた。前医学会総会で議論された「先制医療」の重要性は近年現実味を帯びつつあるといえる。本シンポジウムでは「遺伝素因を背景に有するがん」と「アルツハイマー病」「パーキンソン病」に焦点を当てて、早期診断の取り組み、予防的治療について現状と展望について論じていただく。生殖細胞系列における遺伝子検査については、カウンセリングやサポート体制の充実が求められると同時に、差別・個人情報の問題など広く社会のコンセンサスを得ながら進むべき課題もある。また発症前診断・予防的治療においては保険診療や費用の問題も出てくるであろう。

1-2-4

遺伝子治療の到達点と今後の展開

2019年4月28日(日) 14:00~15:40

座長

武田 伸一(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)

珠玖  洋(三重大学大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学、個別化がん免疫治療学)

遺伝子治療は、がんを含むさまざまな難治性疾患の切り札として開発が進んでおり、その一部は国内外で承認を受け、すでに臨床での利用が進んでいる。とくに、神経筋難病については原因遺伝子そのものをターゲットとした核酸医薬の開発が盛んで、脊髄性筋萎縮症に対して我が国でも承認されたアンチセンスオリゴ核酸治療は、これまで治療法のなかった神経難病の予後を大きく変える画期的治療として期待されている。また、Duchenne型筋ジストロフィーに対してもモルフォリノなどの核酸医薬により遺伝子変異を克服する治療法が米国ですでに承認され、国内でも臨床試験が進んでいる。一方、がんの領域でも、遺伝子改変T細胞など、遺伝子を介した治療法が進んでおり、AAVなど遺伝子デリバリーの技術も進んでいる。このセッションでは、難病やがんなど難治性疾患に対する遺伝子治療がどこまで進み、今後どのように展開していくのかを論じていただく。

1-2-5

レジストリとコホートが拓く新しい医療

2019年4月28日(日) 14:00~15:40

座長

津金昌一郎(国立がん研究センター 社会と健康研究センター)

祖父江 元(名古屋大学脳とこころの研究センター)

人口の高齢化とともに認知症、がん、脳卒中、神経難病など生活習慣や遺伝要因が絡む慢性疾患が急速に増加してきている。これらの疾患の解決には、レジストリ・コホート研究が極めて重要である。

患者レジストリ研究では、前向き臨床情報とともにゲノム、オミックス情報が集積され、治験の促進や治療標的分子を見出そうとする流れが出てきている。またコホート研究では、一定地域の住民を対象に前向きの健診・生活情報とともにゲノムを含むオミックス情報を集積し、これらの情報から、疾患の防御因子や危険因子を明らかにして、予防に役立つ流れが見えてきている。

今回は、我が国の代表的な4つのレジストリ・コホート研究を通して、何が見えるのか、また今後の未来型医療はどうあるべきかなどを考えていきたい。

●1-3 脳とこころ

こころの問題は、職場でも家庭でも大きな問題となっているが、正確な医学的知識を知ることが、適切な対応には欠かせない。そこで、勤労者や母子のこころの問題、その背景にあるこころの問題と脳との関係について、最新の研究成果をもとに議論する。

1-3-1

職場のメンタルヘルス

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

岩田 仲生(藤田医科大学 精神医学)

内藤  宏(藤田医科大学 医学部 精神神経科学)

超高齢少子社会における日本の産業構造が大きく変革いく中で、特に企業を中心とした労働現場での「働き方」の変化は我々の想像以上のものとなっています。時間労働生産性の向上が企業の生き残りに死活問題となり、労働現場における、特に精神面でのストレス状況は今後さらに厳しさが増していくことが懸念されます。産業衛生の焦点がメンタルヘルスにシフトして既に久しいですが、現場の産業医としてのメンタルヘルス支援についてはまだ多くの課題が山積しているのが現状です。職場のメンタルヘルス支援が我が国の将来を決定づける環境の中で、産業医として活動される会員諸氏にその知見を深めて頂くことで、明日からの糧となり得る実践的なシンポジウムを企画いたしましたので、是非とも多くの方にご参加頂ければと存じます。

1-3-2

母と子のこころを知り、支える

2019年4月28日(日) 11:15~13:15

座長

尾崎 紀夫(名古屋大学 大学院医学系研究科 精神医学・親と子どもの心療学)

友田 明美(福井大学子どものこころの発達研究センター 発達支援研究部門)

我が国は、世界中のどの国も経験したことのない高齢化社会を迎えつつあります。その背景には、少子化の問題があり、これまでより一層、全ての子どもが心身ともに健やかに育まれる体制整備が求められています。しかし残念なことに、例えば妊産婦や10歳台等の若年者の方々の自死率が高いことが判明し、その背景として、うつ病や自閉スペクトラム症など、こころの問題への対策が求められています。お母さま、お子さんのこころの問題に適切に対応するには、ご本人や周囲の方々が、正確な医学的知識を得て、医療と連携することが欠かせません。以上は踏まえた本シンポジウムでは、母子のこころの問題について、精神科、産婦人科、小児科の専門家が、最新の研究成果をもとにお伝えする予定です。本シンポジウムが、母と子のこころを知り、支える上で、少しでもお役に立てば幸いです。

1-3-3

ここまで見えるようになった精神神経疾患

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

渡辺 宏久(名古屋大学 脳とこころの研究センター)

笠井 清登(東京大学大学院医学系研究科 精神医学分野)

認知症、パーキンソン病、うつ病、統合失調症、発達障害などの精神・神経疾患は、先進国においては疾患にともなう生活・人生への負担の指標であるDALYs (Disability-adjusted life years)が全疾患カテゴリ中最大を占め、その克服は国家的課題です。精神疾患は主に人生早期に、神経疾患は主に人生後半期に発症するため、人のライフステージに沿って精神・神経疾患のトータルな対策戦略を考える姿勢も大切になってきます。本シンポジウムでは、近年技術革新が目覚ましい脳画像計測・解析を用いた、精神・神経疾患の脳病態解明研究や診断・治療への応用研究について、現状と展望をご紹介し、ディスカッション出来れば幸いです。

●1-4 再生医療が拓く医療

再生医療の基礎研究ならびに臨床応用に関する最新の話題を講演していただく。また、ゲノム編集技術は日本が世界に先駆けて開発した技術であるが、第一線の研究者からその最先端のお話を伺い、議論する。

1-4-1

再生医療への招待

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

高橋  淳(京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門)

柴  祐司(信州大学医学部 再生医科学教室)

再生医療はすでに夢や希望を語るステージではなく、初期臨床結果をフィードバックして基礎研究の質を高めさらに良い臨床応用を目指すステージに移りつつある。どういう患者さんのどういう症状が改善したか、それによる作用機序の再確認。それに基づく移植細胞基準の見直し、製造法の修正。また、患者選択基準の見直しなど行うべきことは数多くある。このセッションでは再生医療の臨床応用にすでに進んだ、あるいはその直前にある研究者たちにお集まりいただき、それぞれのプロジェクトにおける臨床応用のコンセプト、臨床結果からのリバーストランスレーション、今後のさらなる展開などについて語っていただきます。

1-4-2

歯髄細胞を利用した再生医療

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

丸山 彰一(名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座 腎臓内科)

手塚 建一(岐阜大学大学院医学系研究科 組織・器官形成分野)

1-4-3

ゲノム編集 ~その基礎原理から医学への応用まで~

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

石野 良純(九州大学農学研究院 生命機能科学部門)

畑田 出穂(群馬大学生体調節研究所 ゲノム科学リソース分野)

ゲノム編集の登場により標的遺伝子を自由に切り貼りし、遺伝子改変することができるようになった。その応用範囲は医療だけでなく農林水産業、エネルギー産業まで多岐にわたり爆発的に革命をおこしつつある。医療分野においては、すでに欧米では治療法の開発をめざしたベンチャーが次々に立ち上がり多額の投資を得、すでに遺伝病にたいするゲノム編集による治療の臨床試験も始まっている。このセッションではゲノム編集の基礎から医療応用にいたるまで最先端の研究者の研究を紹介する。

●1-5 21世紀のがんへの対峙

がんは、21世紀に入っても我が国の死亡原因の第一位であり続けている。一方で、ヒトゲノムの解読は個別化医療に道を拓き、また革新的な免疫治療法の開発なども進みつつある。日進月歩のがん医療の現況を把握し、その将来を展望する。

1-5-1

がん免疫療法の課題と将来への期待

2019年4月27日(土) 13:50~15:50

座長

西川 博嘉(名古屋大学大学院医学系研究科 微生物・免疫学講座 分子細胞免疫学
国立がん研究センター研究所/先端医療開発センター)

玉田 耕治(山口大学大学院医学系研究科 免疫学講座)

免疫チェックポイント分子を標的としたがん免疫療法が進行がん患者においても臨床効果を示すことが明らかになり、がん免疫療法の進歩に大きな期待が寄せられている。しかし、現状のがん免疫療法では臨床効果が認められない患者も多く存在する。よって、がん免疫療法の臨床効果を予測するバイオマーカーの同定や複合免疫療法をはじめとするより臨床効果の高いがん免疫療法の開発、がん免疫療法で特徴的に起こりうる有害事象の対策など、今後解決すべき研究課題は多く存在する。また免疫チェックポイント分子阻害剤では効果が期待できない患者や血液悪性腫瘍に対して有効なキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法をはじめとする養子免疫療法の開発も進んでいる。本セッションでは、これらのがん免疫療法の現状を把握し、新たな治療法開発へ向けて基礎・臨床双方から議論を深めたい。

1-5-2

稀少がんの克服へ向けて

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

高橋 義行(名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学)

山田 泰広(東京大学 医科学研究所 システム疾患モデル研究センター)

小児の固形腫瘍、成人の肉腫などは、稀であるがゆえに製薬企業の新規治療開発から取り残されている。このような希少がんに対する有効な治療戦略を開発するために、どのような研究や方策が必要なのか、本シンポジウムでは、希少がん研究の第一線でご活躍されている基礎研究者、臨床研究者から最新の研究成果をご講演いただくのみならず、審査機関のお立場からも医薬品審査の現状をご紹介いただく。希少がんの基礎研究から、稀少腫瘍バンクの必要性、ゲノム解析研究の現状、創薬や臨床試験の方法論、そして医薬品審査のあり方まで、希少がん研究/医療の現状を理解し、将来への展望を議論したい。

1-5-3

65歳以上が3000万人を超える超高齢社会でがん患者にどうように対応すべきか?

2019年4月29日(月・祝) 10:30~12:10

座長

長島 文夫(杏林大学医学部 内科学腫瘍科)

明智 龍男(名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野)

超高齢社会を迎えたわが国は世界に類をみないスピードで高齢者人口が増加しており、現在65歳以上の人口が3000万人を超え、75歳そして80歳以上の人口も各々1500万人、1000万人を超えている。一方、わが国の死因の第一位を占めるがん罹患の最大のリスクは加齢であるため、高齢がん患者も増加の一途を辿っており、それに伴い、がん医療の現場では、高齢者の特性を理解したうえでの最適な医療の提供およびその体制の構築が求められている。本セッションでは、がん医療の一線でご活躍の演者の先生方から、認知症やせん妄など高齢者に多い病態を合併したがん患者への対応の在り方、高齢者の特性を理解するためのComprehensive Geriatric Assessmentとその治療選択への応用、高齢者に対するがん薬物療法の実際などを論じていただき、高齢がん患者の診療の在り方に関する議論を深めたい。

●1-6 喫緊の医療課題

超高齢化社会のQOL、身体にやさしい低侵襲性医療、外科医療の均てん化、感染症、生活習慣病とリアルワールドエビデンスをキーワードに、喫緊の医療課題や近未来の医療への展望について議論する。

1-6-1

夜のオシッコの問題、もう悩まないでーこれであなたもグッスリ眠れる

2019年4月27日(土) 10:00~11:30

座長

柿崎 秀宏(旭川医科大学 腎泌尿器外科学講座)

就眠後、尿意で目が覚めてトイレに行かなければならない状況は夜間頻尿と呼ばれます。年齢が進むとともに、夜間頻尿を有する人の割合が高くなっていきます。夜間頻尿の原因は様々です。高血圧や糖尿病に代表される生活習慣病や腎臓病が原因となる事もあれば、前立腺肥大症や過活動膀胱などの泌尿器疾患が原因となる事もあります。夜間頻尿があると睡眠が中断されて、日中の眠気や活動性の低下につながる可能性があります。また、不眠(睡眠障害)が夜間頻尿の原因となることもあります。生活の質に大きな影響を与える夜のオシッコの問題をテーマとして、もう悩まなくても済むように、各領域の専門家がわかりやすく解説します。

1-6-2

血管病に対する最新の体に優しい低侵襲治療

2019年4月27日(土) 10:00~12:00

座長

古森 公浩(名古屋大学 血管外科外科)

吉川 公彦(奈良県立医科大学 放射線科・IVRセンター)

1-6-3

バラ色の老後は目と耳と口から! -考えよう!高齢者の感覚器治療-

2019年4月27日(土) 12:45~14:15

座長

植田 広海(愛知医科大学医学部 耳鼻咽喉科)

渋谷 恭之(名古屋市立大学大学院医学研究科 感覚器・形成医学講座 口腔外科学分野)

日本は、空前の超高齢化社会を迎えています。この時代を迎えて、ただ長生きするだけではなく、老後を快適に過ごすアクティブシニアライフが求められています。アクティブシニアライフ実現のためには、眼・耳・口の機能を維持させることが理想でありますが、現代の医学でも困難な取り組みであります。このセッションでは、これらの領域のスペシャリストの方々に現在の最先端の取り組みをお話し頂きます。瓶井先生には、視力低下の原因となる白内障や網膜疾患などの各種眼疾患の最新の治療を、曽根先生には、最近話題となっております老人性難聴と認知症との深い関連について、また日比先生にはそしゃくに必要な歯牙の機能を補填するインプラントの実情をお話し頂く予定になっています。これらの講演を通して、聴衆の方々が現在の各領域の最先端の知見および治療を理解して頂けるものと期待しております。

1-6-4

感染症は怖くない! -話題の感染症への新しいアプローチ-

2019年4月27日(土) 13:50~15:30

座長

岩﨑 博道(福井大学医学部附属病院 感染制御部・感染症膠原病内科)

中本 安成(福井大学学術研究院医学系部門 内科学(2)分野)

温暖化の影響を受け、自然界から野生動物を経て人に及ぶ感染症が脅威となってきた。さらに人的交流のグローバル化が加速する中、万国共通の危機ととらえるべき事例も増大している。SFTSやエボラ出血熱など、毎年のように新興感染症が話題にのぼる。再興感染症としてリケッチア症の国内での広がりも注目される。ウイルス性肝炎では、目覚ましい治療の進歩を遂げたが、新たな問題点も浮き彫りになっている。今、我が国が直面する感染症領域の新たな課題について、それぞれの専門領域のエキスパートを招き、近未来の医療を考える重要な情報提供をいただく。

1-6-5

敗血症診療の現在と未来

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

小倉 裕司(大阪大学 救急医学)

松田 直之(名古屋大学 救急集中治療医学)

1-6-6

生活習慣病とリアルワールドエビデンス

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

植田真一郎(琉球大学 大学院医学研究科 臨床薬理学)

門脇  孝(東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科)

がんや、循環器疾患や代謝疾患、消化器疾患などいわゆるcommon diseaseについて、新規の治療法開発が進められる一方で、臨床試験で有効性が示された治療法のエビデンスを、一般診療レベルから明らかにしようとする動きが進んでいる。本セッションでは、こうしたリアルワールドエビデンスがどこまで明らかになっているのか、それによって医療がどのように変わってきたかを、様々な分野から論じていただく予定である。コホート研究およびレセプト解析、DPCデータ解析、電子カルテ共有などいわゆるビックデータからどのようなリアルワールドが見えてくるかについても解説・展望していただく。

1-6-7

外科治療(心臓・呼吸器・消化器)の新規治療と均てん化への取り組み

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

五井 孝憲(福井大学 器官制御医学講座 外科学(1)分野)

松山 克彦(愛知医科大学 心臓外科)

第1-3次「がん対策推進基本計画」において重点項目の一つとして「がん医療の均てん化」が挙げられているものの,新規高度治療外科診療においては各病院間や各地域間において格差が認められることも少なくない。近年、その是正の目的として「診療ガイドライン」の作成・整備が行われ、これらをもとに日常診療が行われ、知識の均てん化は進んでいる、一方外科臨床現場では,各外科医の技量の熟成度が大きく関与するため,さらなる対策が不可欠と考えられる。 本シンポジウムが臨床の先生方にこれからの外科新規高度治療・標準治療の普及ならびに治療の均てん化の一端を担うことができれば幸いと考えております。

1-6-8

医科歯科連携の最前線

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

栗田 賢一(愛知学院大学歯学部 顎口腔外科学講座)

中田 誠一(藤田医科大学坂文種報德會病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

1-6-9

糖尿病と歯周病の相互関係

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

佐藤 祐造(学校法人瀬木学園愛知みずほ大学)

菊池  毅(愛知学院大学歯学部 歯周病学講座)

糖尿病は近年増加しており、患者数は1,000万人、予備群を併せれば2,000万人と推計されている。一方、歯周病は日本人中高年において約80%で罹患が認められている。糖尿病、歯周病相互の関係の密接さから、歯周病は糖尿病の「第6の合併症」と表現される。

糖尿病患者では歯周病が重症化するが、主因は高血糖による白血球の貪食能・殺菌能やマクロファージ機能低下を機序とした歯周病原細菌に対する抵抗力低下が考えられている。糖尿病治療により歯周組織の炎症は軽減しうるが、血糖コントロールに加えて、歯周病治療は不可欠である。

歯周病は慢性炎症として血糖コントロールに悪影響を及ぼすことが知られている。歯周病治療によって、歯周組織の炎症が改善すれば、インスリン抵抗性が軽減し、血糖コントロール状態も改善すると報告されている。

本シンポジウムでは、エキスパートによる発表、討論が行われるが、この分野での研究・実臨床面でのマイルストーンになることを期待する。

●1-7 医工が連携して拓く新たな医療の世界

革新的テクノロジーが牽引する第4次産業革命が始まった。専門家を招きマイクロ・ナノ工学、I-o-T技術、仮想・強化現実などの導入により急速に変化し始めた環境科学や医療の世界を聴衆とともに俯瞰する。

1-7-1

第4次産業革命が齎す環境・医療技術革新の実像

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

宮田 令子(革新的研究開発プログラムImPACT)

横田 秀夫(理化学研究所 画像情報処理研究チーム)

●1-8 月惑星探査に挑戦し、地球にも貢献する宇宙医学

人工衛星を利用した防災情報や災害医療への取り組み、地表の水系監視によるWHO等への感染症対策など、JAXAの医学への貢献を紹介するとともに、将来訪れる月・惑星探査時代の医学課題や検討状況を解説する。宇宙開発を通じた医学への応用のアイディアを、参加するあなたにも考えていただく糸口にしたい。

1-8-1

世界の医学に果たす人工衛星の恵み

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

祖父江真一(宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 宇宙利用統括付き)

村井  正(宇宙航空研究開発機構 宇宙医学生物学研究グループ)

世界の地球観測衛星からは、日々、地球の環境に冠するさまざまな情報を継続的に提供しています。このような宇宙からの地球観測はわが国においても1987年打ち上げの海洋観測衛星(MOS-1)を皮切りに、現在も陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)など5機の衛星を運用しています。このような衛星から得られる均質な時系列データは、大気汚染の状況把握のみならず感染症などの疫学的などの健康・公衆衛生分野での学際的に利用が始まっています。本セッションでは、世界の医学に果たす人工衛星の恵みについて、先端的な研究の情報の共有とともに、さらに利用を進めるために期待される人工衛星についての議論を行います。

1-8-2

月そして火星へ、宇宙医学の挑戦がはじまる

2019年4月28日(日) 14:00~15:40

座長

森田 啓之(岐阜大学大学院医学系研究科 生理学)

白川 正輝(宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター きぼう利用企画グループ)

2020年代には月の南極探査や火星からのサンプルリターンに日本が着手すると期待されています。更にその先には,月に長期間滞在しての科学探査や火星の利用可能性探査も目指すことになるだろうと思われます。これらを実現するためには,現在の宇宙医学研究に加え,1/3 g環境下でのリコンディショニングを可能とする為の人工重力応用トレーニング装置の開発や宇宙放射線被曝からの防護,宇宙飛行士が自分や仲間たち相互に精神心理状況を把握しケアする方法など,新たな探査時代の医学運用における課題を検討し,解決していく必要があります。本シンポジウムでは,これらの課題に対する取り組みを紹介し,併せて実験室きぼうを利用し,小動物を用いて無重量環境が生体に与える影響の評価やたんぱく質結晶生成に関する調査研究についての成果を紹介させていただきます。

●1-9 分かりやすい基礎研究入門

基礎医学研究の中でも特に日本人研究者がその発展に大きく貢献した3つの研究領域であるオートファジー、アミロイドーシス、IgG4関連疾患に焦点を絞り、基礎からその疾患との関連についてまで、最新の知見を分かりやすく解説していただく。

1-9-1

オートファジーの生理的意義と分子基盤

2019年4月28日(日) 8:30~9:00

座長

小松 雅明(新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子細胞医学専攻遺伝子制御大講座分子生物学分野)

オートファジー研究は、大隅良典博士(現東京工業大学栄誉教授)の出芽酵母を用いた先駆的な研究、すなわちオートファゴソーム形成に必須なATG (AuTophaGy)遺伝子の発見により飛躍的に進んだ。大隅博士はその功績により2016年ノーベル医学生理学賞を受賞した。この発見を契機に、オートファジーの素過程の基本メカニズム、そしてオートファジーの基本的な生理作用が明らかになった。しかし、オートファジー研究領域が成熟したかといえば、それには遥かに及んでいない。実際、オートファジーの研究が進むにつれて、従来の概念を超える多様性の存在が明らかになり、さらにはオートファジーが遺伝情報の維持機構、分化や環境変化に伴う細胞機能の制御、幹細胞の維持・分化、さらには老化制御といった生命の根幹に関わる事象に深く関与することも判明しつつある。本セッションでは、オートファジー研究の世界的リーダーである水島昇教授に、現在までのオートファジー研究の到達点と将来像を紹介頂く。

1-9-2

アミロイドーシスを予防し、治療するための基礎と臨床

2019年4月28日(日) 9:15~9:45

座長

樋口 京一(信州大学医学部医学科 加齢生物学教室)

アミロイドーシスは蛋白質が微細な線維構造に重合し、組織に沈着する病態である。蛋白質が正常構造からβシートに富んだ病的線維構造へ変換し、沈着する『蛋白質構造異常病』として、基礎研究者だけでなく、本疾患の診断・治療を担う臨床家の注目を集めている。現在までに30種類以上のアミロイドーシスが報告されており、中でも免疫グロブリン軽鎖に由来するALアミロイドーシスや、Aβが沈着するアルツハイマー病、感染性のプリオン病、トランスサイレチンが沈着するTTRアミロイドーシスなどが代表例である。最近では、画期的な治療法の開発も報告され、基礎、臨床の両面で我が国の研究者が多大な貢献をしてきた医学分野である。本レクチャーではアミロイドーシスの基礎と臨床について、厚生労働省アミロイドーシス調査研究班やプリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班の班長を歴任された金沢大学の山田正仁教授に最新の知見を提供していただく。

1-9-3

IgG4関連疾患の診断と治療:アップデート

2019年4月28日(日) 10:00~10:30

座長

中山  淳(信州大学医学部医学科 分子病理学教室)

本邦から発信されたIgG4関連疾患は当初、自己免疫性膵炎として報告された。しかし、その後、我が国の研究者を中心に、膵だけでなく涙腺・唾液腺、甲状腺、後腹膜、腎臓、胆道、肺、リンパ節など、全身諸臓器にも病変が生じることが明らかにされた。IgG4関連疾患患者は、その病態の多彩性から様々な診療科を受診する可能性がある。多くは各臓器の既存の疾患として診断・治療を受け、また、各臓器の悪性疾患との鑑別が困難な病態を呈することもある。さらに、この疾患はステロイド治療で劇的に改善することから、IgG4関連疾患に関する知識は診療科を越えて共有することが必要不可欠である。本レクチャーではIgG4関連疾患を発見、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に報告した川 茂幸博士から本疾患の病態・診断・治療について、最新の知見を提供していただく。

●1-10 分かりやすい新薬入門、臨床検査

抗体医薬品をはじめとする従来にない画期的新薬や超高齢社会に必須の医薬品と診断薬および臨床検査について、その作用機構、適応疾患、副作用や特徴を中心に分かりやすく解説する。

1-10-1

話題の画期的新薬・診断薬

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

山田 清文(名古屋大学医学部附属病院 薬剤部)

齋藤 邦明(藤田医科大学大学院医療科学専攻 病態制御解析学)

本セッションでは、従来にない画期的新薬や超高齢社会に必須の医薬品(C型肝炎ウイルス治療薬、免疫チェックポイント阻害薬、加齢黄斑変性治療薬:VEGF阻害薬、家族性高コレステロール血症治療薬:PCSK9阻害薬)と臨床検査(認知症の脳イメージング検査)について、当該領域・疾患のエキスパートを講師にお招きし、レクチャー形式で薬の作用機序、適応疾患、臨床使用成績などを解説していただきます。各領域・疾患の専門医、話題の新薬に興味をお持ちの臨床家、専門医資格を目指す若手医師、実際に患者さんを抱えている「かかりつけ医」の他、薬剤師、看護師、臨床検査技師などのコメディカルの方々にも参考になると思います。関連するセッション柱1-10-2「合併症を予防する!地域医療に貢献する新薬たち」と併せて聴講していただくと、より広範な画期的新薬や臨床検査を把握することができます。

1-10-2

合併症を予防する!地域医療に貢献する新薬たち

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

奥田 真弘(三重大学医学部附属病院 薬剤部)

木村 和哲(名古屋市立大学大学院 医学研究科 臨床薬剤学分野)

毎年上市される新規性の高い医薬品は、我が国の医療の進歩を支えるうえで欠かせないものです。本セッションでは、疾病の進行を抑えたり、疾病の再発を予防することで健康長寿に貢献する様々な医薬品のなかでも代表的なものを取り上げ、その特徴や治療の取り組みについて、当該領域のエキスパートに分かりやすくご紹介いただきます。具体的には抗糖尿病薬(GLP-1アナログ、SGLT2阻害薬)の特徴と持続血糖モニタリング(CGM)を用いた治療、RANK/RANKL阻害薬を用いた骨粗しょう症治療、減感作療法薬によるアレルギー性鼻炎治療、直接経口抗凝固薬(DOAC)を用いた血栓塞栓症治療とその中和、臨床現場即時検査(POCT)を用いた診療、疾病予防や健康増進などに関してご紹介いただきます。本セッションは薬物療法に関わる医師だけでなく、広くメディカルスタッフにも大変参考となる内容です。

柱2 社会ともに生きる医療

●2-1 超高齢化、少子化とともに生きる

医学・医療の進歩により我が国は超高齢社会を手に入れた。その必然の代償として、空前の少子高齢化の波が押し寄せている。今を生きる、さらに未来を見据えた医療のあるべき姿は? 本セッションでは、4つの視点で活きた議論を展開する。

2-1-1

超高齢社会におけるエンドオブライフ(EOL)ケアのあり方―QOLからQODへのシームレスケア

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

島内  節(人間環境大学/日本エンドオブライフケア学会 看護学部・看護学研究科)

西川 満則(国立長寿医療研究センター/日本エンドオブライフケア学会 地域医療連携室・エンドオブライフケアチーム/意思表明プロセス委員会)

超高齢社会の到来に伴い、多死社会を迎える我が国において、地域に開かれた、エンド・オブ・ライフ(EOL)ケアのための人材育成が重要である。そのためには、EOLケアの歴史を知り、その上で、がん患者のみでなく非がん・高齢者疾患の緩和ケアを促進するための人材育成、本人の意思が尊重され、高いクオリティ・オブ・デス(QOD)が実現されるよう、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を促進するための人材育成、EOL期の価値の対立もふまえ倫理的な判断を支援するためのチームの育成が重要である。そして、死は医療の敗北ではなく、人は、住み慣れた場所で、支えに気づき穏やかに過ごせること、臨終期を朗らかに笑顔で迎えられることを、市民や医療介護職が理解し実践するための地域の醸成が重要である。本シンポジウムでは、学会や協会で人材・チーム・地域の醸成に取り組み、自らもEOLケアを実践されている演者にご登壇いただき、近未来の我が国のシームレスなEOLケアの在り方を論じる。

2-1-2

生殖医療の進歩が齎す未来社会

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

苛原  稔(徳島大学大学院医歯薬学研究部 産科婦人科学分野)

藤井 知行(東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座)

2-1-3

少子・人口減少社会を支える明日の小児医療

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

五十嵐 隆(国立成育医療研究センター)

岡   明(東京大学医学部 小児科)

医学・医療の進歩は難病を含む小児の慢性疾患の生命予後を大幅に改善した。その結果、慢性的に身体・発達・行動・精神状態に障害を持ち何らかの医療や支援が必要な子どもや青年が増加している。その際に、在宅医療を受ける子ども・青年や家族への支援や、成人に移行する患者の治療を行う上で内科医などの成人への医療提供者との強い連携が求められる。また、発達障害者と家族に対する理解、訓練や治療の重要性が指摘されている。一方、近年のわが国の経済状況の悪化と共に子どもの相対的貧困率が上昇している。それに伴い、虐待を受ける子どもが増加し、その予防・対応に医療面だけでなく社会システムの面でも大きな課題が残されている。 これまでのわが国の小児医療は主にbiologicalな課題への対応が主であった。これからの小児医療には、子どもをbiopsychosocialに捉え、支援し、問題解決にあたる体制を構築するためのパラダイム・シフトが求められる。

2-1-4

超高齢者への医療の挑戦と限界

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学講座)

道勇  学(愛知医科大学医学部 神経内科学)

超高齢社会を迎えた現在、高齢者、特に75歳以上の後期高齢者、さらには85歳以上の超高齢者が医療の対象になるケースが増えてきている。医療(技術)の進歩により、そのような高齢者にも多くの先進医療が実施される時代にはなってきているが、一方で、フレイル、認知機能低下、multimorbidityを抱える高齢者を前に、その限界も日々の診療で感じるところである。実際にどこまでの医療が超高齢者に可能であり、その限界はあるのかどうか、またその限界をどのように評価するのかなどをテーマとする。具体的には、高齢患者における消化器手術、心臓血管手術、化学療法を含む薬物療法(高齢者の薬物療法の問題点も含む)、麻酔などの分野での先進医療の在り方、限界などをトピックスとしてお話しいただく。今回のシンポジウムが高齢者医療の新たな挑戦につながるとともに、一人でも多くの高齢者が現在医療、先進医療の恩恵を受け、健康長寿につながることを期待したい。

●2-2 健康長寿はどこまで可能か?

超高齢社会の進展とともに、長寿に伴ったQOL、ADLの向上が急務となっている。からだの痛みや筋の萎縮など現在の高齢者医療が多く抱える課題を明らかにするともに積極的に健康寿命を延伸するための対策を議論する。

2-2-1

健康寿命延伸につながる高齢者のための健診のありかた

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

津下 一代(あいち健康の森 健康科学総合センター)

福武 勝幸(東京医科大学 医学部医学科 臨床検査医学分野)

健診は疾病の早期発見・早期治療の役割から始まり、特定健診・特定保健指導制度では「生活習慣改善の必要な人を一定の基準で選定し、行動変容により健康状態の改善を目指す」仕組みとして位置づけられた。これらにより、循環器疾患の減少、肥満や糖尿病の増加抑制などの効果が得られ、中高年の生活習慣病対策として定着してきた。特定健診制度は医療保険者に実施を義務付け、実施率を評価することにより、普及が図られた点も特記すべきである。その一方、高齢者・超高齢者においては、加齢にともなう疾病構造の変化や検査の身体的・経済的負担に鑑み、中年期とは異なる問診・検査項目・受診間隔が望ましいと考えられる。健診の目的、受診後の対応法、受診率やその効果についての評価など検討すべき課題は多いが、制度としての確立すべき時期に来ている。 人生100年時代を迎え、健康寿命延伸につなげる高齢者のための健診の在り方について、公衆衛生学、老年医学、健診、政策の観点から議論を深めたい。

2-2-2

健康長寿のための食事と栄養

2019年4月27日(土) 15:30~17:30

座長

上西 一弘(女子栄養大学 栄養学部 栄養生理学研究室)

稲垣 暢也(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学)

健康長寿のためには食事と栄養が重要であることは疑いもないことです。本シンポジウムでは、世界の長寿食に学ぶ”食べ方上手”、消化管から見た長寿食、葉酸摂取で心身の健康寿命を延ばす、フレイル予防のための食事・栄養ーたんぱく質とビタミンD-など、食事と栄養に関するテーマで、日本を代表とする専門の先生方にお話をいただきます。

わが国の栄養問題は、脚気などの栄養素の欠乏症から、エネルギーなどの過剰摂取による生活習慣病へと変わってきました。しかし、現在でも欠乏症はあります。今は栄養障害の二重負荷が問題となってきています。メタボリックシンドロームも重要ですが、一方でフレイルも重要です。

本シンポジウムに参加して、是非健康長寿のための食事と栄養について考えていただきたいと思います。

2-2-3

長引く痛みの疼痛マネジメント

2019年4月27日(土) 16:10~17:50

座長

山口 重樹(獨協医科大学 医学部 麻酔科学)

牛田 享宏(愛知医科大学医学部 学際的痛みセンター)

本邦において慢性痛の人口は1500万人以上とされ、多くの人を苛ませ、ADL、QOLを低下させる原因になっています。このような慢性痛の要因は多彩であり器質的な問題にとどまらず、心理的な要因や社会的な要因が合わさって生じており、これらの治療あたっては多角的に痛みの病態を分析し、対処する必要があります。薬物治療法においては従来のメカニズムとは異なる薬剤が開発されており、その有効性と限界について学ぶ必要があります。また、慢性痛の発症や維持に精神・心理・社会的な観点も重要であり、治療法としては運動療法や認知行動療法の有用性についても理解を深めていただければと思います。

2-2-4

歩き続ける生き生き人生-フレイル・サルコペニアとロコモティブシンドロームを防ぐ

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

大江 隆史(NTT東日本関東病院 手術部)

鈴木 隆雄(桜美林大学 老年学総合研究所)

日本は現在世界に先駆けて超高齢社会を迎え、間もなく65歳以上の人口が全人口の30%に達すると推定されています。特に高齢者の中でも今後著しく増加するのは、75歳以上の後期高齢者と呼ばれる方々です。75歳以上となりますとどうしても心身の機能の低下は顕在化してきます。中でも全身的に虚弱化傾向の現れる「フレイル」、加齢に伴って筋肉量が減少し筋力が衰える「サルコペニア」、そして骨や関節そして筋肉といった運動器全体の疾病や障害を意味する「ロコモティブシンドローム」といった状態が多かれ少なかれ出現してきます。これらを放置しておくと、容易に日常生活の自立を脅かし、生活の質(QOL)を低下させ、ついには要介護状態となる可能性の高いことが知られています。高齢期の健康維持、そしていつまでも「生き生きとした人生を送る」ためには、特に後期高齢期に出現しやすいこれらの障害をできるだけ予防することが大切になります。

2-2-5

ヒトの老化は制御できるか―抗老化研究の最前線

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

鍋島 陽一((公財)神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター)

高齢者の機能低下、機能障害、疾患発症の最大のリスクファクターは老化である。今や高齢化は先進国のみならず発展途上国においても急速に進行しており、老化は人類が21世紀に対処すべき最大の課題の一つとなっている。先進国では、多年にわたり老化疾患の病態解明と治療法の開発に取り組んできたが近年の老化・寿命制御研究の急速な進展を背景に新たな方向を打ち出しつつある。すなわち、“老化遅延、健康長寿を実現し、老化疾患の発症、老化に伴う機能低下を抑える”との方向性である。本セッションでは、老化研究、加齢疾患研究において世界をリードしている研究者に最新の研究成果を紹介して頂き、健康長寿の実現について議論する。

2-2-6

フレイルとロコモティブシンドロームー疾患概念と対策ー

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

荒井 秀典(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター)

竹下 克志(自治医科大学 整形外科)

社会の高齢化はほとんどの先進国を襲う津波のようである。このような高齢化の中で要介護高齢者の増加が問題となっており、その増加を食い止めるための処方箋としてロコモ、フレイル、サルコペニア対策が注目されている。いずれの病態も加齢とともに増加し、要介護状態のリスクである。従って、早期診断、早期介入がきわめて重要であり、その概念の啓発がきわめて重要である。本シンポジウムにおいては、日本全体でロコモ、フレイル、サルコペニア対策を進めるため、その病態、診断、予防、介入方法につき議論することにより、日本国民の健康寿命の延伸を図りたい。

2-2-7

いよいよ東京五輪!健康増進のためのスポーツ医歯学

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:30

座長

松本 秀男(慶應義塾大学 スポーツ医学総合センター)

近藤 精司(至学館大学短期大学部 体育学科)

日本は世界に類を見ない長寿国ですが、健康的な長寿を達成するためには、子供から老人まで年齢と体力あるいは個々が有する疾患や病態に応じた運動が必要です。そこで、アスリートばかりでなく、一般市民や様々な疾患や障害を持つ人にとって、安全かつ有効に健康を維持するための運動とは何かについて紹介します。まず、成長期の小児に生じる運動器の外傷や障害、それらのチェック方法、そして健全な発育に必要な運動について解説します。次にアスリートのスポーツ外傷や障害、それらの解決法、そしてスポーツ復帰への取り組みについて解説します。更に、中高齢者における運動の必要性、注意すべきこと、様々な疾患に対する運動の効果等について解説します。最後にスポーツ歯科の領域からも、スポーツの長所・短所を解説します。これらを通じて、2020年、東京オリンピック・パラリンピックを機に日本のスポーツ医学が益々発展することを期待致します。

2-2-8

認知症と正しく向き合うために-予防と治療の進歩-

2019年4月29日(月・祝) 11:00~13:00

座長

岩坪  威(東京大学大学院医学系研究科 神経病理学分野)

鳥羽 研二(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター)

超高齢社会が本格化するにつれて、認知症に悩まれる高齢者の数は急速に増加しており、社会問題ともなっています。このセッションでは、認知症の早期診断・治療に役立つ画像診断や遺伝子検査の進歩から、認知症を予防するための最新の包括的な取り組み、認知症を発症された方に対する医療とケアの現状、そして認知症を持ちながらも豊かな日常生活を送ることのできる地域作りまで、認知症を恐れることなく、上手に向き合って頂くために役立つ知識を、わかりやすくお伝えします。

●2-3 街づくり、環境、災害

高齢化の進行やICTの発達の中で社会が直面する公衆衛生課題に光を当て、街づくり、災害への備え、薬物依存対策、化学物質対策、働き方改革、がん治療と就労の両立について、幅広い分野からの問題提起を受け今後の展望を議論する。

2-3-1

あなたと子どもたちの命を守るために -知っておきたい!災害時に必要な医療と備え-

2019年4月27日(土) 12:45~14:45

座長

石川 広己(日本医師会 常任理事)

那須 民江(中部大学 生命健康科学部)

東日本大震災や熊本地震を例に挙げるまでもなく、わが国は地震に代表される自然災害に見舞われることがきわめて多い。また、松本・地下鉄サリン事件のような化学テロが発生した歴史もある。このように、私たちの社会にはさまざまな災害が起きうることを前提として、過去の教訓に学び必要な備えに関する最新の状況を概観することを目的に、シンポジウムを行う。まず、地震に加えて津波や原発事故という複合災害であった東日本大震災の教訓から、いかに災害に備えるか、子供などの災害弱者たちを災害から守るためにはどうしたらよいかを取り上げる。また、放射性物質の広範囲な拡散は住民への被ばくや水、土壌や森林汚染も発生し、食糧汚染など多くの問題をもたらした。急性被ばくの住民への初期および中・長期的対応について取り上げる。最後に松本サリン中毒事件を教訓として、化学テロ発生時の住民の初期・中期・長期的健康影響の調査から、このようなテロから身を守るために何が必要かを取り上げる。

2-3-2

様々な依存の理解とその対応方法

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

樋口  進(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)

松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)

2-3-3

未来社会の環境をつくる -これからの化学物質との接し方・つきあい方

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

武林  亨(慶應義塾大学 衛生学公衆衛生学)

宮川 宗之(帝京大学医療技術学部 スポーツ医療学科)

現在の日本では化学物質に起因する職業病や公害病が多発する状況はなくなったものの、職場環境では予期せぬ中毒発生が度々報告されており、一般環境については子どもの健康を守り未来の環境づくりをめざす国の研究プロジェクト(エコチル調査)が進行中であり、化学物質による潜在的な健康影響への懸念は消えていない。職域ではリスクアセスメントが義務化され様々なツールも導入されつつあるが、健康障害リスクを適切に評価・管理するための基本が現場で十分理解されたとは言えない状況もある。また、エコチル調査で子どもへの影響が明らかになれば、一般環境での微量曝露に対応するための枠組みの検討が必要になろう。健康障害の予防と化学物質管理を広い視点からあらためて考える機会とするべく、産業現場の取り組み(加部)、未規制化学物質による健康障害事例(武林)、エコチル調査(川本)、化学物質管理の今後の方向性(城内)といった内容で各演者に話題提供をお願いし意見の交換を行いたい。

2-3-4

~住み慣れた地域で安心して老いるために考えよう~
高齢者にやさしい未来の家・まち・からだの情報管理

2019年4月28日(日) 14:00~16:00

座長

上島 通浩(名古屋市立大学大学院医学研究科 環境労働衛生学分野)

柴田 英治(愛知医科大学 衛生学講座)

超高齢化社会における街づくりは、地域のコミュニティーの力を最大限に生かし、心身にある程度の不自由はあっても地域の様々なネットワークで高齢者を孤立させることなく、生きがいを持って過ごせる環境を整えることを基本に考えなければならない。一方、そのためにはAging in place(住み慣れた地域で高齢期を過ごす)を実現する人材育成のほか、住宅内の温熱環境を整え、高齢者の脳心血管系に負担をかけない居住環境を省エネルギーで実現する未来型住宅の開発、介護専門職の不足に対応するとともに、人間による介護に係る物理的な困難を克服する家庭内生活支援ロボットの開発、地域の高齢者からの携帯型デバイスを通じた健康情報の発信と地域における一元的管理等といった人づくりとイノベーションの考え方が求められる。本セッションでは上記の各課題に取り組む専門家からの報告を受け、加速化する高齢化時代の街づくりを考える。

2-3-5

がんと就労:治療との両立

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

斉藤 政彦(大同特殊鋼星崎診療所)

高橋  都(国立がん研究センター がん対策情報センター)

少子高齢化に伴い、がんに罹患する労働者が増加し、一方で、治療技術の進歩に伴い、五年相対生存率が60%を超え、副作用対策によって外来治療が主体となった。よって、職場の配慮があれば、がんを治療しつつ就労することは可能である。しかし、がんは短命というイメージから、失職するケースが後を絶たない。就労は、本人にとって生活費や治療費の確保だけでなく、社会とのつながりであり生き甲斐である。一方、職場にとっても貴重な労働力である。がんを治療しつつ就労を継続することは社会的テーマであり、厚生労働省も平成28年にガイドラインを出し、平成30年度の診療報酬改定において、療養・就労両立支援指導料が新たに承認された。対策としては、正確な知識の普及によって、がんになっても十分働けることを周知することが第一で、本人が自覚して安易に退職しないようにし、主治医は治療優先の中で、就労のことも意識する。職場も重要な課題と位置付け、医療機関と連携しつつ、働く環境を整える。

2-3-6

わが国における働き方と健康対策

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

黒木 宣夫(東邦大学)

茅嶋康太郎(株式会社ボーディ・ヘルスケアサポート)

2016年11月に過労死等防止対策推進法が施行され、さらに大手広告代理店における過労自殺が社会的に注目を浴び、過労死等の防止と過重労働対策のさらなる強化が重要かつ喫緊の課題となっている。過重労働の要因は長時間労働を基盤とするが、その背景には社会の経済状況、商慣行、雇用形態、職制、業務請負内容、職場環境など多様な要因が存在する。これまでの法による監督型の過重労働対策には限界があると思われ、経済界の自律的な取り組みによる「働き方・業務請負慣行の根幹的な改善」が期待される。 シンポジウムでは、長時間労働と過労による健康影響についての最新の知見を整理し、医療から過労で健康障害を起こしている労働者にどのような支援ができるか、医療者が産業医としてどのように労働者、企業を支援できるかについて検討したい。働き方・働かせ方改革の「理想論でない実践事例」として健康経営の先頭を走る企業の担当者にご登壇いただき、今後のあるべき社会像についても議論したい。

●2-4 新薬・ロボット・診断機器

医療における技術革新は、効率的診断・非侵襲的治療の流れを加速させる一方で、治療の均てん化の流れも進めている。本セッションでは、第一線の先生方で技術革新による近未来医療の流れを議論する。

2-4-1

アカデミア発医薬品開発の現状と課題

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

井澤 英夫(藤田医科大学坂文種報徳會病院 循環器内科)

宮田 敏男(東北大学医学系研究科 分子病態治療学分野)

日本の基礎研究レベルは高く、医薬品開発においても、多くの基礎研究成果が蓄積されています。 近年の実用化研究(橋渡し研究)を加速する様々な政策の下、アカデミアからの医薬品開発は、低分子医薬品を中心に、基礎研究からヒトでの有効性を確認する医師主導治験(POCの取得)までを繋げる環境が整備されてきました。革新的な次世代医薬品創出のためにも、アカデミア、製薬企業、CRO、バイオベンチャーなど関係者でのオープンイノベーションの「場」をさらに広げ、多くの課題を抽出して解決しなければいけません。本セッションでは、アカデミアと行政(日本医療研究開発機構、医薬品医療機器総合機構)の立場から、医薬品開発の最前線にかかわられておられる方々にお集まりいただき、アカデミア発医薬品開発の現状と課題に関して議論をお願いする予定です。

2-4-2

光とイメージング技術が拓く新しい医療

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

山本 清二(浜松医科大学)

蓑島 伸生(浜松医科大学 光尖端医学教育研究センター)

2-4-3

ロボット技術でリハビリテーション医療が変わる ~思っただけで身体が動く?~

2019年4月28日(日) 11:15~13:15

座長

山田 純生(名古屋大学大学院医学系研究科 保健学)

浅見 豊子(佐賀大学医学部附属病院 リハビリテーション科)

脳と機械を直接つなぐ技術、ブレインマシンインターフェース(BMI)がリハビリテーション医療を変えようとしています。BMIは信号の方向から、大まかに脳情報からロボットなどを制御する「出力型」と、外部センサーからの情報を脳に入力する「入力型」とに分かれますが、脳・身体機能の回復を目指して世界中で研究が進んでいます。本シンポではその最前線の研究をご紹介頂きます。

まず、里宇先生には脳波など非侵襲技術によるBMIを用いた脳卒中患者のリハビリテーションについて、吉峰先生には脳外科手術を組み合わせた、直接脳表からの情報を抽出する技術とその臨床応用を、森本先生には脳情報を使ってロボットを操作し、さらに動かした手足からの感覚情報を使って機能回復を目指すハイブリット技術を、最後に浅見先生よりBMI以外のロボット技術を用いたトレーニングをご紹介頂きます。各ご講演内容は先進的リハ医療のコア技術となる可能性を秘めています。多くの皆様のご来場をお待ちしています。

2-4-4

ロボット技術で輝く近未来手術

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

藤澤 正人(神戸大学医学研究科 腎泌尿器科学)

宇山 一朗(藤田医科大学 総合消化器外科)

医用工学の急速な進歩に基づき導入されたロボット支援手術システムは、従来の外科手術の概念に大きな変革をもたらしながら、低侵襲手術として急速に実臨床の場で普及してきた。高解像度の3D視野の下で多自由度の鉗子操作を駆使することで、標準術式はもとより、想像をはるかに凌ぐ高難度の手術を安全に施行することが可能となってきている。また、2018年4月より、多くの術式において保険診療が承認された。本シンポジウムでは、ロボット支援手術に豊富な経験を有するエキスパートの先生方に、各領域におけるロボット支援手術の現況を解説いただくとともに、その将来展望を示していただき、今後本邦の外科医が目指すべきロボット支援手術の方向性を考えていきたい。

●2-5 高い安全性と倫理性が求められる医学・医療

高度医療が薬剤耐性菌を生み、ヒューマンエラーやコミュニケーションエラーによる有害事象を顕在化させた。医療に伴うリスクの制御は、現代医療における重要課題である。最新の患者安全と医療倫理について議論する。

2-5-1

我が国のAMR(薬剤耐性菌)対策最前線

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

八木 哲也(名古屋大学大学院医学系研究科 臨床感染統御学)

村上 啓雄(岐阜大学医学部附属病院 生体支援センター)

多剤耐性アシネトバクターやカルバペネム耐性腸内細菌科細菌などの多剤耐性菌の世界的な拡がりを受けて、有効な対策がなされなければ、感染症の治療はペニシリン発見以前に逆戻りしてしまうのではないかと危惧されている。2016年4月に我が国でも「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が発出され、国立国際医療研究センターを中心として国家的な対策が展開され、それに基づき医療現場でさまざまな活動が進行中である。登壇して頂く5名の講師には、薬剤耐性菌の疫学から、国としてどのような対策活動が進められているか、現場での感染制御・抗菌薬適正使用・感染症治療がどのように行われているかを、それぞれの立場からご発表頂き、現時点でのアクションプランの到達点と今後の課題を確認したい。

2-5-2

医療の質向上と患者安全

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

長尾 能雅(名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)

兼児 敏浩(三重大学医学部附属病院 医療安全管理部)

2-5-3

医療倫理と臨床倫理

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:30

座長

飯島 祥彦(名古屋大学大学院医学系研究科 生命倫理統括支援室)

塚田 敬義(岐阜大学医学系研究科 医学系倫理・社会医学)

医学研究の実施に際しては、ヒトゲノム・遺伝子解析、疫学や臨床研究の倫理指針に基づく倫理審査体制が構築され15年余が経ち、疫学・臨床研究は「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に統合され、個人情報保護法等の改正を踏まえた指針の大改正が行われたことは記憶に新しい。そして「臨床研究法」の施行に至った次第です。指針改正や新法制定の背景には医学研究での研究不正問題があります。現在では研究対象者への保護の強化以外に「公正な研究の実施」の確保、すなわち利益相反マネジメントの強化、モニタリングや監査の実施、情報や試料の適切な取扱い方法も含め「研究の質」の確保、さらに倫理審査の質の向上も求めています。次に生命観や人生観の多様化、医療環境の変化への医療界の対応の取り組みとして「臨床倫理」の視点が注目されています。今回、先駆的な取り組みを実践している先生方と共に課題そして方向性を論じ、明日からの医学・医療の場に還元したく企画するものです。

●2-6 医療制度を考える

今後も続く高齢化の進展と医療の高度化を乗り切る医療制度改革と財源確保。未来につながる良質な医療提を提供するにはどのような視点で改革を進めていくのか、地域医療構想、医療計画、在宅医療、地域包括ケアシステムの在り方も含め議論したい。

2-6-1

地域医療構想・医療計画

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

中川 俊男(日本医師会副会長・新さっぽろ脳神経外科病院理事長)

永廣 信治(徳島大学病院長)

地域医療構想では、各医療機関が構想区域の各種データに基づき自院の将来について検討を行っており、各地の地域医療構想調整会議における公私の役割分担等の機能分化・連携に関する協議も踏まえながら、当地の病床機能が次第に収れんされていく。他方、医師偏在の解消に向け、医療法・医師法の改正により医師確保計画の策定など都道府県の役割が高まることとなる。その中核を担うのは地域医療対策協議会であり、医師会、大学、関係機関等の参画の下、実効性をもって運営される必要がある。また、新たに導入される「医師偏在指標」等は一律に適用されるべきではなく、地域の実情が十分に反映されなければならない。そのためには、地対協での検討に調整会議を活用する仕組みが必要である。勤務医等への医師需給に関するデータ提供、キャリア形成支援も重要である。地域医療構想、医師確保計画はいずれも医療計画を構成するものであり、当日は今後の医療提供体制について議論したい。

2-6-2

超少子高齢社会を乗り切る医療制度改革と財源選択

2019年4月27日(土) 13:50~15:30

座長

二木  立(日本福祉大学)

我が国の医療費は、2013年には40兆円を超え、今後も急速な高齢化の進展と医療の高度化に伴い、医療に係る国庫負担は急増する見込みである。世界に冠たる国民皆保険を維持し、これを次世代に引き渡すには、医療、介護提供体制の適正化、インセンティブ改革、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化、薬価。調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革などが必要とされている。しかし、医療費の抑制ありきの行き過ぎた改革は、医療の質の低下につながることも懸念される。未来につながる良質な医療を提供するにはどのような視点で改革を進めていくのか、経済学界、厚労省、医療関係者など各界の立場から議論を深めたい。

2-6-3

超高齢社会における持続可能な在宅医療・地域包括ケアシステムの在り方

2019年4月27日(土) 16:10~17:50

座長

三浦 久幸(National Center for Geriatrics and Gerontology 在宅連携医療部)

地域包括ケアのキーワードは「地域」、「包括性」、「継続性」といわれている。2012年以降、国策として在宅医療の推進及び在宅医療・介護連携推進事業が進められている。この流れの中で愛知県医師会は在宅医療サポートセンターを地区医師会内に設置し、事業の面展開を行っている。地域の在宅医療を持続可能とする県医師会の役割を確認するとともに、併せて小児在宅の問題についても討論する。次に地域包括ケアや在宅医療推進を目的とした評価尺度をどのように設定するかについては、今回、特に「地域看取り率」をテーマに検討する。さらに被災時にも応用しうる多職種連携による地域ICTを先進的に構築し、運用している臼杵市の報告を通して、ICT連携を持続・発展させる方策を検討する。最後に今後の在宅医療・地域包括ケア推進の要は「かかりつけ医」であるが、医療提供体制そのものの再構築に関する議論等を通じ、今後の持続可能な在宅医療・地域包括ケアシステムの在り方を検討する。

2-6-4

地域包括ケアシステムにおける医療連携の果たす役割 ~薬剤師の視点から~

2019年4月28日(日) 15:00~18:00

座長

山本 信夫(日本薬剤師会 会長)

木平 健治(日本病院薬剤師会 会長)

柱3 医療人の教育と生き方

●3-1 医学研修と生涯学習

医療人の教育制度として、全ての診療科において国民に標準的な医療を提供できるよう整えられ開始後1年経過した新専門医制度を振り返る。また、外科医の教育に必要なカダバートレーニングの整備について議論する。

3-1-1

新専門医制度実施までの経緯と今後の課題

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

嘉山 孝正(山形大学医学部先進医学講座 日本脳神経外科学会理事長顧問)

3-1-2

医療手技修練のための献体解剖 -わが国における現状と課題

2019年4月29日(月・祝) 10:40~12:10

座長

弦本 敏行(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 肉眼解剖学分野)

医療の高度化に伴い手術手技が日進月歩で多様化する現在、外科系医師にとって、それらを確実に習得するためには、遺体を用いたサージカルトレーニング(CST)は有用な手段の一つである。その重要性は以前から認識されており、実際、多くの外科系医師が海外へ出かけて他国の遺体を用いてCSTを実践してきた。このような背景の一つには、国内での医師・歯科医師による遺体解剖の実施に関する法律が整備されていなかったことが挙げられる。2012年、関係各機関における審議ならびにパブリックコメントによる意見募集を経て、「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」が日本外科学会と日本解剖学会の連名で公開された。これを契機にCSTを実施する大学数は増加して今日に至る。本年度からは厚生労働省による関連補助事業も大幅に増額された。このような医療手技修練のための献体解剖に関して、最前線で実践する演者の先生方に話をうかがい、わが国における現状と課題について考察する。

●3-2 育成と配置

近年、学生や若手医師の専門医志向が強くなったと言われるが、一方でリサーチマインドを持った人材を育成する必要性も指摘されている。基礎医学研究者・研究医養成の意義を臨床医におけるリサーチマインドも含めて議論する。

3-2-1

基礎医学研究者・研究医は絶滅危惧種か?

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

髙橋 雅英(名古屋大学)

野阪 哲哉(三重大学大学院医学系研究科 感染症制御医学・分子遺伝学分野)

受験界は空前の医学部ブームですが、平成16年度の臨床研修必修化以後、MD基礎医学研究者は減少の一途をたどり、今や絶滅危惧種とまで言われる有様です。現状を是正すべく、MD研究者育成プログラム全国リトリート等が実施され、研究者志望の医学生の交流機会は増えつつあり、各大学でもMD研究者養成の様々な試みが行われています。本セッションでは、学部教育における魅力的な研究医養成プログラムとその現場を5大学の教員側または学生側からご紹介いただき、現況を俯瞰したうえで世界に通用する基礎医学研究者・研究医を今後いかにして育成していくべきかを考え、議論したいと思います。研究医の育成は基礎医学に限らず、臨床分野においてもリサーチマインドを持った医師の養成は重要です。皆様の積極的なご参加をお持ちしております。

●3-3 ワーキングスタイル

人口減少の中で高齢社会を迎え、医師の使命をはたすためには、働き方を考えねばならない。性別、勤務形態、地域などの労働環境によって事情は異なる。関連する子育て支援、シニア医師の活用についても議論する。

3-3-1

医療人の男女共同参画社会

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

永田 浩三(名古屋大学大学院医学系研究科 医療技術学専攻 病態解析学講座)

堀田 喜裕(浜松医科大学 眼科)

男女共同参画社会基本法が施行され、男性も女性も、意欲に応じてあらゆる分野で活躍することが求められている。各診療科においても、男女共同参画への取り組みがさかんに議論されている。医師や研究者は、その職責ゆえに、皆が困難を克服しながら活躍するためには、サポートする体制や、各領域における種々の取組みが重要と考える。サポートする医師や、各領域において男女共同参画に取り組んでいただいている方にご登壇いただき、よりよい医師の男女共同参画社会について考える。

3-3-2

開業医、勤務医、産業医の社会的使命と過重労働・ワークライフバランス

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:30

座長

笽島  茂(三重大学大学院医学系研究科 公衆衛生・産業医学分野)

森田  朗(東京大学名誉教授/津田塾大学総合政策学部 国立社会保障・人口問題研究所所長(前)教授)

今回の働き方改革は残業時間数に年間720時間(月平均60時間)という上限を設ける一方、特別条項によって繁忙期に80時間ないし100時間未満の残業時間を認めている。このことは、他の月の残業時間を60時間未満に抑える必要を意味し、従って年間の労働時間の変動を大きくなることに帰結する。疫学研究(BMJ1998 Sokejima)によれば、月間の残業時間が60時間を超えると残業がない場合に比べて急性心筋梗塞発症リスクが2倍以上になるが、一方で一日当たり平均労働時間の増加が年間2時間を超えるとやはり発症リスクが2倍以上になることが示唆されている。労働時間の長さだけでなくその変動も抑制する必要もあるかもしれない。労働時間のあり方と医師を含む国民の健康水準や生活との関係について、さらなる議論と公共政策的決断が必要である。

3-3-3

超高齢社会におけるシニア医療者の働き方

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:10

座長

清水 貴子(日本医学教育学会)

近藤 峰生(三重大学医学系研究科 眼科)

団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」は、医療界も例外ではない。2016年厚生労働省3師調査や日本看護協会統計では、各医療者の総数は増加しているが平均年齢も上昇し、若年層が減少している。一方で社会的には安全な医療を維持するため、常態化した長時間労働を是正することも求められており、今後の医療界の大きな課題と言える。これに対して経済産業省は、元気な高齢者が支えられる側ではなく支える側になることを提案している。すなわち、地域ごとに異なる医療需要および医療サービス提供の変化の見通しを踏まえ、60~65歳で定年を迎えるシニア世代を貴重な人材と捉えることが必要である。これからの日本医療を健全に運営するために、すべての医療者特にシニア世代や女性医療者が社会貢献を継続できるキャリアのあり方など、社会と医療者双方にとって有意義なシステムの構築が必要であると考え、本セッションを企画した。

3-3-4

医療人の子育て支援

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:10

座長

秋山 真志(名古屋大学医学系研究科 皮膚科)

金山 尚裕(浜松医科大学 産婦人科)

国はすべての女性が輝く社会づくりを目指しています。大学病院や総合病院においては医療職を中心に女性職員が増加しています。出産・育児による長期休職や退職、そして復帰後もパートタイマーとして働くことが多くなるのが現状です。特に時間外勤務や夜勤が多い診療科では結婚、出産、育児により現場を去る女性職員が増加し、外科系の医師不足の一因となっているとも言われています。特に医師不足県では出産後、女性医師が順調に復帰しないと、深刻な医師不足に陥ることが想像されます。医療施設に女性が働きやすい環境を提供することは喫緊の課題です。男女ともに就労しやすい環境作りのためにキャリアパス支援、保育所の整備、病児病後児保育施設の整備、学童保育の整備などがあります。本ワークショップは男女共同参画充実のためどのような子育て支援が今後必要かについて、現在奮闘中の先生、それを乗り越えた先生などの生のお話を聞き、皆さんで医療人の子育て支援について考えてみたいと思います。

●3-4 多職種連携

医療の専門分化が進む中で、patient- and family-centered careの実践、或いは病状や発達段階、医療の場の移行において多職種連携は欠かせない。在宅医療、緩和医療、看護職の育成の話題を通して連携と医療の在り方について議論する。

3-4-1

小児から大人までシームレスな在宅医療を目指し

2019年4月27日(土) 13:50~15:50

座長

岩本彰太郎(三重大学医学部附属病院 小児トータルケアセンター)

松本 吉郎(日本医師会 常任理事)

人工呼吸器や経管栄養などの医療的ケアを必要としながら、在宅で療養する子どもたちが増えている。平成28年6月には児童福祉法等が改正され、医療的ケア児への支援が自治体の努力義務とされるなど、支援の充実に向けた認識は高まっている。しかし、現状の小児在宅医療体制は成人に比べて十分でなく、医療的ケア児と家族は厳しい環境に置かれている。成人の在宅医療を行う医療機関・訪問看護ステーション等の参画を促し、小児についても「地域包括ケアシステム」としてシームレスな受入体制を整備する必要がある。さらには、医療だけでなく福祉サービスの充実、子どもの成長・発達や教育等ライフステージに応じた支援も重要であり、成人の在宅医療以上に多様な職種の連携が求められる。当日は、小児在宅医療の先駆者として活躍する方々から課題と対応についてご提言いただき、医療的ケア児と家族が、地域でライフステージを通して安心して生活できる明るい未来に向けて議論したい。

3-4-2

実践・教育・研究のつながりがうみだす看護の未来 ~社会の期待に応える人材育成のあり方~

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

奈良間美保(名古屋大学大学院医学系研究科 看護学専攻)

明石 惠子(名古屋市立大学 看護学部)

近年の医療提供体制の変化に伴い、医療職に求められる役割は多様化し、人材養成に対する社会的要請は高まっています。多職種連携の要となる看護職の育成においては、看護系大学の急増、実習施設の不足等を背景に、基礎教育のさらなる充実が求められています。また、実習等の教育に携わる大学病院では、先端医療の開発・提供とともに人材の育成を使命とする病院ならではの課題や取り組みがあると考えます。 そこで、本セッションでは、看護の人材育成の現状を共有するとともに、実践・教育・研究のつながりから生まれる看護の未来について検討したいと考えます。課題や役割が拡大する現代であるからこそ創造的な発想を大切にして、未来志向型の看護の人材育成のあり方について皆さまとともに考える機会となりましたら幸いです。

3-4-3

これからのオーダメイド緩和医療

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:30

座長

多田羅竜平(大阪市立総合医療センター 緩和ケアセンター)

緩和ケアとは、重い病を抱える患者さんやその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアです。身体的、心理社会的、そしてスピリチュアルなつらさも含めた全人的苦痛の在り様や人生において大切にしたいことは一人一人異なるものであり、一人の患者さんの中でも病状や時間経過とともに変わりゆくことは少なくありません。療養場所(入院、外来、在宅など)、年齢(子ども、思春期・若年成人、壮年期、高齢者など)、疾患(がん、心疾患、神経疾患など)によってもニーズは様々です。このシンポジウムでは、患者さんとその家族が、いつ、どこで、どのような「つらさ」に直面しても、その人の希望に沿った緩和ケアが提供され、「豊かな人生」を最期まで送れるために、尽力されている実践の現状、克服すべき課題、そしてこれからのオーダーメイド緩和医療の将来像について多職種で構成されたシンポジストの先生方を交えて検討したい。

●3-5 学生企画

医学部での学生生活を医師としてのプロフェッショナリズムを獲得するための助走期間とするためには、どのように過ごしたらよいか、4人の先輩医師(メンター)と学生(プロテジェ)との間でインタラクティブに議論する。

3-5-1

医師としてのプロフェッショナリズムをめざして

2019年4月28日(日) 14:00~16:00

オーガナイザー

林 祐太郎(名古屋市立大学 小児泌尿器科学)

木村  宏(名古屋大学 ウイルス学)

春日井邦夫(愛知医科大学 消化管内科)

佐々木ひと美(藤田医科大学 腎泌尿器外科)

医学部の6年間は、医療・医学の修練・習得の時間であるだけでなく、他者との関わりの中で人生をおくることになる医師・医学者にとって、重要な人間形成の場である。本企画では、学生時代に基礎研究に携わる時期を過ごすことの醍醐味と将来への影響、膨大な医学勉強の傍らで部活動を行うことの喜びと社会生活への貢献、理系学部では衰退傾向にある学園祭を医学生が主催することの意義と未来像構築への役割、将来目標として医師・妻・母という役割をめざす女子学生にとっての学園生活の今昔など、現実に医学生が直面している生活のなかでの思いと悩みについて、医学生(プロテジェ)からは学生生活を基にした未来への夢と展望を、医学部教員(メンター)からは自らの学生生活と医療人としての道程を踏まえた反省と助言を語りながら、学生が医療人としてキックオフするために学生時代に何をすべきか、何を考えるべきかを提言できるようなインタラクティブなセッションにしたい。

●3-6 日本医学会総会奨励賞 本総会より新設

1.  目的

医学上、優れた業績を上げた若手研究者を表彰し、今後の医学会を活性化するため。

2.  要項

日本医学会加盟の分科会もしくは日本医師会から各々1~2名の候補者をご推薦いただき、生理系、病理系、社会医学系、内科系、外科系の5領域に分類し(分類は自己申告による)、審査員による事前書類選考の上、各領域から3名程度の奨励賞受賞者を選出する。奨励賞受賞者には、本総会期間中に実施する受賞講演にて研究内容をご発表いただき、審査の上、各領域から1名の「最優秀奨励賞」を決定する。
最優秀奨励賞受賞者の発表および授賞式は、2019年4月29日(月・祝)の閉会式にて行う予定。

3.  受賞者(五十音順掲載)

生理系・病理系

1.

日本腎臓学会

安藤 史顕(東京医科歯科大学 医学部附属病院 腎臓内科 特任助教)

2.

日本癌学会

高阪 真路(国立がん研究センター研究所 細胞情報学分野 主任研究員)

3.

日本解剖学会

近藤  誠(大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座 准教授)

社会医学系

1.

日本産業衛生学会

井上 彰臣(北里大学 医学部 公衆衛生学単位 講師)

2.

日本法医学会

佐野 利恵(群馬大学大学院医学系研究科 法医学講座 准教授)

3.

日本疫学会

南里 明子(福岡女子大学 国際文理学部 食・健康学科 准教授)

内科系

1.

日本血液学会

片岡 圭亮(国立がん研究センター 研究所分子腫瘍学分野 分野長)

2.

日本呼吸器学会

後藤 慎平(国立大学法人 京都大学 大学院医学研究科 呼吸器疾患創薬講座 特定准教授)

3.

日本循環器学会

遠山 周吾(慶應義塾大学医学部 循環器内科(臓器再生) 特任講師)

外科系

1.

日本脳神経外科学会

鈴木 啓道(名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科学 特定研究員)

2.

日本再生医療学会

武部 貴則(東京医科歯科大学 統合研究機構 教授 /
横浜市立大学 先医科学研究センター 教授)

3.

日本耳鼻咽喉科学会

細谷  誠(慶應義塾大学 医学部 耳鼻咽喉科学教室 助教)

柱4 グローバル化する日本の医療

●4-1 競争と共存(世界最善医療技術の開発 : 先進国との競争と協力)

グローバル化時代を迎え、日本の医療を国際比較の観点から再考する時期に来ている。国際比較により、日本の優れた医療制度や医療機器開発を明らかにするとともに、臨床研究の問題点もふまえ、今後の日本の医療の国際貢献について議論する。

4-1-1

日本の臨床研究は、なぜ遅れたのか?

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

豊田 長康(鈴鹿医療科学大学)

日本の臨床研究や疫学研究は諸外国と比較して大きく遅れをとってきた。たとえば日本の臨床医学の学術論文の質(注目度)は低迷し、また、いくつかの臨床研究に関わる不祥事が連続したこともあり、先進国の中での存在感が極めて低い状態が続いてきた。近年、ようやく大学や医療機関における本格的な臨床研究体制が整備され、わが国の臨床医学研究の質が向上し始めた兆しが伺われる。しかし、現在でもなお先進国との開きが大きく、「明治時代」にとどまっているという厳しい意見もある。本セッションでは、長年臨床研究に携わってこられた識者の方々に、それぞれのお立場から日本の臨床研究や疫学研究が遅れた背景要因をご指摘いただき、今後、世界におけるわが国の臨床研究分野での存在感を高めるためのには、さらに何が必要なのか、ご議論をいただく。

4-1-2

世界と比べた日本の医療制度

2019年4月28日(日) 8:30~10:00

座長

長谷川敏彦(未来医療研究機構)

4-1-3

国産医療機器の開発の現状と課題

2019年4月28日(日) 14:00~15:30

座長

妙中 義之(国立循環器病研究センター 人工臓器部)

4-1-4

世界に誇る日本の難病対策

2019年4月29日(月・祝) 10:30~12:10

座長

遠藤 弘良(難病医学研究財団、聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科)

宮坂 信之(東京医科歯科大学)

我が国の難病対策は、昭和47年に厚生省(当時)が研究の推進を主とした「難病対策要綱」を定めて公式に開始されました。平成27年1月からは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律として「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)がされました。この法律の中では、医療費助成の対象とする疾病を「指定難病」と呼んでいます。我が国における難病の定義は、(1)発病の機構が明らかでない、(2)治療方法が確立していない、(3)稀少な疾患である、(4)長期の療養を必要とする、という4つの条件を必要としますが、さらに指定難病には、(5)患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しない、(6)客観的な診断基準が確立している、という2条件が加わっています。指定難病に対する我が国の対策を、医療費助成、啓発活動、研究支援などの面から紹介するとともに、米仏における難病対策も紹介をしたいと思います。

●4-2 教育と研究の視点(世界標準医療の提供:グローバル化に対応できる人材教育)

世界に通用する医師、医学研究者確保のための人材教育は喫緊の課題であり、世界標準に対応した医師育成のための卒前・卒後教育と医学研究の現状と課題を概観し、国際化への対策について幅広く議論する。

4-2-1

医療支援ロボット国際基準の創生と世界への発信

2019年4月28日(日) 8:30~10:00

座長

山海 嘉之(筑波大学 システム情報系/ 内閣府ImPACT革新的研究開発推進プログラム/CYBERDYNE株式会社)

4-2-2

医師と医学研究に必要な生命倫理

2019年4月28日(日) 16:30~18:00

座長

黒木登志夫(東京大学名誉教授・岐阜大学名誉教授・日本学術振興会 学術システム研究センター)

4-2-3

我が国の学会、学術誌の国際化への対応

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:10

座長

北村  聖(国際医療福祉大学 医学部長)

湯浅 保仁(東京医科歯科大学)

4-2-4

グローバル化時代の卒前-卒後ー生涯医学教育

2019年4月29日(月・祝) 10:30~12:10

座長

奈良 信雄(日本医学教育評価機構)

福島  統(東京慈恵会医科大学 教育センター)

医学・医療のグローバル化が進められる中、わが国における医学教育の質を国際レベルで保証していくことは、わが国の医学・医療を海外に発信し、かつ国際的に活躍できる医師を養成する観点から極めて重要である。本シンポジウムでは、医学教育質保証の意義と在り方、日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別評価の現状と展望、さらに医師生涯教育のあり方を紹介し、卒前の医学部教育から卒後の臨床研修教育、専門医教育、さらに生涯教育を通したシームレスな医学教育のあり方を展開する。さらにアメリカ、イギリス、ドイツ等の海外先進諸国における医学教育の現状と医学教育質保証制度についても紹介し、グローバル化時代における医学教育のあり方を議論する。

●4-3 アジアの保健医療状況:日本からの支援と日本への影響

アジア各国のユニバーサルカバレジ実現に向けて、日本はどのように支援できるか議論する。また、わが国のめぐまれた医療制度を利用するために来日する外国人に我々はどのように向き合ったらよいかについても考える。

4-3-1

公的医療保険制度の利用を目的とした来日者への対応

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

浜島 信之(名古屋大学医学系研究科 医療行政学)

健康保険証を持たない者が医療を受ける場合には自由診療となり、健康保険制度からの補助をうけることはできないだけでなく、保険点数1点に対して10円以上の請求を受ける場合もある。一方、健康保険に加入することができれば、来日外国人でも、日本人と同じ窓口負担のもとに医療を受けることができるし、高額療養費制度を利用することもできる。近年、わが国の健康保険制度の利用を目的として来日する外国人患者さんが増加してきており、この問題にどのように対応したらよいか考える時期に来ている。健康保険は国民の相互扶助の理念の上に立脚しており、多額な税金も投入されている。この現象の背景にある医療保険制度の違いや医療レベルの違いを理解し解決方法を議論したい。

4-3-2

アジアにおけるユニバーサルヘルスカバレジへの道:日本からの支援

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

渋谷 健司(東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学教室)

牧野 友彦(独立行政法人国際協力機構 グローバルヘルスとUHCのためのパートナーシッププロジェクト)

今、日本の保健医療が世界的に注目されている。その理由は、UHCを確立し比較的低コストで良好な健康指標を達成してきたからだけではない。 世界の多くの国では人口の高齢化が過去に例を見ない勢いで進んでおり、 今後、財政が逼迫する中、大量かつ多種多様な保健医療ニーズに応えなければならなくなる。このような状況下で、UHCをどのように達成していくのか、そして、将来の保健システムをどう再構築するのか、という側面においても、今の日本の保健医療システムは問題解決の糸口を握っている。まさに、今、グローバルヘルスで日本が世界を先導する時代が来たのだ。今まさに、世界の保健医療のパラダイムシフトが起ころうとしている。そして、それは日本の保健医療の現場から始まろうとしているのだ。

●4-4 アジアにおける医療人材育成支援

グローバル化により医療支援・協力が活発になっている。少子高齢化が進む我が国ではアジアとの人材交流は必須である。ここでは、アジアにおける医療の人材育成支援における現状と諸問題について議論する。

4-4-1

アジアからの看護師と介護士の受け入れについて

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

太田 真美(名古屋鉄道健康保険組合 名鉄病院 看護部)

市村 尚子(名古屋大学医学部附属病院 看護部)

日本とインドネシア、フィリピン、ベトナム各国との経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受入れが2008年から開始され1000名を超える候補者が来日した。現状では言語の壁や学ぶ環境による国家試験の合格率の低さなど、検討すべき課題があるとされている。2013年から名古屋大学消化器内科によるアジアでの内視鏡トレーニングの活動に参加し、ベトナムフエ医科薬科大学やバクマイ病院のナースとの交流、ベトナム看護協会総会への参加などを経験し、ベトナムが看護師の教育体制の整備などに取り組んでいる事を知った。日本政府はEPA看護師・介護福祉士候補者の受入れを、経済活動の連携強化の観点で行うもので労働力不足への対応としてではないとしていた。少子超高齢化による生産人口の減少を受け、我が国が外国人就労の拡大に向け方針転換を図ろうとする中、今一度EPA看護師・介護福祉士候補者の受入れの目的を再考しつつ、自国のみならず各国の方向性を見据えた議論ができる事を望む。

4-4-2

アジアにおいて医療人をどのように育成するか?

2019年4月27日(土) 16:10~17:40

座長

廣岡 芳樹(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部)

吉岡健太郎(藤田医科大学 肝胆膵内科)

日本の先進医療技術を幅広く普及させるには、アジア各国において優れた医療人の育成を行うことが必須である。人材育成を考えた場合、国内に招聘するには限界があり、現地を訪問しての教育が医療人育成には効果的であると予想される。しかしながら、現状では国内への招聘が多く、現地を訪問し教育することは少ない。本セッションでは、4名のシンポジストをお招きし、それぞれのお立場から国内への招聘あるいは現地を訪問することによる教育の問題点や利点についてご発表頂く予定である。その上で、アジアの医師を含めたメディカルスタッフに対する教育システムの構築と人材育成に関して討議したい。

4-4-3

患者受け入れと医療者派遣のメリットとデメリット

2019年4月28日(日) 16:30~18:00

座長

後藤 秀実(名城病院)

神馬 征峰(東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室)

主催

日本医学会

主務機関

名古屋大学医学部、名古屋市立大学医学部、藤田医科大学、愛知医科大学、岐阜大学医学部、三重大学医学部、浜松医科大学、金沢大学医学部、金沢医科大学、
福井大学医学部、富山大学医学部、信州大学医学部、愛知県医師会、岐阜県医師会、三重県医師会、静岡県医師会、石川県医師会、福井県医師会、富山県医師会、長野県医師会