学術集会

学術講演

「第30回日本医学会総会 2019 中部」では、4つの柱に基づきプログラムを策定いたします。

基本構想についてはこちらをご覧ください。

柱1 医学と医療の新展開

柱2 社会とともに生きる医療

柱3 医療人の教育と生き方

柱4 グローバル化する日本の医療

日程表

日程表

プログラムの内容は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
(2019年3月29日現在)

:専門医 :産業医  :健康スポーツ医  :市民公開講座

柱1 医学と医療の新展開

●1-1 AIとICTはどこまで医療を変えるか

ロボット、人工知能、ウエアラブルデバイス、テレメディシン。子どもの頃にSF小説や科学マンガで夢見た空想の世界が、今、現実の医療として、診断・治療に、健康管理・疾病予防に活躍する時代は目の前に来ている。

1-1-1

ビッグデータは医療の何をどう変えるのか

2019年4月27日(土) 13:50~15:50

座長

岡田美保子(一般社団法人医療データ活用基盤整備機構)

澤  智博(帝京大学医療情報システム研究センター)

演者

岡田美保子(一般社団法人医療データ活用基盤整備機構)

澤  智博(帝京大学医療情報システム研究センター)

石川ベンジャミン光一(国立がん研究センター社会と健康研究センター 臨床経済研究室)

脇  嘉代(東京大学大学院医学系研究科 健康空間情報学講座)

白鳥 義宗(名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター)

1-1-2

遠隔医療が変える日本の医療

2019年4月27日(土) 16:10~17:40

座長

原  量宏(香川大学瀬戸内圏研究センター)

加藤 浩晃(京都府立医科大学 眼科)

演者

加藤 浩晃(京都府立医科大学)

岸本泰士郎(慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室)

長谷川高志(特定非営利活動法人日本遠隔医療協会 研究部門)

小笠原敏浩(岩手県立大船渡病院 産婦人科)

遠隔医療の概念は時代とともに大きく変遷している。通信方法が電話回線に限られていた時代には、低画質の静止画や心電図などの伝送に限られており、離島・へき地を対象として利用されてきた。光ファイバーやモバイルの通信基盤を利用したブロードバンドの普及により、血圧等の生体情報はもちろん、CT・MRI画像や高精細動画伝送など、医学的診断にたえる情報の伝送が可能になった。Webテレビ会議システムも急速に普及し、小型の医療機器とスマートフォンを組み合わせることにより、医師と患者が、リアルタイムで情報交換が可能になっている。電子カルテも急速に普及し、医療機関の電子カルテを相互に結ぶ地域医療ネットワークも全国で構築されている。こうした中、厚生労働省は規制緩和を急速に進め、平成30年4月にオンライン診療に診療報酬を認め、今後急速に遠隔医療が普及していくと思われる。本セッションでは、医療のあり方そのものを変える遠隔医療の可能性と今後の展開に関して報告する。

1-1-3

人工知能が切り開く未来医療

2019年4月28日(日) 14:00~15:30

座長

大江 和彦(東京大学大学院医学系研究科 医療情報学分野)

武田 浩一(名古屋大学大学院情報学研究科 価値創造研究センター)

演者

辻井 潤一(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター)

松尾  豊(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻)

武田 浩一(名古屋大学大学院情報学研究科 価値創造研究センター)

清水 昭伸(東京農工大学大学院工学研究院 先端電気電子部門)

AIにより医療は大きく変革するだろうと言われている。確かに、AIによりCT、MR、病理などの画像診断が昼夜休まず迅速に行われ、精密手術が知能ロボットにより実施される時代が近づいている足音を感じる。膨大な医学文献に発表される新しい医学的知見も言語処理技術により自動的に臨床ガイドラインとして作成され、日々の診療でAIがその患者に最適な標準的診療方針を提示するようになるかもしれない。しかし患者もAIにより自分に最適と判断された医療情報を入手し、それを信じて受診してくるだろう。そのような時代には、医療者はAI医療システムを使いこなして、AI時代の患者が納得する医療を説明し提供していく技能を身につける必要がある。そのためには、AI技術とは実はどんなものか、何が信頼でき何は不得意か、こうしたことを正しく理解した上で、この技術の最前線のトピックスと医療応用の現状を知り、未来医療に夢を託していただきたい。

1-1-4

~AIが命を救い、新薬を開発する! ~ 人工知能が切り開く未来医療

2019年4月28日(日) 14:00~16:00

座長

倉橋 浩樹(藤田医科大学 産学連携推進センター)

白鳥 義宗(名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター)

演者

伊藤 孝行(名古屋工業大学大学院 情報工学専攻 専攻長・教育類長)

松原  仁(公立はこだて未来大学システム情報科学部 複雑系知能学科)

宮野  悟(東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター)

黒田 知宏(京都大学大学院医学研究科 医療情報学分野)

毎日のニュースの中で、「人工知能」とか「AI」ということばを目にしない日はないくらい、今この分野の研究が、社会から注目されています。そしてこの分野は日進月歩であり、ついこの前まで出来なかったことが今は出来るようになっているという現実を目の当たりにすることがあります。 では、 人工知能研究の最前線はどこまで来ているのか?何が出来るようになっていて、この先さらに何が出来るようになるのか?それは私達の生活、そして医療をどう変えようとしているのか?そんなことを肌で感じ、身近に思って頂ければ幸いです。 この学会では、「人工知能と医療」をキーワードとした市民公開講座と学術展示を合わせて行いますので、是非ご覧いただき、自分の目や耳で実感して頂ければ幸いです。

●1-2 Precision Medicineはどこまで進んだか

がんや難病をはじめとする様々な疾患に対して、遺伝情報などの患者データを活用した個別化医療の開発が進んでいる。認知症やがんの予防治療や遺伝子治療など革新的なアプローチも含め、最新の治療法開発を議論する。

1-2-1

最先端ヒトゲノム情報の医療への応用

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

有沢 富康(金沢医科大学 消化器内科学)

飯田 真介(名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学分野)

演者

小川 誠司(京都大学医学部 腫瘍生物学(病理学第二講座))

柴田 龍弘(東京大学医科学研究所 ゲノム医科学分野)

河野 隆志(国立がん研究センター 研究所(およびがんゲノム情報管理センター))

辻  省次(国際医療福祉大学 ゲノム医学研究所)

松原 洋一(国立成育医療研究センター 研究所)

21世紀に入りヒトの全ゲノムが解読され、遺伝子に対する理解が飛躍的に進むとともに医療のツールとしてゲノム情報を応用することが期待されている。それに併行して次世代シークエンサーが開発され、短時間に多くのゲノムを解析することも可能となった。その結果、遺伝⼦多型、rare variant、新規遺伝⼦変異、コピー数異常などの診断が容易となり、ゲノム情報を医療現場における診断や治療に生かす試みがなされている。本セッションでは、リキッドバイオプシーのがん診療への応用や、遺伝子パネルを用いたがんの個別化診療、希少疾患の遺伝子診断への応用など、現段階で行われている最先端のゲノム情報を用いたprecision medicineへの取り組みを幅広くご紹介いただき、今後の展望に関しても述べていただく。

1-2-2

難病に対する治療法開発のこれから

2019年4月27日(土) 16:10~17:50

座長

澤  芳樹(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座 心臓血管外科)

勝野 雅央(名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学)

演者

中畑 龍俊(京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)創薬技術開発室)

岸本 忠三(大阪大学免疫学フロンティア研究センター 免疫機能統御学)

岡田 随象(大阪大学大学院医学系研究科 遺伝統計学)

勝野 雅央(名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学)

徳永 勝士(東京大学大学院医学系研究科 人類遺伝学分野)

世界最速最先端で超高齢化社会を進む我が国において、健康寿命の延伸達成に向けて難病の克服は必須課題である。そのための治療法も従来の創薬や医療機器開発の時代から、iPS細胞などによる再生医療、抗体医薬、バイオ医薬品、ゲノム医療やバイオインフォマテイクスによる精密医療など、基礎医学領域における新たなサイエンスの発見と技術革新に基づく新しい治療法開発が進んでおり、これまで治らなかった人が治る医療イノベーションの時代に突入した。本セッションでは、これら基礎研究から難病克服に向けた我が国の代表的なトランスレーショナルリサーチについてご発表いただき、今後のさらなる展開について議論させていただきたい。

1-2-3

がん・難病の予防療法はどこまで可能か?

2019年4月28日(日) 10:40~12:30

座長

直江 知樹(国立病院機構名古屋医療センター (血液内科))

森   啓(長岡崇徳大学、大阪市立大学大学院医学研究科 脳血管内治療・頭蓋底外科病態学寄附講座 )

演者

新井 正美(順天堂大学医学部附属順天堂医院 ゲノム診療センター)

赤木  究(埼玉県立がんセンター 腫瘍診断・予防科)

岩坪  威(東京大学大学院医学系研究科 神経病理学分野)

服部 信孝(順天堂大学医学部 脳神経内科学)

がんや認知症などでは,ゲノムやバイオマーカーの研究が進み、ハイリスク者の同定や発症前の予測など「個」の特徴に基づいた介入が可能となってきた。前医学会総会で議論された「先制医療」の重要性は近年現実味を帯びつつあるといえる。本シンポジウムでは「遺伝素因を背景に有するがん」と「アルツハイマー病」「パーキンソン病」に焦点を当てて、早期診断の取り組み、予防的治療について現状と展望について論じていただく。生殖細胞系列における遺伝子検査については、カウンセリングやサポート体制の充実が求められると同時に、差別・個人情報の問題など広く社会のコンセンサスを得ながら進むべき課題もある。また発症前診断・予防的治療においては保険診療や費用の問題も出てくるであろう。

1-2-4

遺伝子治療の到達点と今後の展開

2019年4月28日(日) 14:00~15:40

座長

武田 伸一(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)

珠玖  洋(三重大学大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学、個別化がん免疫治療学)

演者

武田 伸一(国立精神・神経医療研究センター)

小野寺雅史(国立成育医療研究センター研究所 成育遺伝研究部)

村松 慎一(自治医科大学 神経内科)

影山 愼一(三重大学大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学)

遺伝子治療は、がんを含むさまざまな難治性疾患の切り札として開発が進んでおり、その一部は国内外で承認を受け、すでに臨床での利用が進んでいる。とくに、神経筋難病については原因遺伝子そのものをターゲットとした核酸医薬の開発が盛んで、脊髄性筋萎縮症に対して我が国でも承認されたアンチセンスオリゴ核酸治療は、これまで治療法のなかった神経難病の予後を大きく変える画期的治療として期待されている。また、Duchenne型筋ジストロフィーに対してもモルフォリノなどの核酸医薬により遺伝子変異を克服する治療法が米国ですでに承認され、国内でも臨床試験が進んでいる。一方、がんの領域でも、遺伝子改変T細胞など、遺伝子を介した治療法が進んでおり、AAVなど遺伝子デリバリーの技術も進んでいる。このセッションでは、難病やがんなど難治性疾患に対する遺伝子治療がどこまで進み、今後どのように展開していくのかを論じていただく。

1-2-5

レジストリとコホートが拓く新しい医療

2019年4月28日(日) 14:00~15:40

座長

津金昌一郎(国立がん研究センター 社会と健康研究センター)

祖父江 元(名古屋大学脳とこころの研究センター)

演者

津金昌一郎(国立がん研究センター 社会と健康研究センター)

山本 雅之(東北大学医学系研究科 医化学分野)

祖父江 元(名古屋大学脳とこころの研究センター)

二宮 利治(九州大学大学院医学研究院 衛生・公衆衛生学)

人口の高齢化とともに認知症、がん、脳卒中、神経難病など生活習慣や遺伝要因が絡む慢性疾患が急速に増加してきている。これらの疾患の解決には、レジストリ・コホート研究が極めて重要である。

患者レジストリ研究では、前向き臨床情報とともにゲノム、オミックス情報が集積され、治験の促進や治療標的分子を見出そうとする流れが出てきている。またコホート研究では、一定地域の住民を対象に前向きの健診・生活情報とともにゲノムを含むオミックス情報を集積し、これらの情報から、疾患の防御因子や危険因子を明らかにして、予防に役立つ流れが見えてきている。

今回は、我が国の代表的な4つのレジストリ・コホート研究を通して、何が見えるのか、また今後の未来型医療はどうあるべきかなどを考えていきたい。

●1-3 脳とこころ

こころの問題は、職場でも家庭でも大きな問題となっているが、正確な医学的知識を知ることが、適切な対応には欠かせない。そこで、勤労者や母子のこころの問題、その背景にあるこころの問題と脳との関係について、最新の研究成果をもとに議論する。

1-3-1

職場のメンタルヘルス

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

岩田 仲生(藤田医科大学 精神医学)

内藤  宏(藤田医科大学 医学部 精神神経科学)

演者

奥山 真司(トヨタ自動車株式会社 人事部)

大野  裕(認知行動療法研修開発センター )

渡辺洋一郎(医療法人横山・渡辺クリニック)

加藤 進昌(昭和大学 発達障害医療研究所)

超高齢少子社会における日本の産業構造が大きく変革いく中で、特に企業を中心とした労働現場での「働き方」の変化は我々の想像以上のものとなっています。時間労働生産性の向上が企業の生き残りに死活問題となり、労働現場における、特に精神面でのストレス状況は今後さらに厳しさが増していくことが懸念されます。産業衛生の焦点がメンタルヘルスにシフトして既に久しいですが、現場の産業医としてのメンタルヘルス支援についてはまだ多くの課題が山積しているのが現状です。職場のメンタルヘルス支援が我が国の将来を決定づける環境の中で、産業医として活動される会員諸氏にその知見を深めて頂くことで、明日からの糧となり得る実践的なシンポジウムを企画いたしましたので、是非とも多くの方にご参加頂ければと存じます。

1-3-2

母と子のこころを知り、支える

2019年4月28日(日) 11:30~13:30

座長

尾崎 紀夫(名古屋大学 大学院医学系研究科 精神医学・親と子どもの心療学)

友田 明美(福井大学子どものこころの発達研究センター 発達支援研究部門)

演者

尾崎 紀夫(名古屋大学 大学院医学系研究科 精神医学・親と子どもの心療学)

杉浦 真弓(名古屋市立大学大学院医学研究科 産科婦人科学)

友田 明美(福井大学子どものこころの発達研究センター 発達支援研究部門)

山末 英典(浜松医科大学 精神医学講座)

我が国は、世界中のどの国も経験したことのない高齢化社会を迎えつつあります。その背景には、少子化の問題があり、これまでより一層、全ての子どもが心身ともに健やかに育まれる体制整備が求められています。しかし残念なことに、例えば妊産婦や10歳台等の若年者の方々の自死率が高いことが判明し、その背景として、うつ病や自閉スペクトラム症など、こころの問題への対策が求められています。お母さま、お子さんのこころの問題に適切に対応するには、ご本人や周囲の方々が、正確な医学的知識を得て、医療と連携することが欠かせません。以上は踏まえた本シンポジウムでは、母子のこころの問題について、精神科、産婦人科、小児科の専門家が、最新の研究成果をもとにお伝えする予定です。本シンポジウムが、母と子のこころを知り、支える上で、少しでもお役に立てば幸いです。

1-3-3

ここまで見えるようになった精神神経疾患

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

渡辺 宏久(名古屋大学 脳とこころの研究センター)

笠井 清登(東京大学大学院医学系研究科 精神医学分野)

演者

渡辺 宏久(名古屋大学 脳とこころの研究センター)

松田 博史(国立精神・神経医療研究センター 脳病態統合イメージングセンター)

飯高 哲也(名古屋大学 脳とこころの研究センター)

笠井 清登(東京大学大学院医学系研究科 精神医学分野)

認知症、パーキンソン病、うつ病、統合失調症、発達障害などの精神・神経疾患は、先進国においては疾患にともなう生活・人生への負担の指標であるDALYs (Disability-adjusted life years)が全疾患カテゴリ中最大を占め、その克服は国家的課題です。精神疾患は主に人生早期に、神経疾患は主に人生後半期に発症するため、人のライフステージに沿って精神・神経疾患のトータルな対策戦略を考える姿勢も大切になってきます。本シンポジウムでは、近年技術革新が目覚ましい脳画像計測・解析を用いた、精神・神経疾患の脳病態解明研究や診断・治療への応用研究について、現状と展望をご紹介し、ディスカッション出来れば幸いです。

●1-4 再生医療が拓く医療

再生医療の基礎研究ならびに臨床応用に関する最新の話題を講演していただく。また、ゲノム編集技術は日本が世界に先駆けて開発した技術であるが、第一線の研究者からその最先端のお話を伺い、議論する。

1-4-1

再生医療への招待

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

高橋  淳(京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門)

柴  祐司(信州大学医学部 再生医科学教室)

演者

宮川  繁(大阪大学 心臓血管外科)

髙橋 政代(理化学研究所 生命機能科学研究センター)

岡野 栄之(慶應義塾大学医学部 生理学教室)

江藤 浩之(京都大学 iPS細胞研究所 CiRA 臨床応用研究部門)

谷口 英樹(横浜市立大学大学院医学研究科 臓器再生医学)

柴  祐司(信州大学医学部 再生医科学教室)

再生医療はすでに夢や希望を語るステージではなく、初期臨床結果をフィードバックして基礎研究の質を高めさらに良い臨床応用を目指すステージに移りつつある。どういう患者さんのどういう症状が改善したか、それによる作用機序の再確認。それに基づく移植細胞基準の見直し、製造法の修正。また、患者選択基準の見直しなど行うべきことは数多くある。このセッションでは再生医療の臨床応用にすでに進んだ、あるいはその直前にある研究者たちにお集まりいただき、それぞれのプロジェクトにおける臨床応用のコンセプト、臨床結果からのリバーストランスレーション、今後のさらなる展開などについて語っていただきます。

1-4-2

歯髄細胞を利用した再生医療

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

丸山 彰一(名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座 腎臓内科)

手塚 建一(岐阜大学大学院医学系研究科 組織・器官形成分野)

演者

中島美砂子(国立長寿医療研究センター)

成瀬 桂子(愛知学院大学歯学部 内科学講座)

田口 智章(九州大学大学院 小児外科学分野)

本田 雅規(愛知学院大学歯学部 口腔解剖学講座 )

歯髄細胞(歯髄幹細胞)は、2000年にGronthosらによって報告された、比較的新しい間葉系幹細胞のひとつである。歯の中心部にある歯髄組織(俗に言う「歯の神経」)に存在し、主に神経堤細胞に由来すると考えられている。高い増殖能を持ち、iPS細胞の誘導効率も高い事など、骨髄や脂肪組織に存在する幹細胞とは少し異なるユニークな再生医療資源として注目されている。

乳歯や親知らずは、若い健康なドナーからも大量に得られる医療廃棄物であり、年間3000万本もの供給がある。歯科領域において歯髄再生、歯槽骨再生などに用いられるだけでなく、中枢神経や肝臓などの再生や、自己免疫疾患の治療にも効果があることが報告されている。

本セッションでは、歯髄細胞を用いた最先端の研究をされている演者をお招きして、歯髄細胞がこれからの再生医療においてどのような可能性を切り拓いていけるかについて議論して頂きたいと思っている。

1-4-3

ゲノム編集 ~その基礎原理から医学への応用まで~

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

石野 良純(九州大学農学研究院 生命機能科学部門)

畑田 出穂(群馬大学生体調節研究所 ゲノム科学リソース分野)

演者

石野 良純(九州大学農学研究院 生命機能科学部門)

堀田 秋津(京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門)

花園  豊(自治医科大学 先端医療技術開発センター)

伊川 正人(大阪大学微生物病研究所・附属遺伝情報実験センター 遺伝子機能解析分野)

畑田 出穂(群馬大学生体調節研究所 ゲノム科学リソース分野)

ゲノム編集の登場により標的遺伝子を自由に切り貼りし、遺伝子改変することができるようになった。その応用範囲は医療だけでなく農林水産業、エネルギー産業まで多岐にわたり爆発的に革命をおこしつつある。医療分野においては、すでに欧米では治療法の開発をめざしたベンチャーが次々に立ち上がり多額の投資を得、すでに遺伝病にたいするゲノム編集による治療の臨床試験も始まっている。このセッションではゲノム編集の基礎から医療応用にいたるまで最先端の研究者の研究を紹介する。

●1-5 21世紀のがんへの対峙

がんは、21世紀に入っても我が国の死亡原因の第一位であり続けている。一方で、ヒトゲノムの解読は個別化医療に道を拓き、また革新的な免疫治療法の開発なども進みつつある。日進月歩のがん医療の現況を把握し、その将来を展望する。

1-5-1

がん免疫療法の課題と将来への期待

2019年4月27日(土) 13:50~15:50

座長

西川 博嘉(名古屋大学大学院医学系研究科 微生物・免疫学講座 分子細胞免疫学
国立がん研究センター研究所/先端医療開発センター)

玉田 耕治(山口大学大学院医学系研究科 免疫学講座)

演者

玉田 耕治(山口大学大学院医学系研究科 免疫学講座)

西川 博嘉(名古屋大学 微生物・免疫学講座 国立がん研究センター研究所/先端医療開発センター)

河上  裕(慶應義塾大学医学部先端医科学研究所 細胞情報研究部門)

鳥越 俊彦(札幌医科大学医学部 病理学第一講座)

鵜殿平一郎(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 免疫学)

免疫チェックポイント分子を標的としたがん免疫療法が進行がん患者においても臨床効果を示すことが明らかになり、がん免疫療法の進歩に大きな期待が寄せられている。しかし、現状のがん免疫療法では臨床効果が認められない患者も多く存在する。よって、がん免疫療法の臨床効果を予測するバイオマーカーの同定や複合免疫療法をはじめとするより臨床効果の高いがん免疫療法の開発、がん免疫療法で特徴的に起こりうる有害事象の対策など、今後解決すべき研究課題は多く存在する。また免疫チェックポイント分子阻害剤では効果が期待できない患者や血液悪性腫瘍に対して有効なキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法をはじめとする養子免疫療法の開発も進んでいる。本セッションでは、これらのがん免疫療法の現状を把握し、新たな治療法開発へ向けて基礎・臨床双方から議論を深めたい。

1-5-2

稀少がんの克服へ向けて

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

高橋 義行(名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学)

山田 泰広(東京大学 医科学研究所 システム疾患モデル研究センター)

演者

中村 卓郎(がん研究所 発がん研究部)

近藤  豊(名古屋大学大学院医学系研究科 腫瘍生物学)

小川千登世(国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科)

井口 豊崇(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 医薬品安全対策第二部)

小児の固形腫瘍、成人の肉腫などは、稀であるがゆえに製薬企業の新規治療開発から取り残されている。このような希少がんに対する有効な治療戦略を開発するために、どのような研究や方策が必要なのか、本シンポジウムでは、希少がん研究の第一線でご活躍されている基礎研究者、臨床研究者から最新の研究成果をご講演いただくのみならず、審査機関のお立場からも医薬品審査の現状をご紹介いただく。希少がんの基礎研究から、稀少腫瘍バンクの必要性、ゲノム解析研究の現状、創薬や臨床試験の方法論、そして医薬品審査のあり方まで、希少がん研究/医療の現状を理解し、将来への展望を議論したい。

1-5-3

65歳以上が3000万人を超える超高齢社会でがん患者にどうように対応すべきか?

2019年4月29日(月・祝) 10:30~12:10

座長

長島 文夫(杏林大学医学部 内科学腫瘍科)

明智 龍男(名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野)

演者

谷向  仁(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 リハビリテーション科学コース 作業療法学講座 脳機能リハビリテーション分野)

小川 朝生(国立がん研究センター 先端医療開発センター 精神腫瘍学開発分野)

安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院 化学療法部)

山本  寛(東京都健康長寿医療センター 呼吸器内科)

超高齢社会を迎えたわが国は世界に類をみないスピードで高齢者人口が増加しており、現在65歳以上の人口が3000万人を超え、75歳そして80歳以上の人口も各々1500万人、1000万人を超えている。一方、わが国の死因の第一位を占めるがん罹患の最大のリスクは加齢であるため、高齢がん患者も増加の一途を辿っており、それに伴い、がん医療の現場では、高齢者の特性を理解したうえでの最適な医療の提供およびその体制の構築が求められている。本セッションでは、がん医療の一線でご活躍の演者の先生方から、認知症やせん妄など高齢者に多い病態を合併したがん患者への対応の在り方、高齢者の特性を理解するためのComprehensive Geriatric Assessmentとその治療選択への応用、高齢者に対するがん薬物療法の実際などを論じていただき、高齢がん患者の診療の在り方に関する議論を深めたい。

●1-6 喫緊の医療課題

超高齢化社会のQOL、身体にやさしい低侵襲性医療、外科医療の均てん化、感染症、生活習慣病とリアルワールドエビデンスをキーワードに、喫緊の医療課題や近未来の医療への展望について議論する。

1-6-1

夜のオシッコの問題、もう悩まないでーこれであなたもグッスリ眠れる

2019年4月27日(土) 10:00~11:30

座長

柿崎 秀宏(旭川医科大学 腎泌尿器外科学講座)

演者

横山  修(福井大学 泌尿器科学分野)

笠原 正登(奈良県立医科大学附属病院 臨床研究センター)

内村 直尚(久留米大学医学部 神経精神医学講座)

就眠後、尿意で目が覚めてトイレに行かなければならない状況は夜間頻尿と呼ばれます。年齢が進むとともに、夜間頻尿を有する人の割合が高くなっていきます。夜間頻尿の原因は様々です。高血圧や糖尿病に代表される生活習慣病や腎臓病が原因となる事もあれば、前立腺肥大症や過活動膀胱などの泌尿器疾患が原因となる事もあります。夜間頻尿があると睡眠が中断されて、日中の眠気や活動性の低下につながる可能性があります。また、不眠(睡眠障害)が夜間頻尿の原因となることもあります。生活の質に大きな影響を与える夜のオシッコの問題をテーマとして、もう悩まなくても済むように、各領域の専門家がわかりやすく解説します。

1-6-2

血管病に対する最新の体に優しい低侵襲治療

2019年4月27日(土) 10:00~12:00

座長

古森 公浩(名古屋大学 血管外科外科)

吉川 公彦(奈良県立医科大学 放射線科・IVRセンター)

演者

宮地  茂(愛知医科大学 脳血管内治療センター)

澤  芳樹(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座 心臓血管外科)

志水 秀行(慶應義塾大学 心臓血管外科)

横井 宏佳(福岡山王病院 循環器センター)

近年、日本は著しい高齢化社会に突入している。よって高齢者の治療対象が増加しているため、虚血性心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患、腎機能障害など種々の全身合併症を有する症例も多い。また食生活をはじめとする生活習慣の変化も相まって、動脈硬化を基盤とする血管病疾患患者は増加している。そのような背景から、いわゆる「身体に優しい」低侵襲治療へのパラダイムシフトが望まれる。本特別企画では脳血管疾患、心臓疾患、大動脈疾患、末梢動脈疾患に対する、体に優しい最新の低侵襲治療について、その領域のトップランナーの方々に講演していただく予定である。

1-6-3

バラ色の老後は目と耳と口から! -考えよう!高齢者の感覚器治療-

2019年4月27日(土) 12:45~14:15

座長

植田 広海(愛知医科大学医学部 耳鼻咽喉科)

渋谷 恭之(名古屋市立大学大学院医学研究科 感覚器・形成医学講座 口腔外科学分野

演者

瓶井 資弘(愛知医科大学 眼科学講座)

曾根三千彦(名古屋大学 耳鼻咽喉科)

日比 英晴(名古屋大学大学院医学系研究科 頭頸部感覚器外科学講座顎顔面外科学

日本は、空前の超高齢化社会を迎えています。この時代を迎えて、ただ長生きするだけではなく、老後を快適に過ごすアクティブシニアライフが求められています。アクティブシニアライフ実現のためには、眼・耳・口の機能を維持させることが理想でありますが、現代の医学でも困難な取り組みであります。このセッションでは、これらの領域のスペシャリストの方々に現在の最先端の取り組みをお話し頂きます。瓶井先生には、視力低下の原因となる白内障や網膜疾患などの各種眼疾患の最新の治療を、曽根先生には、最近話題となっております老人性難聴と認知症との深い関連について、また日比先生にはそしゃくに必要な歯牙の機能を補填するインプラントの実情をお話し頂く予定になっています。これらの講演を通して、聴衆の方々が現在の各領域の最先端の知見および治療を理解して頂けるものと期待しております。

1-6-4

感染症は怖くない! -話題の感染症への新しいアプローチ-

2019年4月27日(土) 13:50~15:30

座長

岩﨑 博道(福井大学医学部附属病院 感染制御部・感染症膠原病内科)

中本 安成(福井大学学術研究院医学系部門 内科学(2)分野)

演者

馬原 文彦(馬原医院)

西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)

中本 安成(福井大学医学系部門 内科学(2)分野)

坂本 直哉(北海道大学大学院 消化器内科学)

定  清直(福井大学医学部 ゲノム科学・微生物学)

温暖化の影響を受け、自然界から野生動物を経て人に及ぶ感染症が脅威となってきた。さらに人的交流のグローバル化が加速する中、万国共通の危機ととらえるべき事例も増大している。SFTSやエボラ出血熱など、毎年のように新興感染症が話題にのぼる。再興感染症としてリケッチア症の国内での広がりも注目される。ウイルス性肝炎では、目覚ましい治療の進歩を遂げたが、新たな問題点も浮き彫りになっている。今、我が国が直面する感染症領域の新たな課題について、それぞれの専門領域のエキスパートを招き、近未来の医療を考える重要な情報提供をいただく。

1-6-5

敗血症診療の現在と未来

2019年4月27日(土) 16:10~17:50

座長

小倉 裕司(大阪大学 救急医学)

松田 直之(名古屋大学 救急集中治療医学)

演者

藤島清太郎(慶應義塾大学医学部 総合診療教育センター)

橋本  悟(京都府立医科大学 集中治療部)

松嶋 麻子(名古屋市立大学大学院医学研究科 先進急性期医療学)

井上 茂亮(神戸大学医学部 救急医学)

中川  聡(国立成育医療研究センター 集中治療科)

敗血症の定義と診断は、これまで3回の大きな国際的変換が行われ、現在は感染症あるいは感染症の疑いにおける臓器不全の進行と定義されている。敗血症は、がんや慢性疾患の急性増悪の病態として、多臓器不全を惹起することで死亡率を高める。世界保健機構は、2016年5月26日の総会において敗血症を当面の解決すべき優先課題とした。2018年より、毎年5月5日をクリーンハンドの日と定め、敗血症の予防を啓発している。このような敗血症の診療において、本邦は「日本版敗血症診療ガイドライン」を作成し、初版の2012年、改訂版の2016年に続き、2020年に第3版としての新たな改定を迎えようとしている。本シンポジウムは、日本版敗血症診療ガイドライン、ARDS診療ガイドラインなどの構築に関与した演者により、敗血症と多臓器不全の関連を論じ、今後の敗血症診療の診断と治療、および敗血症ガイドラインのあり方を論じる。本シンポジウムにおいて、感染症管理に随伴する臓器不全管理についての理解を深めることを目的とする。

1-6-6

生活習慣病とリアルワールドエビデンス

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

植田真一郎(琉球大学 大学院医学研究科 臨床薬理学)

門脇  孝(東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科)

演者

植木浩二郎(国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター

東  尚弘(国立がん研究センターがん対策情報センター がん登録センター)

植田真一郎(琉球大学 大学院医学研究科 臨床薬理学)

大石  充(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学)

がんや、循環器疾患や代謝疾患、消化器疾患などいわゆるcommon diseaseについて、新規の治療法開発が進められる一方で、臨床試験で有効性が示された治療法のエビデンスを、一般診療レベルから明らかにしようとする動きが進んでいる。本セッションでは、こうしたリアルワールドエビデンスがどこまで明らかになっているのか、それによって医療がどのように変わってきたかを、様々な分野から論じていただく予定である。コホート研究およびレセプト解析、DPCデータ解析、電子カルテ共有などいわゆるビックデータからどのようなリアルワールドが見えてくるかについても解説・展望していただく。

1-6-7

外科治療(心臓・呼吸器・消化器)の新規治療と均てん化への取り組み

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

五井 孝憲(福井大学 器官制御医学講座 外科学(1)分野)

松山 克彦(愛知医科大学 心臓外科)

演者

山口 茂樹(埼玉医科大学 国際医療センター 消化器病センター長 消化器外科)

遠藤  格(横浜市立大学大学院医学研究科 消化器・腫瘍外科学講座)

遠藤 俊輔(自治医科大学 呼吸器外科)

本村  昇(東邦大学医療センター佐倉病院 心臓血管外科)

第1-3次「がん対策推進基本計画」において重点項目の一つとして「がん医療の均てん化」が挙げられているものの,新規高度治療外科診療においては各病院間や各地域間において格差が認められることも少なくない。近年、その是正の目的として「診療ガイドライン」の作成・整備が行われ、これらをもとに日常診療が行われ、知識の均てん化は進んでいる、一方外科臨床現場では,各外科医の技量の熟成度が大きく関与するため,さらなる対策が不可欠と考えられる。 本シンポジウムが臨床の先生方にこれからの外科新規高度治療・標準治療の普及ならびに治療の均てん化の一端を担うことができれば幸いと考えております。

1-6-8

医科歯科連携の最前線

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

栗田 賢一(愛知学院大学歯学部 顎口腔外科学講座)

中田 誠一(藤田医科大学ばんたね病院 耳鼻咽喉科 )

演者

嘉悦 淳男(豊橋市民病院 歯科口腔外科)

篠邉龍二郎(愛知医科大学 睡眠科)

松尾浩一郎(藤田医科大学医学部 歯科・口腔外科学講座)

森  幹太(愛知県歯科医師会 地域保健部2)

更なる高齢化社会に向けて、医療各部門では医科歯科連携の意義がより明確になってきている。特に周術期口腔機能管理、薬剤関連顎骨壊死、睡眠時無呼吸症候群、摂食嚥下リハビリテーション、在宅歯科医療においては良好な医科歯科連携がなくては成立しなくなっている。今回の企画では、「医科歯科連携の最前線」と題して、愛知県における代表的医療関係者に、上記それぞれの分野における現状と問題点を述べて頂き、今後の更なる医科歯科連携の充実を目指すことを目的とする。

1-6-9

糖尿病と歯周病の相互関係

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

佐藤 祐造(学校法人瀬木学園愛知みずほ大学)

菊池  毅(愛知学院大学歯学部 歯周病学講座)

演者

松原 達昭(愛知学院大学歯学部 内科学講座)

天野 敦雄(大阪大学大学院歯学研究科 口腔分子免疫制御学講座 予防歯科学)

三谷 章雄(愛知学院大学 歯学部歯周病学講座)

西田  亙(にしだわたる糖尿病内科)

糖尿病は近年増加しており、患者数は1,000万人、予備群を併せれば2,000万人と推計されている。一方、歯周病は日本人中高年において約80%で罹患が認められている。糖尿病、歯周病相互の関係の密接さから、歯周病は糖尿病の「第6の合併症」と表現される。

糖尿病患者では歯周病が重症化するが、主因は高血糖による白血球の貪食能・殺菌能やマクロファージ機能低下を機序とした歯周病原細菌に対する抵抗力低下が考えられている。糖尿病治療により歯周組織の炎症は軽減しうるが、血糖コントロールに加えて、歯周病治療は不可欠である。

歯周病は慢性炎症として血糖コントロールに悪影響を及ぼすことが知られている。歯周病治療によって、歯周組織の炎症が改善すれば、インスリン抵抗性が軽減し、血糖コントロール状態も改善すると報告されている。

本シンポジウムでは、エキスパートによる発表、討論が行われるが、この分野での研究・実臨床面でのマイルストーンになることを期待する。

●1-7 医工が連携して拓く新たな医療の世界

革新的テクノロジーが牽引する第4次産業革命が始まった。専門家を招きマイクロ・ナノ工学、I-o-T技術、仮想・強化現実などの導入により急速に変化し始めた環境科学や医療の世界を聴衆とともに俯瞰する。

1-7-1

第4次産業革命が齎す環境・医療技術革新の実像

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

宮田 令子(革新的研究開発プログラムImPACT)

横田 秀夫(理化学研究所 画像情報処理研究チーム)

演者

森  健策(名古屋大学大学院 情報学研究科)

井尻  敬(芝浦工業大学工学部 情報工学科)

川合 知二(大阪大学 / 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 産業科学研究所 / 技術戦略研究センター)

馬場 嘉信(名古屋大学大学院工学研究科・医学系研究科 生命分子工学専攻・分子診断ナノ工学)

都甲  潔(五感応用デバイス研究開発センター)

第4次産業革命が齎す環境・医療技術革新の実像と題して、我が国が目指すsociety5.0に向け、異分野融合、医工連携によるイノーべーションにより、実際どのような取り組みやアプローチがあるかを具体例を挙げて公開、議論したいと思います。これらの達成のためには、昨今盛んに言われておりますSDGs(持続可能な開発目標)の設定が極めて重要です。そして社会課題の解決に基づく科学技術イノベーションが不可欠であり、それには先進的な基礎研究と未来像が繋がっていることが必要です。また、そのためにはオープンイノベーション、協働、共創が重要性であるは言うまでもありません。そのために本セッションでは、我が国の安心、安全、快適をヘルスケア、医療領域のみならず、環境領域面でもその社会実装の道行についてもお示しして、会場の皆様と将来の姿を共有したいと思います。

●1-8 月惑星探査に挑戦し、地球にも貢献する宇宙医学

人工衛星を利用した防災情報や災害医療への取り組み、地表の水系監視によるWHO等への感染症対策など、JAXAの医学への貢献を紹介するとともに、将来訪れる月・惑星探査時代の医学課題や検討状況を解説する。宇宙開発を通じた医学への応用のアイディアを、参加するあなたにも考えていただく糸口にしたい。

1-8-1

世界の医学に果たす人工衛星の恵み

2019年4月28日(日) 9:00~11:00

座長

祖父江真一(宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 宇宙利用統括付き)

村井  正(宇宙航空研究開発機構 宇宙医学生物学研究グループ)

演者

大吉  慶(宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 地球観測研究センター)

渡辺 知保(国立環境研究所)

橋爪 真弘(長崎大学熱帯医学研究所 小児感染症学分野)

狩野 繁之(国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所 熱帯医学・マラリア研究部)

安納 住子(上智大学大学院 地球環境学研究科)

皆川  昇(長崎大学熱帯医学研究所 病害動物学分野)

世界の地球観測衛星からは、日々、地球の環境に冠するさまざまな情報を継続的に提供しています。このような宇宙からの地球観測はわが国においても1987年打ち上げの海洋観測衛星(MOS-1)を皮切りに、現在も陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)など5機の衛星を運用しています。このような衛星から得られる均質な時系列データは、大気汚染の状況把握のみならず感染症などの疫学的などの健康・公衆衛生分野での学際的に利用が始まっています。本セッションでは、世界の医学に果たす人工衛星の恵みについて、先端的な研究の情報の共有とともに、さらに利用を進めるために期待される人工衛星についての議論を行います。

1-8-2

月そして火星へ、宇宙医学の挑戦がはじまる

2019年4月28日(日) 14:00~15:40

座長

森田 啓之(岐阜大学大学院医学系研究科 生理学)

白川 正輝(宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター きぼう利用企画グループ)

演者

三丸 敦洋(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門)

森田 啓之(岐阜大学大学院医学系研究科 生理学)

鈴木  豪(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門宇宙飛行士・運用管制ユニット)

古川  聡(宇宙航空研究開発機構 宇宙医学生物学研究グループ)

吉崎  泉(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター)

2020年代には月の南極探査や火星からのサンプルリターンに日本が着手すると期待されています。更にその先には,月に長期間滞在しての科学探査や火星の利用可能性探査も目指すことになるだろうと思われます。これらを実現するためには,現在の宇宙医学研究に加え,1/3 g環境下でのリコンディショニングを可能とする為の人工重力応用トレーニング装置の開発や宇宙放射線被曝からの防護,宇宙飛行士が自分や仲間たち相互に精神心理状況を把握しケアする方法など,新たな探査時代の医学運用における課題を検討し,解決していく必要があります。本シンポジウムでは,これらの課題に対する取り組みを紹介し,併せて実験室きぼうを利用し,小動物を用いて無重量環境が生体に与える影響の評価やたんぱく質結晶生成に関する調査研究についての成果を紹介させていただきます。

●1-9 分かりやすい基礎研究入門

基礎医学研究の中でも特に日本人研究者がその発展に大きく貢献した3つの研究領域であるオートファジー、アミロイドーシス、IgG4関連疾患に焦点を絞り、基礎からその疾患との関連についてまで、最新の知見を分かりやすく解説していただく。

1-9-1

オートファジーの生理的意義と分子基盤

2019年4月28日(日) 8:30~9:00

座長

小松 雅明(新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子細胞医学専攻遺伝子制御大講座分子生物学分野)

演者

水島  昇(東京大学大学院医学系研究科 分子生物学分野)

オートファジー研究は、大隅良典博士(現東京工業大学栄誉教授)の出芽酵母を用いた先駆的な研究、すなわちオートファゴソーム形成に必須なATG (AuTophaGy)遺伝子の発見により飛躍的に進んだ。大隅博士はその功績により2016年ノーベル医学生理学賞を受賞した。この発見を契機に、オートファジーの素過程の基本メカニズム、そしてオートファジーの基本的な生理作用が明らかになった。しかし、オートファジー研究領域が成熟したかといえば、それには遥かに及んでいない。実際、オートファジーの研究が進むにつれて、従来の概念を超える多様性の存在が明らかになり、さらにはオートファジーが遺伝情報の維持機構、分化や環境変化に伴う細胞機能の制御、幹細胞の維持・分化、さらには老化制御といった生命の根幹に関わる事象に深く関与することも判明しつつある。本セッションでは、オートファジー研究の世界的リーダーである水島昇教授に、現在までのオートファジー研究の到達点と将来像を紹介頂く。

1-9-2

アミロイドーシスを予防し、治療するための基礎と臨床

2019年4月28日(日) 9:15~9:45

座長

樋口 京一(信州大学医学部医学科 加齢生物学教室)

演者

山田 正仁(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 脳老化・神経病態学(神経内科学))

アミロイドーシスは蛋白質が微細な線維構造に重合し、組織に沈着する病態である。蛋白質が正常構造からβシートに富んだ病的線維構造へ変換し、沈着する『蛋白質構造異常病』として、基礎研究者だけでなく、本疾患の診断・治療を担う臨床家の注目を集めている。現在までに30種類以上のアミロイドーシスが報告されており、中でも免疫グロブリン軽鎖に由来するALアミロイドーシスや、Aβが沈着するアルツハイマー病、感染性のプリオン病、トランスサイレチンが沈着するTTRアミロイドーシスなどが代表例である。最近では、画期的な治療法の開発も報告され、基礎、臨床の両面で我が国の研究者が多大な貢献をしてきた医学分野である。本レクチャーではアミロイドーシスの基礎と臨床について、厚生労働省アミロイドーシス調査研究班やプリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班の班長を歴任された金沢大学の山田正仁教授に最新の知見を提供していただく。

1-9-3

IgG4関連疾患の診断と治療:アップデート

2019年4月28日(日) 10:00~10:30

座長

中山  淳(信州大学医学部医学科 分子病理学教室)

演者

川  茂幸(松本歯科大学 歯学部内科学)

本邦から発信されたIgG4関連疾患は当初、自己免疫性膵炎として報告された。しかし、その後、我が国の研究者を中心に、膵だけでなく涙腺・唾液腺、甲状腺、後腹膜、腎臓、胆道、肺、リンパ節など、全身諸臓器にも病変が生じることが明らかにされた。IgG4関連疾患患者は、その病態の多彩性から様々な診療科を受診する可能性がある。多くは各臓器の既存の疾患として診断・治療を受け、また、各臓器の悪性疾患との鑑別が困難な病態を呈することもある。さらに、この疾患はステロイド治療で劇的に改善することから、IgG4関連疾患に関する知識は診療科を越えて共有することが必要不可欠である。本レクチャーではIgG4関連疾患を発見、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に報告した川 茂幸博士から本疾患の病態・診断・治療について、最新の知見を提供していただく。

●1-10 分かりやすい新薬入門、臨床検査

抗体医薬品をはじめとする従来にない画期的新薬や超高齢社会に必須の医薬品と診断薬および臨床検査について、その作用機構、適応疾患、副作用や特徴を中心に分かりやすく解説する。

1-10-1

話題の画期的新薬・診断薬

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

山田 清文(名古屋大学医学部附属病院 薬剤部)

齋藤 邦明(藤田医科大学大学院医療科学専攻 病態制御解析学)

演者

溝上 雅史(国立研究開発法人国立国際医療研究センター ゲノム医科学プロジェクト

倉田 宝保(関西医科大学附属病院 呼吸器腫瘍内科)

小椋祐一郎(名古屋市立大学大学院医学研究科 視覚科学分野)

室原 豊明(名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学)

須原 哲也(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 脳機能メージング研究部)

本セッションでは、従来にない画期的新薬や超高齢社会に必須の医薬品(C型肝炎ウイルス治療薬、免疫チェックポイント阻害薬、加齢黄斑変性治療薬:VEGF阻害薬、家族性高コレステロール血症治療薬:PCSK9阻害薬)と臨床検査(認知症の脳イメージング検査)について、当該領域・疾患のエキスパートを講師にお招きし、レクチャー形式で薬の作用機序、適応疾患、臨床使用成績などを解説していただきます。各領域・疾患の専門医、話題の新薬に興味をお持ちの臨床家、専門医資格を目指す若手医師、実際に患者さんを抱えている「かかりつけ医」の他、薬剤師、看護師、臨床検査技師などのコメディカルの方々にも参考になると思います。関連するセッション柱1-10-2「合併症を予防する!地域医療に貢献する新薬たち」と併せて聴講していただくと、より広範な画期的新薬や臨床検査を把握することができます。

1-10-2

合併症を予防する!地域医療に貢献する新薬たち

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

奥田 真弘(三重大学医学部附属病院 薬剤部)

木村 和哲(名古屋市立大学大学院 医学研究科 臨床薬剤学分野)

演者

西村 理明(東京慈恵会医科大学 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科)

湏藤 啓広(三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座 運動器外科学・腫瘍集学治療学)

岡本 美孝(千葉大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学)

吉田 幸彦(名古屋第二赤十字病院 循環器内科)

寺島  薫(富士フイルム株式会社 メディカルシステム事業部 副事業部長兼IVDイノベーション部長)

毎年上市される新規性の高い医薬品は、我が国の医療の進歩を支えるうえで欠かせないものです。本セッションでは、疾病の進行を抑えたり、疾病の再発を予防することで健康長寿に貢献する様々な医薬品のなかでも代表的なものを取り上げ、その特徴や治療の取り組みについて、当該領域のエキスパートに分かりやすくご紹介いただきます。具体的には抗糖尿病薬(GLP-1アナログ、SGLT2阻害薬)の特徴と持続血糖モニタリング(CGM)を用いた治療、RANK/RANKL阻害薬を用いた骨粗しょう症治療、減感作療法薬によるアレルギー性鼻炎治療、直接経口抗凝固薬(DOAC)を用いた血栓塞栓症治療とその中和、臨床現場即時検査(POCT)を用いた診療、疾病予防や健康増進などに関してご紹介いただきます。本セッションは薬物療法に関わる医師だけでなく、広くメディカルスタッフにも大変参考となる内容です。

柱2 社会ともに生きる医療

●2-1 超高齢化、少子化とともに生きる

医学・医療の進歩により我が国は超高齢社会を手に入れた。その必然の代償として、空前の少子高齢化の波が押し寄せている。今を生きる、さらに未来を見据えた医療のあるべき姿は? 本セッションでは、4つの視点で活きた議論を展開する。

2-1-1

超高齢社会におけるエンドオブライフ(EOL)ケアのあり方―QOLからQODへのシームレスケア

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

島内  節(人間環境大学/日本エンドオブライフケア学会 看護学部・看護学研究科

西川 満則(国立長寿医療研究センター/日本エンドオブライフケア学会 地域医療連携室・エンドオブライフケアチーム/意思表明プロセス委員会)

演者

平原佐斗司(東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所 )

西川 満則(日本エンドオブライフケア学会/国立長寿医療研究センター 意思表明プロセス委員会/地域医療連携室・エンドオブライフケアチーム)

長江 弘子(日本エンドオブライフケア学会副理事長/東京女子医科大学 意思表明プロセス委員会/老年看護学)

小澤 竹俊(日本エンドオブライフケア協会(めぐみ在宅クリニック院長))

小笠原文雄(日本在宅ホスピス協会(医療法人聖徳会小笠原内科・岐阜在宅ケアクリニック 院長))

超高齢社会の到来に伴い、多死社会を迎える我が国において、地域に開かれた、エンド・オブ・ライフ(EOL)ケアのための人材育成が重要である。そのためには、EOLケアの歴史を知り、その上で、がん患者のみでなく非がん・高齢者疾患の緩和ケアを促進するための人材育成、本人の意思が尊重され、高いクオリティ・オブ・デス(QOD)が実現されるよう、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を促進するための人材育成、EOL期の価値の対立もふまえ倫理的な判断を支援するためのチームの育成が重要である。そして、死は医療の敗北ではなく、人は、住み慣れた場所で、支えに気づき穏やかに過ごせること、臨終期を朗らかに笑顔で迎えられることを、市民や医療介護職が理解し実践するための地域の醸成が重要である。本シンポジウムでは、学会や協会で人材・チーム・地域の醸成に取り組み、自らもEOLケアを実践されている演者にご登壇いただき、近未来の我が国のシームレスなEOLケアの在り方を論じる。

2-1-2

生殖医療の進歩が齎す未来社会

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

苛原  稔(徳島大学大学院医歯薬学研究部 産科婦人科学分野)

藤井 知行(東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座)

演者

竹下 俊行(日本医科大学 産婦人科学教室)

吉村 泰典(慶應義塾大学)

竹田  省(順天堂大学 産婦人科学講座)

石原  理(埼玉医科大学 産科婦人科)

2-1-3

少子・人口減少社会を支える明日の小児医療

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

五十嵐 隆(国立成育医療研究センター)

岡   明(東京大学医学部 小児科)

演者

平岩 幹男(Rabbit Developmental Research)

後藤 啓二(NPO法人シンクキッズー子ども虐待・性犯罪をなくす会)

土畠 智幸(医療法人稲生会 生涯医療クリニックさっぽろ)

窪田  満(国立成育医療研究センター 総合診療部)

医学・医療の進歩は難病を含む小児の慢性疾患の生命予後を大幅に改善した。その結果、慢性的に身体・発達・行動・精神状態に障害を持ち何らかの医療や支援が必要な子どもや青年が増加している。その際に、在宅医療を受ける子ども・青年や家族への支援や、成人に移行する患者の治療を行う上で内科医などの成人への医療提供者との強い連携が求められる。また、発達障害者と家族に対する理解、訓練や治療の重要性が指摘されている。一方、近年のわが国の経済状況の悪化と共に子どもの相対的貧困率が上昇している。それに伴い、虐待を受ける子どもが増加し、その予防・対応に医療面だけでなく社会システムの面でも大きな課題が残されている。 これまでのわが国の小児医療は主にbiologicalな課題への対応が主であった。これからの小児医療には、子どもをbiopsychosocialに捉え、支援し、問題解決にあたる体制を構築するためのパラダイム・シフトが求められる。

2-1-4

超高齢者への医療の挑戦と限界

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学講座)

道勇  学(愛知医科大学医学部 神経内科学)

演者

木村  理(山形大学大学院医学系研究科医学専攻 外科学第一講座)

大北  裕(神戸大学 心臓血管外科)

安藤 正志(愛知県がんセンター 臨床試験部)

小倉  信(東京都健康長寿医療センター 麻酔科)

超高齢社会を迎えた現在、高齢者、特に75歳以上の後期高齢者、さらには85歳以上の超高齢者が医療の対象になるケースが増えてきている。医療(技術)の進歩により、そのような高齢者にも多くの先進医療が実施される時代にはなってきているが、一方で、フレイル、認知機能低下、multimorbidityを抱える高齢者を前に、その限界も日々の診療で感じるところである。実際にどこまでの医療が超高齢者に可能であり、その限界はあるのかどうか、またその限界をどのように評価するのかなどをテーマとする。具体的には、高齢患者における消化器手術、心臓血管手術、化学療法を含む薬物療法(高齢者の薬物療法の問題点も含む)、麻酔などの分野での先進医療の在り方、限界などをトピックスとしてお話しいただく。今回のシンポジウムが高齢者医療の新たな挑戦につながるとともに、一人でも多くの高齢者が現在医療、先進医療の恩恵を受け、健康長寿につながることを期待したい。

●2-2 健康長寿はどこまで可能か?

超高齢社会の進展とともに、長寿に伴ったQOL、ADLの向上が急務となっている。からだの痛みや筋の萎縮など現在の高齢者医療が多く抱える課題を明らかにするともに積極的に健康寿命を延伸するための対策を議論する。

2-2-1

健康寿命延伸につながる高齢者のための健診のありかた

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

津下 一代(あいち健康の森 健康科学総合センター)

福武 勝幸(東京医科大学 医学部医学科 臨床検査医学分野)

演者

辻  一郎(東北大学医学系研究科 公衆衛生学分野)

石崎 達郎(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム)

西﨑 泰弘(東海大学医学部 基盤診療学系健康管理学)

津下 一代(あいち健康の森 健康科学総合センター)

自見はなこ(参議院議員)

健診は疾病の早期発見・早期治療の役割から始まり、特定健診・特定保健指導制度では「生活習慣改善の必要な人を一定の基準で選定し、行動変容により健康状態の改善を目指す」仕組みとして位置づけられた。これらにより、循環器疾患の減少、肥満や糖尿病の増加抑制などの効果が得られ、中高年の生活習慣病対策として定着してきた。特定健診制度は医療保険者に実施を義務付け、実施率を評価することにより、普及が図られた点も特記すべきである。その一方、高齢者・超高齢者においては、加齢にともなう疾病構造の変化や検査の身体的・経済的負担に鑑み、中年期とは異なる問診・検査項目・受診間隔が望ましいと考えられる。健診の目的、受診後の対応法、受診率やその効果についての評価など検討すべき課題は多いが、制度としての確立すべき時期に来ている。 人生100年時代を迎え、健康寿命延伸につなげる高齢者のための健診の在り方について、公衆衛生学、老年医学、健診、政策の観点から議論を深めたい。

2-2-2

健康長寿のための食事と栄養

2019年4月27日(土) 15:30~17:30

座長

上西 一弘(女子栄養大学 栄養学部 栄養生理学研究室)

稲垣 暢也(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学)

演者

中村 丁次(神奈川県立保健福祉大学)

香川 靖雄(女子栄養大学 栄養学部)

家森 幸男(武庫川女子大学 国際健康開発研究所)

清野  裕(関西電力病院/関西電力医学研究所)

鈴木 隆雄(桜美林大学 老年学総合研究所)

健康長寿のためには食事と栄養が重要であることは疑いもないことです。本シンポジウムでは、世界の長寿食に学ぶ”食べ方上手”、消化管から見た長寿食、葉酸摂取で心身の健康寿命を延ばす、フレイル予防のための食事・栄養ーたんぱく質とビタミンD-など、食事と栄養に関するテーマで、日本を代表とする専門の先生方にお話をいただきます。

わが国の栄養問題は、脚気などの栄養素の欠乏症から、エネルギーなどの過剰摂取による生活習慣病へと変わってきました。しかし、現在でも欠乏症はあります。今は栄養障害の二重負荷が問題となってきています。メタボリックシンドロームも重要ですが、一方でフレイルも重要です。

本シンポジウムに参加して、是非健康長寿のための食事と栄養について考えていただきたいと思います。

2-2-3

長引く痛みの疼痛マネジメント

2019年4月27日(土) 16:10~17:50

座長

山口 重樹(獨協医科大学 医学部 麻酔科学)

牛田 享宏(愛知医科大学医学部 学際的痛みセンター)

演者

矢吹 省司(福島県立医科大学 整形外科・疼痛医学)

笠原  諭(東京大学医学部附属病院 麻酔科・痛みセンター)

細井 昌子(九州大学病院 心療内科)

金井 昭文(北里大学医学部 新世紀医療開発センター・疼痛学)

西原 真理(愛知医科大学 医学部 学際的痛みセンター)

本邦において慢性痛の人口は1500万人以上とされ、多くの人を苛ませ、ADL、QOLを低下させる原因になっています。このような慢性痛の要因は多彩であり器質的な問題にとどまらず、心理的な要因や社会的な要因が合わさって生じており、これらの治療あたっては多角的に痛みの病態を分析し、対処する必要があります。薬物治療法においては従来のメカニズムとは異なる薬剤が開発されており、その有効性と限界について学ぶ必要があります。また、慢性痛の発症や維持に精神・心理・社会的な観点も重要であり、治療法としては運動療法や認知行動療法の有用性についても理解を深めていただければと思います。

2-2-4

歩き続ける生き生き人生-フレイル・サルコペニアとロコモティブシンドロームを防ぐ

2019年4月28日(日) 9:00~11:00

座長

大江 隆史(NTT東日本関東病院 手術部)

鈴木 隆雄(桜美林大学 老年学総合研究所)

演者

吉村 典子(東京大学医学部附属病院22世紀医療センター ロコモ予防学講座)

島田 裕之(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 予防老年学研究部)

金  憲経(東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム)

葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学講座)

石橋 英明(医療法人社団愛友会 伊奈病院 整形外科)

日本は現在世界に先駆けて超高齢社会を迎え、間もなく65歳以上の人口が全人口の30%に達すると推定されています。特に高齢者の中でも今後著しく増加するのは、75歳以上の後期高齢者と呼ばれる方々です。75歳以上となりますとどうしても心身の機能の低下は顕在化してきます。中でも全身的に虚弱化傾向の現れる「フレイル」、加齢に伴って筋肉量が減少し筋力が衰える「サルコペニア」、そして骨や関節そして筋肉といった運動器全体の疾病や障害を意味する「ロコモティブシンドローム」といった状態が多かれ少なかれ出現してきます。これらを放置しておくと、容易に日常生活の自立を脅かし、生活の質(QOL)を低下させ、ついには要介護状態となる可能性の高いことが知られています。高齢期の健康維持、そしていつまでも「生き生きとした人生を送る」ためには、特に後期高齢期に出現しやすいこれらの障害をできるだけ予防することが大切になります。

2-2-5

ヒトの老化は制御できるか―抗老化研究の最前線

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

鍋島 陽一((公財)神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター)

演者

今井眞一郎(ワシントン大学医学部(ミズーリ州セントルイス) 発生生物学部門・医学部門(兼任))

片桐 秀樹(東北大学医学系研究科 糖尿病代謝内科学分野)

星 美奈子(公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター 神経変性疾患研究部)

高齢者の機能低下、機能障害、疾患発症の最大のリスクファクターは老化である。今や高齢化は先進国のみならず発展途上国においても急速に進行しており、老化は人類が21世紀に対処すべき最大の課題の一つとなっている。先進国では、多年にわたり老化疾患の病態解明と治療法の開発に取り組んできたが近年の老化・寿命制御研究の急速な進展を背景に新たな方向を打ち出しつつある。すなわち、“老化遅延、健康長寿を実現し、老化疾患の発症、老化に伴う機能低下を抑える”との方向性である。本セッションでは、老化研究、加齢疾患研究において世界をリードしている研究者に最新の研究成果を紹介して頂き、健康長寿の実現について議論する。

2-2-6

フレイルとロコモティブシンドロームー疾患概念と対策ー

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

荒井 秀典(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター)

竹下 克志(自治医科大学 整形外科)

演者

神﨑 恒一(杏林大学医学部 高齢医学)

荒井 秀典(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター)

中村 耕三(医療法人社団大坪会 東和病院)

藤野 圭司(NPO法人全国ストップ・ザ・ロコモ協議会)

社会の高齢化はほとんどの先進国を襲う津波のようである。このような高齢化の中で要介護高齢者の増加が問題となっており、その増加を食い止めるための処方箋としてロコモ、フレイル、サルコペニア対策が注目されている。いずれの病態も加齢とともに増加し、要介護状態のリスクである。従って、早期診断、早期介入がきわめて重要であり、その概念の啓発がきわめて重要である。本シンポジウムにおいては、日本全体でロコモ、フレイル、サルコペニア対策を進めるため、その病態、診断、予防、介入方法につき議論することにより、日本国民の健康寿命の延伸を図りたい。

2-2-7

いよいよ東京五輪!健康増進のためのスポーツ医歯学

2019年4月29日(月・祝) 9:00~11:00

座長

松本 秀男(慶應義塾大学 スポーツ医学総合センター)

近藤 精司(至学館大学短期大学部 体育学科)

演者

帖佐 悦男(宮崎大学医学部附属病院 整形外科)

内尾 祐司(島根大学医学部 整形外科学教室)

熊井  司(早稲田大学スポーツ科学学術院)

藤本 繁夫(相愛大学 人間発達学部 発達栄養学科)

大江 隆史(NTT東日本関東病院 整形外科)

安井 利一(明海大学 歯学部)

日本は世界に類を見ない長寿国ですが、健康的な長寿を達成するためには、子供から老人まで年齢と体力あるいは個々が有する疾患や病態に応じた運動が必要です。そこで、アスリートばかりでなく、一般市民や様々な疾患や障害を持つ人にとって、安全かつ有効に健康を維持するための運動とは何かについて紹介します。まず、成長期の小児に生じる運動器の外傷や障害、それらのチェック方法、そして健全な発育に必要な運動について解説します。次にアスリートのスポーツ外傷や障害、それらの解決法、そしてスポーツ復帰への取り組みについて解説します。更に、中高齢者における運動の必要性、注意すべきこと、様々な疾患に対する運動の効果等について解説します。最後にスポーツ歯科の領域からも、スポーツの長所・短所を解説します。これらを通じて、2020年、東京オリンピック・パラリンピックを機に日本のスポーツ医学が益々発展することを期待致します。

2-2-8

認知症と正しく向き合うために-予防と治療の進歩-

2019年4月29日(月・祝) 11:15~13:15

座長

岩坪  威(東京大学大学院医学系研究科 神経病理学分野)

鳥羽 研二(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター)

演者

石井 賢二(東京都健康長寿医療センター研究所 神経画像研究チーム)

池内  健(新潟大学脳研究所 生命科学リソース研究センター)

櫻井  孝(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター)

池田  学(大阪大学大学院医学系研究科 精神医学教室)

武地  一(藤田医科大学医学部 認知症・高齢診療科)

超高齢社会が本格化するにつれて、認知症に悩まれる高齢者の数は急速に増加しており、社会問題ともなっています。このセッションでは、認知症の早期診断・治療に役立つ画像診断や遺伝子検査の進歩から、認知症を予防するための最新の包括的な取り組み、認知症を発症された方に対する医療とケアの現状、そして認知症を持ちながらも豊かな日常生活を送ることのできる地域作りまで、認知症を恐れることなく、上手に向き合って頂くために役立つ知識を、わかりやすくお伝えします。

●2-3 街づくり、環境、災害

高齢化の進行やICTの発達の中で社会が直面する公衆衛生課題に光を当て、街づくり、災害への備え、薬物依存対策、化学物質対策、働き方改革、がん治療と就労の両立について、幅広い分野からの問題提起を受け今後の展望を議論する。

2-3-1

あなたと子どもたちの命を守るために -知っておきたい!災害時に必要な医療と備え-

2019年4月27日(土) 12:45~14:45

座長

石川 広己(日本医師会 常任理事)

那須 民江(中部大学 生命健康科学部)

演者

荒谷 榮子(宮古市教育委員会)

石川 広己(日本医師会)

安村 誠司(福島県立医科大学 医学部公衆衛生学講座)

那須 民江(中部大学 生命健康科学部)

東日本大震災や熊本地震を例に挙げるまでもなく、わが国は地震に代表される自然災害に見舞われることがきわめて多い。また、松本・地下鉄サリン事件のような化学テロが発生した歴史もある。このように、私たちの社会にはさまざまな災害が起きうることを前提として、過去の教訓に学び必要な備えに関する最新の状況を概観することを目的に、シンポジウムを行う。まず、地震に加えて津波や原発事故という複合災害であった東日本大震災の教訓から、いかに災害に備えるか、子供などの災害弱者たちを災害から守るためにはどうしたらよいかを取り上げる。また、放射性物質の広範囲な拡散は住民への被ばくや水、土壌や森林汚染も発生し、食糧汚染など多くの問題をもたらした。急性被ばくの住民への初期および中・長期的対応について取り上げる。最後に松本サリン中毒事件を教訓として、化学テロ発生時の住民の初期・中期・長期的健康影響の調査から、このようなテロから身を守るために何が必要かを取り上げる。

2-3-2

様々な依存の理解とその対応方法

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

樋口  進(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)

松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)

演者

成瀬 暢也(埼玉県立精神医療センター)

松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)

杠  岳文(独立行政法人国立病院機構 肥前精神医療センター)

松下 幸生(国立病院機構久里浜医療センター)

樋口  進(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)

依存は精神科領域で最も注目されている分野の一つである。従来、依存は物質依存に限られていた。しかし、ギャンブル障害やゲーム障害といった行動嗜癖が新たに依存に加わり、その範囲が大幅に拡大した。また、それぞれの依存分野に新たな動きが起きている。アルコール依存症者数は100万人以上と推計され、依然として大きな健康・社会問題である。これを受けて、新たにアルコール健康障害対策基本法が策定され、対策が進みつつある。薬物問題は減少する兆候が見られず、未成年者にまで広がっている。これに対して、刑の一部執行猶予制度など、新たな制度が導入されている。ギャンブル障害に関しては、すでに高率の有病率に加えて、新たにカジノの解禁が決まり、その対策が議論されている。ゲーム障害は新たにICD-11に加わる予定となっており、現在、その有病率の急増が懸念されている。当日は、これらの4種類の依存に関する、現状、治療、予防対策等について、各方面のエクスパートに発表いただく。

2-3-3

未来社会の環境をつくる -これからの化学物質との接し方・つきあい方

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

武林  亨(慶應義塾大学 衛生学公衆衛生学)

宮川 宗之(帝京大学医療技術学部 スポーツ医療学科)

演者

加部  勇(株式会社クボタ筑波工場 健康管理室)

武林  亨(慶應義塾大学 衛生学公衆衛生学)

中山 祥嗣(国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康研究センター)

城内  博(日本大学理工学部 まちづくり工学科)

現在の日本では化学物質に起因する職業病や公害病が多発する状況はなくなったものの、職場環境では予期せぬ中毒発生が度々報告されており、一般環境については子どもの健康を守り未来の環境づくりをめざす国の研究プロジェクト(エコチル調査)が進行中であり、化学物質による潜在的な健康影響への懸念は消えていない。職域ではリスクアセスメントが義務化され様々なツールも導入されつつあるが、健康障害リスクを適切に評価・管理するための基本が現場で十分理解されたとは言えない状況もある。また、エコチル調査で子どもへの影響が明らかになれば、一般環境での微量曝露に対応するための枠組みの検討が必要になろう。健康障害の予防と化学物質管理を広い視点からあらためて考える機会とするべく、産業現場の取り組み(加部)、未規制化学物質による健康障害事例(武林)、エコチル調査(川本)、化学物質管理の今後の方向性(城内)といった内容で各演者に話題提供をお願いし意見の交換を行いたい。

2-3-4

~住み慣れた地域で安心して老いるために考えよう~
高齢者にやさしい未来の家・まち・からだの情報管理

2019年4月28日(日) 14:00~16:00

座長

上島 通浩(名古屋市立大学大学院医学研究科 環境労働衛生学分野)

柴田 英治(愛知医科大学 衛生学講座)

演者

阿部 一雄(阿部建設株式会社)

伊香賀俊治(慶應義塾大学 理工学部システムデザイン工学科)

早野順一郎(名古屋市立大学大学院医学研究科 医学研究科医学・医療教育学)

吉田 安子(名古屋大学予防早期医療創成センター)

超高齢化社会における街づくりは、地域のコミュニティーの力を最大限に生かし、心身にある程度の不自由はあっても地域の様々なネットワークで高齢者を孤立させることなく、生きがいを持って過ごせる環境を整えることを基本に考えなければならない。一方、そのためにはAging in place(住み慣れた地域で高齢期を過ごす)を実現する人材育成のほか、住宅内の温熱環境を整え、高齢者の脳心血管系に負担をかけない居住環境を省エネルギーで実現する未来型住宅の開発、介護専門職の不足に対応するとともに、人間による介護に係る物理的な困難を克服する家庭内生活支援ロボットの開発、地域の高齢者からの携帯型デバイスを通じた健康情報の発信と地域における一元的管理等といった人づくりとイノベーションの考え方が求められる。本セッションでは上記の各課題に取り組む専門家からの報告を受け、加速化する高齢化時代の街づくりを考える。

2-3-5

がんと就労:治療との両立

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

斉藤 政彦(大同特殊鋼星崎診療所)

高橋  都(国立がん研究センター がん対策情報センター)

演者

赤羽 和久(赤羽乳腺クリニック)

藤田 久子(一般社団法人CSRプロジェクト)

服部  文(一般社団法人仕事と治療の両立支援ネットーブリッジ)

船﨑 初美(愛知県がんセンター中央病院 地域医療連携・相談支援センター)

少子高齢化に伴い、がんに罹患する労働者が増加し、一方で、治療技術の進歩に伴い、五年相対生存率が60%を超え、副作用対策によって外来治療が主体となった。よって、職場の配慮があれば、がんを治療しつつ就労することは可能である。しかし、がんは短命というイメージから、失職するケースが後を絶たない。就労は、本人にとって生活費や治療費の確保だけでなく、社会とのつながりであり生き甲斐である。一方、職場にとっても貴重な労働力である。がんを治療しつつ就労を継続することは社会的テーマであり、厚生労働省も平成28年にガイドラインを出し、平成30年度の診療報酬改定において、療養・就労両立支援指導料が新たに承認された。対策としては、正確な知識の普及によって、がんになっても十分働けることを周知することが第一で、本人が自覚して安易に退職しないようにし、主治医は治療優先の中で、就労のことも意識する。職場も重要な課題と位置付け、医療機関と連携しつつ、働く環境を整える。

2-3-6

わが国における働き方と健康対策

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

黒木 宣夫(東邦大学)

茅嶋康太郎(株式会社ボーディ・ヘルスケアサポート)

演者

吉川  徹(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 過労死等調査研究センター)

小山 文彦(東邦大学医療センター佐倉病院 産業精神保健・職場復帰支援センター

篠原 貴之(SCSK株式会社 人事グループ ライフサポート推進部)

神ノ田昌博(厚生労働省労働基準局 安全衛生部労働衛生課)

2016年11月に過労死等防止対策推進法が施行され、さらに大手広告代理店における過労自殺が社会的に注目を浴び、過労死等の防止と過重労働対策のさらなる強化が重要かつ喫緊の課題となっている。過重労働の要因は長時間労働を基盤とするが、その背景には社会の経済状況、商慣行、雇用形態、職制、業務請負内容、職場環境など多様な要因が存在する。これまでの法による監督型の過重労働対策には限界があると思われ、経済界の自律的な取り組みによる「働き方・業務請負慣行の根幹的な改善」が期待される。 シンポジウムでは、長時間労働と過労による健康影響についての最新の知見を整理し、医療から過労で健康障害を起こしている労働者にどのような支援ができるか、医療者が産業医としてどのように労働者、企業を支援できるかについて検討したい。働き方・働かせ方改革の「理想論でない実践事例」として健康経営の先頭を走る企業の担当者にご登壇いただき、今後のあるべき社会像についても議論したい。

●2-4 新薬・ロボット・診断機器

医療における技術革新は、効率的診断・非侵襲的治療の流れを加速させる一方で、治療の均てん化の流れも進めている。本セッションでは、第一線の先生方で技術革新による近未来医療の流れを議論する。

2-4-1

アカデミア発医薬品開発の現状と課題

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

井澤 英夫(藤田医科大学坂文種報徳會病院 循環器内科)

宮田 敏男(東北大学医学系研究科 分子病態治療学分野)

演者

井本 昌克(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 臨床研究・治験基盤事業部)

林  憲一(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)

長野 哲雄(東京大学 創薬機構)

成宮  周(京都大学医学研究科 メディカルイノベーションセンター)

日本の基礎研究レベルは高く、医薬品開発においても、多くの基礎研究成果が蓄積されています。 近年の実用化研究(橋渡し研究)を加速する様々な政策の下、アカデミアからの医薬品開発は、低分子医薬品を中心に、基礎研究からヒトでの有効性を確認する医師主導治験(POCの取得)までを繋げる環境が整備されてきました。革新的な次世代医薬品創出のためにも、アカデミア、製薬企業、CRO、バイオベンチャーなど関係者でのオープンイノベーションの「場」をさらに広げ、多くの課題を抽出して解決しなければいけません。本セッションでは、アカデミアと行政(日本医療研究開発機構、医薬品医療機器総合機構)の立場から、医薬品開発の最前線にかかわられておられる方々にお集まりいただき、アカデミア発医薬品開発の現状と課題に関して議論をお願いする予定です。

2-4-2

光とイメージング技術が拓く新しい医療

2019年4月28日(日) 8:30~10:10

座長

山本 清二(浜松医科大学)

蓑島 伸生(浜松医科大学 光尖端医学教育研究センター)

演者

山本 清二(浜松医科大学)

間賀田泰寛(浜松医科大学光尖端医学教育研究センター フォトニクス医学研究部)

川人 祥二(静岡大学電子工学研究所)

庭山 雅嗣(静岡大学大学院光医工学研究科)

西條 芳文(東北大学大学院医工学研究科 医用イメージング研究分野)

2-4-3

ロボット技術でリハビリテーション医療が変わる ~思っただけで身体が動く?~

2019年4月28日(日) 11:30~13:30

座長

山田 純生(名古屋大学大学院医学系研究科 保健学)

浅見 豊子(佐賀大学医学部附属病院 リハビリテーション科)

演者

里宇 明元(慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)

吉峰 俊樹(大阪大学国際医工学情報センター 臨床神経医工学寄附研究部門)

森本  淳(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 ブレインロボットインターフェース研究室)

浅見 豊子(佐賀大学医学部附属病院 リハビリテーション科)

脳と機械を直接つなぐ技術、ブレインマシンインターフェース(BMI)がリハビリテーション医療を変えようとしています。BMIは信号の方向から、大まかに脳情報からロボットなどを制御する「出力型」と、外部センサーからの情報を脳に入力する「入力型」とに分かれますが、脳・身体機能の回復を目指して世界中で研究が進んでいます。本シンポではその最前線の研究をご紹介頂きます。

まず、里宇先生には脳波など非侵襲技術によるBMIを用いた脳卒中患者のリハビリテーションについて、吉峰先生には脳外科手術を組み合わせた、直接脳表からの情報を抽出する技術とその臨床応用を、森本先生には脳情報を使ってロボットを操作し、さらに動かした手足からの感覚情報を使って機能回復を目指すハイブリット技術を、最後に浅見先生よりBMI以外のロボット技術を用いたトレーニングをご紹介頂きます。各ご講演内容は先進的リハ医療のコア技術となる可能性を秘めています。多くの皆様のご来場をお待ちしています。

2-4-4

ロボット技術で輝く近未来手術

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

藤澤 正人(神戸大学医学研究科 腎泌尿器科学)

宇山 一朗(藤田医科大学 総合消化器外科)

演者

渡邊  剛(ニューハート・ワタナベ国際病院)

井坂 恵一(東京医科大学 産婦人科)

中村 廣繁(鳥取大学医学部 胸部外科学分野)

能城 浩和(佐賀大学 一般・消化器外科)

白木 良一(藤田医科大学 泌尿器科)

医用工学の急速な進歩に基づき導入されたロボット支援手術システムは、従来の外科手術の概念に大きな変革をもたらしながら、低侵襲手術として急速に実臨床の場で普及してきた。高解像度の3D視野の下で多自由度の鉗子操作を駆使することで、標準術式はもとより、想像をはるかに凌ぐ高難度の手術を安全に施行することが可能となってきている。また、2018年4月より、多くの術式において保険診療が承認された。本シンポジウムでは、ロボット支援手術に豊富な経験を有するエキスパートの先生方に、各領域におけるロボット支援手術の現況を解説いただくとともに、その将来展望を示していただき、今後本邦の外科医が目指すべきロボット支援手術の方向性を考えていきたい。

●2-5 高い安全性と倫理性が求められる医学・医療

高度医療が薬剤耐性菌を生み、ヒューマンエラーやコミュニケーションエラーによる有害事象を顕在化させた。医療に伴うリスクの制御は、現代医療における重要課題である。最新の患者安全と医療倫理について議論する。

2-5-1

我が国のAMR(薬剤耐性菌)対策最前線

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

八木 哲也(名古屋大学大学院医学系研究科 臨床感染統御学)

村上 啓雄(岐阜大学医学部附属病院 生体支援センター)

演者

大曲 貴夫(国立国際医療センター)

舘田 一博(東邦大学医学部 微生物・感染症学講座 感染病態・治療学分野 感染制御学分野)

大毛 宏喜(広島大学病院 感染症科)

具  芳明(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター)

釜萢  敏(日本医師会)

多剤耐性アシネトバクターやカルバペネム耐性腸内細菌科細菌などの多剤耐性菌の世界的な拡がりを受けて、有効な対策がなされなければ、感染症の治療はペニシリン発見以前に逆戻りしてしまうのではないかと危惧されている。2016年4月に我が国でも「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が発出され、国立国際医療研究センターを中心として国家的な対策が展開され、それに基づき医療現場でさまざまな活動が進行中である。登壇して頂く5名の講師には、薬剤耐性菌の疫学から、国としてどのような対策活動が進められているか、現場での感染制御・抗菌薬適正使用・感染症治療がどのように行われているかを、それぞれの立場からご発表頂き、現時点でのアクションプランの到達点と今後の課題を確認したい。

2-5-2

医療の質向上と患者安全

2019年4月28日(日) 8:30~10:30

座長

長尾 能雅(名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)

兼児 敏浩(三重大学医学部附属病院 医療安全管理部)

演者

上田 裕一(地方独立行政法人 奈良県立病院機構)

安田あゆ子(藤田医科大学病院 医療の質・安全対策部 医療の質管理室)

北村 温美(大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部)

遠山 信幸(自治医科大学附属さいたま医療センター 医療安全・渉外対策部)

日本に本格的に患者安全の概念が導入され、20年が経過した。その重要性についてはもはや論を待たないが、その具体的方法論については、依然、トライアルの段階にあるといってよい。現状として、取り組みに成功した医療機関はごくひと握りであり、大半の医療機関は発展途上といえ、深刻な格差も生まれている。

本セッションでは、当領域に造詣の深い4名のシンポジストにご登壇いただき、この20年を振り返りながら、現在の課題を整理し、今後の患者安全の展望について議論する。

※本セッションは、「専門医共通講習会」に認定されています。

2-5-3

医療倫理と臨床倫理

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:30

座長

飯島 祥彦(名古屋大学大学院医学系研究科 生命倫理統括支援室)

塚田 敬義(岐阜大学医学系研究科 医学系倫理・社会医学)

演者

瀧本 禎之(東京大学大学院医学系研究科 医療倫理学分野)

金城 隆展(琉球大学医学部附属病院 地域医療部)

長尾 式子(北里大学 看護学部)

田代 志門(国立がん研究センター研究支援センター 生命倫理部)

板井孝壱郎(宮崎大学大学院医学獣医学総合研究科 生命・医療倫理学分野 宮崎大学医学部附属病院 臨床倫理部)

医学研究の実施に際しては、ヒトゲノム・遺伝子解析、疫学や臨床研究の倫理指針に基づく倫理審査体制が構築され15年余が経ち、疫学・臨床研究は「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に統合され、個人情報保護法等の改正を踏まえた指針の大改正が行われたことは記憶に新しい。そして「臨床研究法」の施行に至った次第です。指針改正や新法制定の背景には医学研究での研究不正問題があります。現在では研究対象者への保護の強化以外に「公正な研究の実施」の確保、すなわち利益相反マネジメントの強化、モニタリングや監査の実施、情報や試料の適切な取扱い方法も含め「研究の質」の確保、さらに倫理審査の質の向上も求めています。次に生命観や人生観の多様化、医療環境の変化への医療界の対応の取り組みとして「臨床倫理」の視点が注目されています。今回、先駆的な取り組みを実践している先生方と共に課題そして方向性を論じ、明日からの医学・医療の場に還元したく企画するものです。

●2-6 医療制度を考える

今後も続く高齢化の進展と医療の高度化を乗り切る医療制度改革と財源確保。未来につながる良質な医療提を提供するにはどのような視点で改革を進めていくのか、地域医療構想、医療計画、在宅医療、地域包括ケアシステムの在り方も含め議論したい。

2-6-1

地域医療におけるかかりつけ医と総合診療専門医

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

羽鳥  裕(日本医師会 常任理事)

演者

竹村 洋典(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 総合診療医学)

林  義久(愛知県医師会)

朝倉健太郎(社会医療法人健生会 大福診療所)

荒金 英樹(京滋摂食・嚥下を考える会 代表 愛生会 山科病院消化器外科 部長)

2-6-2

地域医療構想・医療計画

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

中川 俊男(日本医師会副会長・新さっぽろ脳神経外科病院理事長)

永廣 信治(徳島大学病院長)

演者

中川 俊男(日本医師会副会長・新さっぽろ脳神経外科病院理事長)

永廣 信治(徳島大学)

武久 洋三(日本慢性期医療協会会長、博愛記念病院理事長)

吉田  学(厚生労働省 医政局)

地域医療構想では、各医療機関が構想区域の各種データに基づき自院の将来について検討を行っており、各地の地域医療構想調整会議における公私の役割分担等の機能分化・連携に関する協議も踏まえながら、当地の病床機能が次第に収れんされていく。他方、医師偏在の解消に向け、医療法・医師法の改正により医師確保計画の策定など都道府県の役割が高まることとなる。その中核を担うのは地域医療対策協議会であり、医師会、大学、関係機関等の参画の下、実効性をもって運営される必要がある。また、新たに導入される「医師偏在指標」等は一律に適用されるべきではなく、地域の実情が十分に反映されなければならない。そのためには、地対協での検討に調整会議を活用する仕組みが必要である。勤務医等への医師需給に関するデータ提供、キャリア形成支援も重要である。地域医療構想、医師確保計画はいずれも医療計画を構成するものであり、当日は今後の医療提供体制について議論したい。

2-6-3

超少子高齢社会を乗り切る医療制度改革と財源選択

2019年4月27日(土) 13:50~15:30

座長

二木  立(日本福祉大学)

演者

権丈 善一(慶応義塾大学 商学部)

迫井 正深(厚生労働省 保険局医療課)

松田 晋哉(産業医科大学 公衆衛生学)

二木  立(日本福祉大学)

国民医療費は、今後も急速な高齢化の進展と医療の高度化により増加する。しかし、医療費・社会保障給付費の規模は対GDP比で見るのが適切であり、政府の公式推計では、この比率は今後漸増するが、急騰はしない。そのため、医療費の抑制ありきの行き過ぎた改革は避け、国民皆保険制度を堅持しつつ、良質で公平な医療を効率的に提供するための改革を着実に進める必要がある。その青写真は「社会保障制度改革国民会議報告書」(2013年)で示されており、医療分野ではそれに基づき地域医療構想と地域包括ケアを二本柱とする改革が進められている。本シンポジウムでは、上記報告書作成の立役者である権丈善一氏、厚生労働省で両改革を裏打ちする2018年度同時改定を主導した迫井正深氏、および地域医療構想と地域包括ケアの「見える化」作業を精力的に行っている松田晋哉氏に、改革の進捗状況と今後の課題を報告して頂き、参加者の皆さんと率直な議論を行いたい。

2-6-4

超高齢社会における持続可能な在宅医療・地域包括ケアシステムの在り方

2019年4月27日(土) 16:10~17:50

座長

三浦 久幸(National Center for Geriatrics and Gerontology 在宅連携医療部)

演者

野田 正治(愛知県医師会)

太田 秀樹(医療法人アスムス)

舛友 一洋(臼杵市医師会立コスモス病院)

鈴木 邦彦((医)博仁会 志村大宮病院)

地域包括ケアのキーワードは「地域」、「包括性」、「継続性」といわれている。2012年以降、国策として在宅医療の推進及び在宅医療・介護連携推進事業が進められている。この流れの中で愛知県医師会は在宅医療サポートセンターを地区医師会内に設置し、事業の面展開を行っている。地域の在宅医療を持続可能とする県医師会の役割を確認するとともに、併せて小児在宅の問題についても討論する。次に地域包括ケアや在宅医療推進を目的とした評価尺度をどのように設定するかについては、今回、特に「地域看取り率」をテーマに検討する。さらに被災時にも応用しうる多職種連携による地域ICTを先進的に構築し、運用している臼杵市の報告を通して、ICT連携を持続・発展させる方策を検討する。最後に今後の在宅医療・地域包括ケア推進の要は「かかりつけ医」であるが、医療提供体制そのものの再構築に関する議論等を通じ、今後の持続可能な在宅医療・地域包括ケアシステムの在り方を検討する。

2-6-5

地域包括ケアシステムにおける医療連携の果たす役割 ~薬剤師の視点から~

2019年4月28日(日) 15:00~18:00

座長

山本 信夫(日本薬剤師会 会長)

木平 健治(日本病院薬剤師会 会長)

① 病院薬剤師の立場から(各20分)

演者

石井伊都子(千葉大学医学部附属病院 薬剤部)

谷澤 克弥(独立行政法人岐阜県総合医療センター 薬剤センター)

野田 幸裕(名城大学薬学部・名古屋大学医学部附属病院)

開局薬剤師の立場から(薬薬連携、地域医療連携と地域医療提供体制への貢献)(各20分)

演者

宮﨑長一郎(日本薬剤師会)

高田 弘子(長野県薬剤師会会営薬局)

轡  基治(うえまつ調剤薬局)

現代の医療現場では、薬物治療が重要な役割を担っており、これまで以上に医薬品が必要・不可欠な存在となっている。医療現場では専ら薬剤師が医薬品を取り扱い、薬学的な視点を踏まえて、処方医との密接な連携の下で安全かつ安心な薬物治療が講じられるよう機能している。入院患者・外来患者とではその療養環境に大きな違いがあることは論を待たない。しかしながら、超高齢社会にあって入院から在宅に至るシームレスな医療提供体制が求められる中、医療機関勤務、地域開局薬局勤務と働く場所は異なるものの、基本的な医薬品安全対する取り組み必要性に違いはない。そこで、それぞれの視点から見た「地域包括ケアシテムにおける医療連携の果たす役割」について、チーム医療等の実態を踏まえながら、安全で安心な薬物治療を確保するための議論が行われ、相互理解がより一層進むことを期待している。

柱3 医療人の教育と生き方

●3-1 医学研修と生涯学習

医療人の教育制度として、全ての診療科において国民に標準的な医療を提供できるよう整えられ開始後1年経過した新専門医制度を振り返る。また、外科医の教育に必要なカダバートレーニングの整備について議論する。

3-1-1

新専門医制度実施までの経緯と今後の課題

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

嘉山 孝正(山形大学医学部先進医学講座 日本脳神経外科学会理事長顧問)

演者

寺本 民生(一般社団法人日本専門医機構/帝京大学臨床研究センター)

今村  聡(日本医師会副会長)

小寺 泰弘(名古屋大学 消化器外科学)

門脇  孝(東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科)

池田 典昭(九州大学大学院医学研究院 法医学分野)

2014年に発足した日本専門医機構は、現在3期目の執行部が背負っています。本講演会では、日本の医療の向上を目指す専門医機構の発足の目的、成り立ちを機構理事長にお話頂き、日本内科学会、外科学会と日本医師会の代表者から各領域での取り組みや課題を議論頂きます。また、専門医制度がない日本法医学会代表者からは専門医制度を置かずに如何にその質を保っているかを議論頂きます。現状では、日本専門医機構は質の向上以外の課題の影響を大きく受けています。本講演会では、演者全員で、質の向上から始まった専門医制度がその他の要素をいかに取り入れて、日本の医療の向上を目指したらよいかを議論し、纏めたいと思います。

3-1-2

医療手技修練のための献体解剖 -わが国における現状と課題

2019年4月29日(月・祝) 10:40~12:10

座長

弦本 敏行(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 肉眼解剖学分野)

演者

七戸 俊明(北海道大学病院 消化器外科Ⅱ)

白川 靖博(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学)

桐田 忠昭(奈良県立医科大学 口腔外科)

松田 正司(愛媛大学 解剖学発生学講座)

鈴木 崇根(千葉大学大学院医学研究院 環境生命医学(旧解剖学第一講座))

医療の高度化に伴い手術手技が日進月歩で多様化する現在、外科系医師にとって、それらを確実に習得するためには、遺体を用いたサージカルトレーニング(CST)は有用な手段の一つである。その重要性は以前から認識されており、実際、多くの外科系医師が海外へ出かけて他国の遺体を用いてCSTを実践してきた。このような背景の一つには、国内での医師・歯科医師による遺体解剖の実施に関する法律が整備されていなかったことが挙げられる。2012年、関係各機関における審議ならびにパブリックコメントによる意見募集を経て、「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」が日本外科学会と日本解剖学会の連名で公開された。これを契機にCSTを実施する大学数は増加して今日に至る。本年度からは厚生労働省による関連補助事業も大幅に増額された。このような医療手技修練のための献体解剖に関して、最前線で実践する演者の先生方に話をうかがい、わが国における現状と課題について考察する。

●3-2 育成と配置

近年、学生や若手医師の専門医志向が強くなったと言われるが、一方でリサーチマインドを持った人材を育成する必要性も指摘されている。基礎医学研究者・研究医養成の意義を臨床医におけるリサーチマインドも含めて議論する。

3-2-1

基礎医学研究者・研究医は絶滅危惧種か?

2019年4月28日(日) 16:20~18:00

座長

髙橋 雅英(名古屋大学)

野阪 哲哉(三重大学大学院医学系研究科 感染症制御医学・分子遺伝学分野)

演者

尾藤 晴彦(東京大学大学院医学系研究科 神経生化学分野・MD研究者育成プログラム室)

和佐 勝史(大阪大学医学部 医学科教育センター)

鈴木敬一郎(兵庫医科大学 生化学講座)

未定   (名古屋大学 学生)

未定   (京都大学 学生)

受験界は空前の医学部ブームですが、平成16年度の臨床研修必修化以後、MD基礎医学研究者は減少の一途をたどり、今や絶滅危惧種とまで言われる有様です。現状を是正すべく、MD研究者育成プログラム全国リトリート等が実施され、研究者志望の医学生の交流機会は増えつつあり、各大学でもMD研究者養成の様々な試みが行われています。本セッションでは、学部教育における魅力的な研究医養成プログラムとその現場を5大学の教員側または学生側からご紹介いただき、現況を俯瞰したうえで世界に通用する基礎医学研究者・研究医を今後いかにして育成していくべきかを考え、議論したいと思います。研究医の育成は基礎医学に限らず、臨床分野においてもリサーチマインドを持った医師の養成は重要です。皆様の積極的なご参加をお持ちしております。

●3-3 ワーキングスタイル

人口減少の中で高齢社会を迎え、医師の使命をはたすためには、働き方を考えねばならない。性別、勤務形態、地域などの労働環境によって事情は異なる。関連する子育て支援、シニア医師の活用についても議論する。

3-3-1

医療人の男女共同参画社会

2019年4月28日(日) 10:50~12:30

座長

永田 浩三(名古屋大学大学院医学系研究科 医療技術学専攻 病態解析学講座)

堀田 喜裕(浜松医科大学 眼科)

演者

吉本 明子(厚生労働省人材開発統括官)

高橋  淳(京都大学 iPS細胞研究所)

坂東 泰子(名古屋大学 循環器内科)

野村 幸世(東京大学大学院医学系研究科 消化管外科学)

椙山 広美(一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会)

男女共同参画社会基本法が施行され、男性も女性も、意欲に応じてあらゆる分野で活躍することが求められている。各診療科においても、男女共同参画への取り組みがさかんに議論されている。医師や研究者は、その職責ゆえに、皆が困難を克服しながら活躍するためには、サポートする体制や、各領域における種々の取組みが重要と考える。サポートする医師や、各領域において男女共同参画に取り組んでいただいている方にご登壇いただき、よりよい医師の男女共同参画社会について考える。

3-3-2

医師の働き方改革について

2019年4月28日(日) 16:00~18:00

座長

泉  良平(富山市立富山市民病院/富山県医師会 外科)

望月  泉(岩手県医師会参与/八幡市病院事業管理者)

演者

植山 直人(全国医師ユニオン)

松本  尚(日本医科大学 救急医学)

木戸 道子(日本赤十字社医療センター 第一産婦人科)

中嶋 義文(三井記念病院 精神科)

阿部 計大(東京大学大学院医学系研究科 公衆衛生学)

政府の「働き方改革実行計画」では、医師は応招義務等を踏まえた対応が必要であり、改正法施行の5年後を目途に規制を適用する。また、医療界の参加の下で2年間検討の場を設け規制の具体的な在り方等について結論を得ることとされた。

厚労省検討会で審議が進められ、日本医師会でも、医師の働き方検討委員会や勤務医委員会で、多様な働き方を尊重できる方法を模索しながら「地域医療の継続性」と「医師の健康への配慮」を両立させる立場から検討が進められている。病院団体等が参画し日医主催で設置した医師の働き方検討会議は医療界の意見を集約し、厚労省検討会に提出した。多くの意見があることから、各界からの発表と討論を行う。

3-3-3

開業医、勤務医、産業医の社会的使命と過重労働・ワークライフバランス

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:30

座長

笽島  茂(三重大学大学院医学系研究科 公衆衛生・産業医学分野)

森田  朗(東京大学名誉教授/津田塾大学総合政策学部 国立社会保障・人口問題研究所所長(前)教授)

演者

笽島  茂(三重大学大学院医学系研究科 公衆衛生・産業医学分野)

羽生田 俊(参議院議員)

湯地晃一郎(東京大学 医科学研究所 国際先端医療社会連携研究部門)

櫻澤 博文(合同会社パラゴン)

森田  朗(東京大学名誉教授/津田塾大学総合政策学部 総合政策学科)

今回の働き方改革は残業時間数に年間720時間(月平均60時間)という上限を設ける一方、特別条項によって繁忙期に80時間ないし100時間未満の残業時間を認めている。このことは、他の月の残業時間を60時間未満に抑える必要を意味し、従って年間の労働時間の変動を大きくなることに帰結する。疫学研究(BMJ1998 Sokejima)によれば、月間の残業時間が60時間を超えると残業がない場合に比べて急性心筋梗塞発症リスクが2倍以上になるが、一方で一日当たり平均労働時間の増加が年間2時間を超えるとやはり発症リスクが2倍以上になることが示唆されている。労働時間の長さだけでなくその変動も抑制する必要もあるかもしれない。労働時間のあり方と医師を含む国民の健康水準や生活との関係について、さらなる議論と公共政策的決断が必要である。

3-3-4

超高齢社会におけるシニア医療者の働き方

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:10

座長

清水 貴子(日本医学教育学会)

近藤 峰生(三重大学医学系研究科 眼科)

演者

加藤 琢真(厚生労働省 医政局医事課 医師臨床研修推進室)

市川 朝洋((医)光生会)

三宅 養三(神戸アイセンター 公益社団法人Next Vision)

熊谷 雅美(公益社団法人日本看護協会)

原  広司(京都大学産官学連携本部 パナソニック先進共同研究部門特定)

今中 雄一(京都大学 大学院医学研究科 医療経済学分野)

発言者
清水 貴子(日本医学教育学会)

団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」は、医療界も例外ではない。2016年厚生労働省3師調査や日本看護協会統計では、各医療者の総数は増加しているが平均年齢も上昇し、若年層が減少している。一方で社会的には安全な医療を維持するため、常態化した長時間労働を是正することも求められており、今後の医療界の大きな課題と言える。これに対して経済産業省は、元気な高齢者が支えられる側ではなく支える側になることを提案している。すなわち、地域ごとに異なる医療需要および医療サービス提供の変化の見通しを踏まえ、60~65歳で定年を迎えるシニア世代を貴重な人材と捉えることが必要である。これからの日本医療を健全に運営するために、すべての医療者特にシニア世代や女性医療者が社会貢献を継続できるキャリアのあり方など、社会と医療者双方にとって有意義なシステムの構築が必要であると考え、本セッションを企画した。

3-3-5

医療人の子育て支援

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:10

座長

秋山 真志(名古屋大学医学系研究科 皮膚科)

金山 尚裕(浜松医科大学 産婦人科)

演者

戸倉 新樹(浜松医科大学医学部附属病院皮膚科 浜松医大女性医師支援センター)

水野美穂子(社会医療法人宏潤会 大同病院 大同こども総合医療センター)

加藤 英子(公立陶生病院 小児科)

谷口千津子(浜松医科大学医学部附属病院 女性医師支援センター)

平松真理子(名古屋大学医学部医学系研究科 耳鼻咽喉科)

国はすべての女性が輝く社会づくりを目指しています。大学病院や総合病院においては医療職を中心に女性職員が増加しています。出産・育児による長期休職や退職、そして復帰後もパートタイマーとして働くことが多くなるのが現状です。特に時間外勤務や夜勤が多い診療科では結婚、出産、育児により現場を去る女性職員が増加し、外科系の医師不足の一因となっているとも言われています。特に医師不足県では出産後、女性医師が順調に復帰しないと、深刻な医師不足に陥ることが想像されます。医療施設に女性が働きやすい環境を提供することは喫緊の課題です。男女ともに就労しやすい環境作りのためにキャリアパス支援、保育所の整備、病児病後児保育施設の整備、学童保育の整備などがあります。本ワークショップは男女共同参画充実のためどのような子育て支援が今後必要かについて、現在奮闘中の先生、それを乗り越えた先生などの生のお話を聞き、皆さんで医療人の子育て支援について考えてみたいと思います。

●3-4 多職種連携

医療の専門分化が進む中で、patient- and family-centered careの実践、或いは病状や発達段階、医療の場の移行において多職種連携は欠かせない。在宅医療、緩和医療、看護職の育成の話題を通して連携と医療の在り方について議論する。

3-4-1

小児から大人までシームレスな在宅医療を目指し

2019年4月27日(土) 13:50~15:50

座長

岩本彰太郎(三重大学医学部附属病院 小児トータルケアセンター)

松本 吉郎(日本医師会 常任理事)

演者

奈倉 道明(埼玉医科大学総合医療センター 小児科)

前田 浩利(医療法人財団はるたか会)

中尾 正俊(日本医師会小児在宅ケア検討委員会副委員長、大阪府医師会副会長)

岡田 まり((株)ジェネラス 訪問看護ステーション ほたるいせ)

平岡  翠(名古屋市立大学病院 高度医療教育研究センター)

人工呼吸器や経管栄養などの医療的ケアを必要としながら、在宅で療養する子どもたちが増えている。平成28年6月には児童福祉法等が改正され、医療的ケア児への支援が自治体の努力義務とされるなど、支援の充実に向けた認識は高まっている。しかし、現状の小児在宅医療体制は成人に比べて十分でなく、医療的ケア児と家族は厳しい環境に置かれている。成人の在宅医療を行う医療機関・訪問看護ステーション等の参画を促し、小児についても「地域包括ケアシステム」としてシームレスな受入体制を整備する必要がある。さらには、医療だけでなく福祉サービスの充実、子どもの成長・発達や教育等ライフステージに応じた支援も重要であり、成人の在宅医療以上に多様な職種の連携が求められる。当日は、小児在宅医療の先駆者として活躍する方々から課題と対応についてご提言いただき、医療的ケア児と家族が、地域でライフステージを通して安心して生活できる明るい未来に向けて議論したい。

3-4-2

実践・教育・研究のつながりがうみだす看護の未来 ~社会の期待に応える人材育成のあり方~

2019年4月27日(土) 16:10~18:10

座長

奈良間美保(名古屋大学大学院医学系研究科 看護学専攻)

明石 惠子(名古屋市立大学 看護学部)

演者

市村 尚子(前名古屋大学医学部附属病院 看護部)

井上 里恵(愛知医科大学病院 看護部)

松岡 真里(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻)

黒田久美子(千葉大学大学院看護学研究科 附属看護実践研究指導センター)

岩本彰太郎(三重大学医学部附属病院 小児トータルケアセンター)

廣瀬 泰子(岐阜大学医学部附属病院 看護部)

近年の医療提供体制の変化に伴い、医療職に求められる役割は多様化し、人材養成に対する社会的要請は高まっています。多職種連携の要となる看護職の育成においては、看護系大学の急増、実習施設の不足等を背景に、基礎教育のさらなる充実が求められています。また、実習等の教育に携わる大学病院では、先端医療の開発・提供とともに人材の育成を使命とする病院ならではの課題や取り組みがあると考えます。 そこで、本セッションでは、看護の人材育成の現状を共有するとともに、実践・教育・研究のつながりから生まれる看護の未来について検討したいと考えます。課題や役割が拡大する現代であるからこそ創造的な発想を大切にして、未来志向型の看護の人材育成のあり方について皆さまとともに考える機会となりましたら幸いです。

3-4-3

これからのオーダメイド緩和医療

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:30

座長

多田羅竜平(大阪市立総合医療センター 緩和ケアセンター)

演者

多田羅竜平(大阪市立総合医療センター 緩和ケアセンター)

中西 健二(三重大学医学部附属病院 医療福祉支援センター)

阿部 泰之(旭川医科大学病院 緩和ケア診療部)

眞野 惠子(藤田医科大学病院)

塩川  満(聖隷横浜病院 薬剤部)

緩和ケアとは、重い病を抱える患者さんやその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアです。身体的、心理社会的、そしてスピリチュアルなつらさも含めた全人的苦痛の在り様や人生において大切にしたいことは一人一人異なるものであり、一人の患者さんの中でも病状や時間経過とともに変わりゆくことは少なくありません。療養場所(入院、外来、在宅など)、年齢(子ども、思春期・若年成人、壮年期、高齢者など)、疾患(がん、心疾患、神経疾患など)によってもニーズは様々です。このシンポジウムでは、患者さんとその家族が、いつ、どこで、どのような「つらさ」に直面しても、その人の希望に沿った緩和ケアが提供され、「豊かな人生」を最期まで送れるために、尽力されている実践の現状、克服すべき課題、そしてこれからのオーダーメイド緩和医療の将来像について多職種で構成されたシンポジストの先生方を交えて検討したい。

●3-5 学生企画

医学部での学生生活を医師としてのプロフェッショナリズムを獲得するための助走期間とするためには、どのように過ごしたらよいか、4人の先輩医師(メンター)と学生(プロテジェ)との間でインタラクティブに議論する。

3-5-1

医師としてのプロフェッショナリズムをめざして

2019年4月28日(日) 14:00~16:00

オーガナイザー

林 祐太郎(名古屋市立大学 小児泌尿器科学)

木村  宏(名古屋大学 ウイルス学)

春日井邦夫(愛知医科大学 消化管内科)

佐々木ひと美(藤田医科大学 腎泌尿器外科)

医学部の6年間は、医療・医学の修練・習得の時間であるだけでなく、他者との関わりの中で人生をおくることになる医師・医学者にとって、重要な人間形成の場である。本企画では、学生時代に基礎研究に携わる時期を過ごすことの醍醐味と将来への影響、膨大な医学勉強の傍らで部活動を行うことの喜びと社会生活への貢献、理系学部では衰退傾向にある学園祭を医学生が主催することの意義と未来像構築への役割、将来目標として医師・妻・母という役割をめざす女子学生にとっての学園生活の今昔など、現実に医学生が直面している生活のなかでの思いと悩みについて、医学生(プロテジェ)からは学生生活を基にした未来への夢と展望を、医学部教員(メンター)からは自らの学生生活と医療人としての道程を踏まえた反省と助言を語りながら、学生が医療人としてキックオフするために学生時代に何をすべきか、何を考えるべきかを提言できるようなインタラクティブなセッションにしたい。

●3-6 日本医学会総会奨励賞 本総会より新設

1.  目的

医学上、優れた業績を上げた若手研究者を表彰し、今後の医学会を活性化するため。

2.  要項

日本医学会加盟の分科会もしくは日本医師会から各々1~2名の候補者をご推薦いただき、生理系、病理系、社会医学系、内科系、外科系の5領域に分類し(分類は自己申告による)、審査員による事前書類選考の上、各領域から3名程度の奨励賞受賞者を選出する。奨励賞受賞者には、本総会期間中に実施する受賞講演にて研究内容をご発表いただき、審査の上、各領域から1名の「最優秀奨励賞」を決定する。
最優秀奨励賞受賞者の発表および授賞式は、2019年4月29日(月・祝)の閉会式にて行う予定。

3.  受賞者(五十音順掲載)

生理系・病理系

1.

日本腎臓学会

安藤 史顕(東京医科歯科大学 医学部附属病院 腎臓内科 特任助教)

2.

日本癌学会

高阪 真路(国立がん研究センター研究所 細胞情報学分野 主任研究員)

3.

日本解剖学会

近藤  誠(大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座 准教授)

社会医学系

1.

日本産業衛生学会

井上 彰臣(北里大学 医学部 公衆衛生学単位 講師)

2.

日本法医学会

佐野 利恵(群馬大学大学院医学系研究科 法医学講座 准教授)

3.

日本疫学会

南里 明子(福岡女子大学 国際文理学部 食・健康学科 准教授)

内科系

1.

日本血液学会

片岡 圭亮(国立がん研究センター 研究所分子腫瘍学分野 分野長)

2.

日本呼吸器学会

後藤 慎平(国立大学法人 京都大学 大学院医学研究科 呼吸器疾患創薬講座 特定准教授)

3.

日本循環器学会

遠山 周吾(慶應義塾大学医学部 循環器内科(臓器再生) 特任講師)

外科系

1.

日本脳神経外科学会

鈴木 啓道(名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科学 特定研究員)

2.

日本再生医療学会

武部 貴則(東京医科歯科大学 統合研究機構 教授 /
横浜市立大学 先医科学研究センター 教授)

3.

日本耳鼻咽喉科学会

細谷  誠(慶應義塾大学 医学部 耳鼻咽喉科学教室 助教)

柱4 グローバル化する日本の医療

●4-1 競争と共存(世界最善医療技術の開発 : 先進国との競争と協力)

グローバル化時代を迎え、日本の医療を国際比較の観点から再考する時期に来ている。国際比較により、日本の優れた医療制度や医療機器開発を明らかにするとともに、臨床研究の問題点もふまえ、今後の日本の医療の国際貢献について議論する。

4-1-1

日本の臨床研究は、なぜ遅れたのか?

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

豊田 長康(鈴鹿医療科学大学)

演者

豊田 長康(鈴鹿医療科学大学)

永井 良三(自治医科大学長)

渡邉 裕司(浜松医科大学)

福原 俊一(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学)

日本の臨床研究や疫学研究は諸外国と比較して大きく遅れをとってきた。たとえば日本の臨床医学の学術論文の質(注目度)は低迷し、また、いくつかの臨床研究に関わる不祥事が連続したこともあり、先進国の中での存在感が極めて低い状態が続いてきた。近年、ようやく大学や医療機関における本格的な臨床研究体制が整備され、わが国の臨床医学研究の質が向上し始めた兆しが伺われる。しかし、現在でもなお先進国との開きが大きく、「明治時代」にとどまっているという厳しい意見もある。本セッションでは、長年臨床研究に携わってこられた識者の方々に、それぞれのお立場から日本の臨床研究や疫学研究が遅れた背景要因をご指摘いただき、今後、世界におけるわが国の臨床研究分野での存在感を高めるためのには、さらに何が必要なのか、ご議論をいただく。

4-1-2

世界と比べた日本の医療制度

2019年4月28日(日) 8:30~10:00

座長

長谷川敏彦(未来医療研究機構)

演者

長谷川敏彦(未来医療研究機構)

長谷川友紀(東邦大学 社会医学講座)

平尾 智広(香川大学医学部 公衆衛生学)

近藤 正英(筑波大学医学医療系 保健医療政策学・医療経済学)

医療制度は世界各国それぞれ独特である。しかし提供体制と財政制度は所有者と財源で大雑把に分類できる。例えば公的供給と税財源の英国、私的供給と私的負担が中心の米国等があるが、イギリスにも一部私的な経営があり複雑である。加えて高齢化により介護制度が整備され、国により財源も税、社会保険、私的負担と多様である。19世紀後半から国民国家の成立と共に整備されてきた制度も、人口遷移による社会構造の大転換で、医療介護あわせて根本的に捉え直す必要が生れている。

今回は過去30年間の医療制度改革に携わり、国際的にも精通した日本の4人の第一人者から医療システムについて発表をいただき、日本の世界への貢献、特にアジアでの役割を議論する。4人はアジアの各政府を支援した医療政策研究者国際ネットワーク「ドラゴンネット」の主要メンバーで、2019年出版予定の台湾中国韓国日本5か国シリーズの教科書の日本編「Health Care Reforms and Policy Research in Japan」の編著者でもある。

4-1-3

国産医療機器の開発の現状と課題

2019年4月28日(日) 14:00~15:30

座長

妙中 義之(国立循環器病研究センター 人工臓器部)

演者

妙中 義之(国立循環器病研究センター 人工臓器部)

中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター)

宮田 昌彦(朝日インテック株式会社 代表取締役社長)

内田 毅彦(株式会社日本医療機器開発機構)

医療のイノベーションが国の重要な成長戦略として位置付けられ、創薬、再生医療の実用化とともに医療機器分野でも大きな環境の変化が出てきている。2010年の医療イノベーション会議の設立から始まって、2012年の医療イノベーション5か年戦略の策定、2014年に健康・医療戦略推進本部が正式に設立され、実用化を目指した医療機器開発が推進されている。同年に、国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律が公布・施行された。また、2015年4月には日本医療研究開発機構が設立され、これまで主として文部科学省、経済産業省、厚生労働省が個別に支援していた医療機器の実用化研究がこの機構の下に正式に統合されることとなった。このような状況の下セッションでは、最近の状況の変化の中で感じること、現状の課題だと思っていること、今後どうすれば我が国の医療機開発が振興し、世界の中で戦っていけるかなどについて、発表していただき、討論できればと考えている。

4-1-4

世界に誇る日本の難病対策

2019年4月29日(月・祝) 9:00~10:40

座長

遠藤 弘良(難病医学研究財団、聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科)

宮坂 信之(東京医科歯科大学)

演者

田中 彰子(厚生労働省 健康局難病対策課)

宮坂 信之(東京医科歯科大学)

福島 雅典(公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

Philip J. Brooks(leader in the Office of Rare Diseases Research at NCATS/NIH)

Segolene Ayme(Office of Research and Technology Development, Brain and Spine Institute, Hospital Pitie-Salpetriere)

伊藤 建雄(一般社団法人日本難病・疾病団体協議会)

我が国の難病対策は、昭和47年に厚生省(当時)が研究の推進を主とした「難病対策要綱」を定めて公式に開始されました。平成27年1月からは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律として「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)がされました。この法律の中では、医療費助成の対象とする疾病を「指定難病」と呼んでいます。我が国における難病の定義は、(1)発病の機構が明らかでない、(2)治療方法が確立していない、(3)稀少な疾患である、(4)長期の療養を必要とする、という4つの条件を必要としますが、さらに指定難病には、(5)患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しない、(6)客観的な診断基準が確立している、という2条件が加わっています。指定難病に対する我が国の対策を、医療費助成、啓発活動、研究支援などの面から紹介するとともに、米仏における難病対策も紹介をしたいと思います。

●4-2 教育と研究の視点(世界標準医療の提供:グローバル化に対応できる人材教育)

世界に通用する医師、医学研究者確保のための人材教育は喫緊の課題であり、世界標準に対応した医師育成のための卒前・卒後教育と医学研究の現状と課題を概観し、国際化への対策について幅広く議論する。

4-2-1

医療支援ロボット国際基準の創生と世界への発信

2019年4月28日(日) 8:30~10:00

座長

山海 嘉之(筑波大学 システム情報系/ 内閣府ImPACT革新的研究開発推進プログラム/CYBERDYNE株式会社)

演者

山海 嘉之(筑波大学大学院 システム情報工学研究科/ CYBERDYNE株式会社)

中島  孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院)

4-2-2

医師と医学研究に必要な生命倫理

2019年4月28日(日) 16:30~18:00

座長

黒木登志夫(東京大学名誉教授・岐阜大学名誉教授・日本学術振興会 学術システム研究センター)

演者

武藤 香織(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野)

大橋 靖雄(中央大学理工学部 人間総合理工学科)

市川 家國(信州大学医学部)

黒木登志夫(東京大学名誉教授・岐阜大学名誉教授・日本学術振興会 学術システム研究センター)

すべての学問分野の論文は、年200万報に達する。その40%、約80万報が医学分野の論文である。

学論文に問題の多いのは、その数が多いからだけではない。医学は、患者、病気を対象とするが故に、現象(症状)を出発点とし、生物と生命特有の複雑な因子が、解析を困難とする。さらに、ヒトを対象とするがゆえに、生命倫理を守らなければならない。本シンポジウムでは、医学、特に臨床医学研究の持つ様々な問題点を,研究公正の立場から論じたい。

4-2-3

我が国の学会、学術誌の国際化への対応

2019年4月29日(月・祝) 8:30~10:10

座長

北村  聖(国際医療福祉大学 医学部長)

津谷喜一郎(東京有明医療大学 保健医療学部/東京大学大学院薬学系研究科)

演者

北村  聖(国際医療福祉大学 医学部長)

Edward W. Campion(NewEngland Journal of Medicine)

Priscilla N. Kelly(Science)

津谷喜一郎(東京有明医療大学 保健医療学部/東京大学大学院薬学系研究科)

我が国の科学の水準は自他ともに高い位置を占めているが、学術論文の質と量という点で見ると、特に臨床医学の研究では世界に発信するものが十分ではないと言える。このシンポジウムでは、日本医学会の中での医学雑誌編集者会議の活動を総括して報告し、そのうえで、基礎医学を代表してScience誌、臨床医学を代表してNew England Journal of Medicine誌の編集者から日本の研究者に望むことを発表していただく。最後に、医学雑誌の現在と今後についてまとめる。

4-2-4

グローバル化時代の卒前-卒後ー生涯医学教育

2019年4月29日(月・祝) 10:30~12:10

座長

奈良 信雄(日本医学教育評価機構)

福島  統(東京慈恵会医科大学 教育センター)

演者

福島  統(東京慈恵会医科大学 教育センター)

鈴木 利哉(新潟大学医学部 総合医学教育センター)

奈良 信雄(日本医学教育評価機構)

長谷川仁志(秋田大学大学院医学系研究科 医学教育学講座/日本医師会生涯教育推進委員会)

医学・医療のグローバル化が進められる中、わが国における医学教育の質を国際レベルで保証していくことは、わが国の医学・医療を海外に発信し、かつ国際的に活躍できる医師を養成する観点から極めて重要である。本シンポジウムでは、医学教育質保証の意義と在り方、日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別評価の現状と展望、さらに医師生涯教育のあり方を紹介し、卒前の医学部教育から卒後の臨床研修教育、専門医教育、さらに生涯教育を通したシームレスな医学教育のあり方を展開する。さらにアメリカ、イギリス、ドイツ等の海外先進諸国における医学教育の現状と医学教育質保証制度についても紹介し、グローバル化時代における医学教育のあり方を議論する。

●4-3 アジアの保健医療状況:日本からの支援と日本への影響

アジア各国のユニバーサルカバレジ実現に向けて、日本はどのように支援できるか議論する。また、わが国のめぐまれた医療制度を利用するために来日する外国人に我々はどのように向き合ったらよいかについても考える。

4-3-1

公的医療保険制度の利用を目的とした来日者への対応

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

浜島 信之(名古屋大学医学系研究科 医療行政学)

演者

小塩 真史(厚生労働省保険局 医療課)

松本 吉郎(日本医師会 常任理事)

狩谷 哲芳(名古屋大学大学院医学系研究科 医療行政学)

田村 純人(東京大学医学部附属病院 国際診療部 )

健康保険証を持たない者が医療を受ける場合には自由診療となり、健康保険制度からの補助をうけることはできないだけでなく、保険点数1点に対して10円以上の請求を受ける場合もある。一方、健康保険に加入することができれば、来日外国人でも、日本人と同じ窓口負担のもとに医療を受けることができるし、高額療養費制度を利用することもできる。近年、わが国の健康保険制度の利用を目的として来日する外国人患者さんが増加してきており、この問題にどのように対応したらよいか考える時期に来ている。健康保険は国民の相互扶助の理念の上に立脚しており、多額な税金も投入されている。この現象の背景にある医療保険制度の違いや医療レベルの違いを理解し解決方法を議論したい。

4-3-2

アジアにおけるユニバーサルヘルスカバレジへの道:日本からの支援

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

渋谷 健司(東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学教室)

牧野 友彦(独立行政法人国際協力機構 グローバルヘルスとUHCのためのパートナーシッププロジェクト)

演者

鷲見  学(外務省 国際保健政策室)

Suwit Wibulpolprasert(Vice Chair, International Health Policy Program Foundation)

宮田 裕章(慶応大学医学部 医療政策・管理学教室)

大西 健丞(一般社団法人アジアパシフィックアライアンス)

杉下 智彦(東京女子医科大学 国際環境・熱帯医学講座)

アジア各国では、急速に進展する経済格差を反映し、保健医療サービスへのアクセスの不均衡、技術の高度化による医療価格の高騰、高齢化の進展に伴う慢性疾患の増大、都市化などによるサービスの多様性など、健康格差の伸長は深刻な社会課題となっています。2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、「誰ひとり取り残さない」ことを目指した「社会変革」が求められています。保健分野では「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」の達成が目標として掲げられ、強靭な保健システムによる包摂的な取り組みや、貧困・弱者層への保健医療や社会政策、人口構成や疾病構造の変化への対応、さらには公衆衛生危機に配慮しつつ、健康格差の増長を未然に防ぐ努力が求められています。このような社会構造の変化に伴う健康課題の最先端にある日本は、介護保険制度や地域包括ケアシステムなど最先端の取り組みを行ってきており、その経験はアジアにとって重要な教訓だと考えられます。

●4-4 アジアにおける医療人材育成支援

グローバル化により医療支援・協力が活発になっている。少子高齢化が進む我が国ではアジアとの人材交流は必須である。ここでは、アジアにおける医療の人材育成支援における現状と諸問題について議論する。

4-4-1

アジアからの看護師と介護士の受け入れについて

2019年4月27日(土) 13:50~15:20

座長

太田 真美(名古屋鉄道健康保険組合 名鉄病院 看護部)

市村 尚子(名古屋大学医学部附属病院 看護部)

演者

平野 裕子(長崎大学生命医科学域 保健学系)

近藤 麻理(関西医科大学 看護学部)

稲垣 喜一(公益社団法人 国際厚生事業団 国際・研修事業部)

楠田  司(伊勢赤十字病院)

日本とインドネシア、フィリピン、ベトナム各国との経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受入れが2008年から開始され1000名を超える候補者が来日した。現状では言語の壁や学ぶ環境による国家試験の合格率の低さなど、検討すべき課題があるとされている。2013年から名古屋大学消化器内科によるアジアでの内視鏡トレーニングの活動に参加し、ベトナムフエ医科薬科大学やバクマイ病院のナースとの交流、ベトナム看護協会総会への参加などを経験し、ベトナムが看護師の教育体制の整備などに取り組んでいる事を知った。日本政府はEPA看護師・介護福祉士候補者の受入れを、経済活動の連携強化の観点で行うもので労働力不足への対応としてではないとしていた。少子超高齢化による生産人口の減少を受け、我が国が外国人就労の拡大に向け方針転換を図ろうとする中、今一度EPA看護師・介護福祉士候補者の受入れの目的を再考しつつ、自国のみならず各国の方向性を見据えた議論ができる事を望む。

4-4-2

アジアにおいて医療人をどのように育成するか?

2019年4月27日(土) 16:10~17:40

座長

廣岡 芳樹(名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部)

吉岡健太郎(藤田医科大学 肝胆膵内科)

演者

林  和彦(国家公務員共済組合連合会名城病院 消化器内科)

仲佐  保(国立国際医療研究センター 国際医療協力局)

有吉 紅也(長崎大学熱帯医学研究所 臨床感染症学分野)

清水 周次(九州大学病院 国際医療部 アジア遠隔医療開発センター)

日本の先進医療技術を幅広く普及させるには、アジア各国において優れた医療人の育成を行うことが必須である。人材育成を考えた場合、国内に招聘するには限界があり、現地を訪問しての教育が医療人育成には効果的であると予想される。しかしながら、現状では国内への招聘が多く、現地を訪問し教育することは少ない。本セッションでは、4名のシンポジストをお招きし、それぞれのお立場から国内への招聘あるいは現地を訪問することによる教育の問題点や利点についてご発表頂く予定である。その上で、アジアの医師を含めたメディカルスタッフに対する教育システムの構築と人材育成に関して討議したい。

4-4-3

患者受け入れと医療者派遣のメリットとデメリット

2019年4月28日(日) 16:30~18:00

座長

神馬 征峰(東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室)

演者

宮原 良二(名古屋大学大学院医学系研究科 消化器内科学)

神馬 征峰(東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室)

和田 耕治(国際医療福祉大学医学部 公衆衛生学)

南谷かおり(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 国際医療センター)

2008年の洞爺湖G8サミットを契機に、グローバルヘルスへの日本の貢献度は高まっている。グローバルヘルスの使命は健康格差の是正である。国際的には、持続可能な開発目標(SDGs)にユニバーサル・ヘルス・カバレッジの重要性を盛り込み、途上国の保健システム改善の機運をもたらしてきた。保健システム改善の一環として、アジア・アフリカ諸国における保健人材育成の活動も続いている。この10年間、いわゆる国際保健オタクに限らず、通常の医療専門家による国際協力も活発になってきている。国内においてはどうか。オリンピックを目前に、年々増えている旅行者に対する医療、医療ツーリズム、日本に居住する移民への医療など、課題が山積している。SDGsに謳われている「誰一人取り残さない」ための医療を、海外において、また国内においてどのように実現していくのか?本セッションでは、対途上国だけではなく、国内における移民等に対する医療のあるべき姿や今後の取り組みの方向性について討論したい。

主催

日本医学会

主務機関

名古屋大学医学部、名古屋市立大学医学部、藤田医科大学、愛知医科大学、岐阜大学医学部、三重大学医学部、浜松医科大学、金沢大学医学部、金沢医科大学、
福井大学医学部、富山大学医学部、信州大学医学部、愛知県医師会、岐阜県医師会、三重県医師会、静岡県医師会、石川県医師会、福井県医師会、富山県医師会、長野県医師会